細かい仕掛け
映画のなかで、有名なタイムリープ系映画を思わせるちょっとした小ネタがあるのを発見しました。
父親の車のナンバー
アダムの父の車のナンバーは「BTF-123」で、これは過去と未来とを行き来する映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー1~3』を意味しているのではないかと思われます。
ピザ屋のスクーター
宅配ピザ屋のスクーターが登場しますが、荷台に書いてある店名が「PIZZA HASTA LA VISTA」となっていました。
これはもちろん『ターミネーター』シリーズでのアーノルド・シュワルツェネガーによるおなじみの台詞
「アスタ・ラ・ビスタ、ベイビー」
からきているものと思われます。
ちなみにこの「アスタ・ラ・ビスタ(Hasta la vista)」はスペイン語で「また会いましょう」といった感じの意味です。
ミシェル・ゴンドリーのとあるMVとの類似性
ループするたびに主人公が加算されていくという不思議な映像で思い出されるのが、MV(ミュージック・ビデオ)界の大御所でもあり映画『エターナル・サンシャイン』や『僕らのミライへ逆回転』『グッバイ・サマー』などの監督としても有名なミシェル・ゴンドリーのあの作品。
それがこちら。
カイリー・ミノーグ『Come Into My World』
ミシェル・ゴンドリーといえば、時空が歪んだような映像や、ふわふわした不思議な空間だったり騙し絵のような非現実的な世界を表現するのが非常に巧い監督で、とりあえず挙げてみるだけでも以下のようなMVがあります。どれも「あぁ~、これかぁー!」と思う納得の作品ではないでしょうか。
こうして列挙して見てみると懐かしさも相まって楽しいですね。
ケミカル・ブラザーズ『Star Guitar』
ボーッと見ているとつまらない映像だと感じてしまうかもしれませんが、音と映像の関連性に気付くと俄然楽しくなり、途中からニヤニヤが止まらなくなる作品ですw
ビョーク『Army Of Me』
このレトロな感じが今見ると逆に新鮮。
ビョーク『Hyperballad』
『Hyperballad』に関しては、曲がただひたすら素晴らしいという、その一点に尽きます。オリジナルver.もいいですが、多彩なリミックスのほうがよりトリップ感を味わえるかと。
ビョーク『Jóga』
緩急の付け方に独特のものを感じます
ベック『Deadweight』
こちらはダニー・ボイル監督の映画『普通じゃない』の映像と結びつけられた作りとなっていますが、チープさも脱力具合もバカバカしさも全て「わかってやっている」という感じが実に小気味よく、そして憎たらしいw
ポリフォニック・スプリー『Light & Day』
この曲の多幸感をそのままストレートに収めたような作品で、映像的には案外普通かも
マッシヴ・アタック『Protection』
この浮遊感、映像のセンス……曲もビデオも大好きでした。カメラを天井から下に向けて撮っているので、正面の各部屋の壁が実際には床となっています
レニー・クラヴィッツ『Believe』
映像の元ネタは言うまでもなく映画『2001年宇宙の旅』です。デイブ………
ザ・ローリング・ストーンズ『Like A Rolling Stone』
ラリってるとしか思えないこのふわふわ感、現実と脳内トリップ世界との混在具合の絶妙さ、天下のストーンズのMVであるにも関わらず、完全に脇役的な存在でなおかつ舞台は場末感満載、そしてそもそもの話「ストーンズがこの曲をカバーしてしまう」というチートさ。それら全てが反則だろw っていう具合に融合された憎たらしいまでに出来すぎた作品(笑)。
当時は「いやでもこれって原曲が持ってるメッセージ性が完全に抜けてるし、無敵は無敵なんだけど魂が抜けた傑作って感じだよね」なんて思ったりもしたんですが、今となってはどうでもよくなったりして……w
この中ではたしかレニクラとストーンズ以外はライブで観たことがありまして、その中でもマッシヴ・アタックはフェスも含めて2~3回観に行きました。どれも素晴らしかったです。
ポリフォニック・スプリーだけ典型的な一発屋といった感じで他と比べるとやや別扱いといった印象ですが、サマソニで見たときのこの『Light & Day』では、メンバーみんなが笑顔で身を揺らしながら演奏している様子はとても楽しそうで、なかなかの多幸感に包まれたいい空間だったのを思い出します。そういえばこんな時代もあったっけなぁ……と。
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