三崎町三丁目通信

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【解説】映画『LOOP/ループ -時に囚われた男-』──加算型ループ映画、そしてミシェル・ゴンドリーのMVとの共通点

投稿日:2020年4月4日

※後半にミシェル・ゴンドリーによる名作ミュージック・ビデオを多数紹介しています

 

 今回取り上げるLOOP/ループ -時に囚われた男-は、2016年のハンガリー映画です。原題の『HUROK』はハンガリー語でそのまんま「ループ」という意味。

 

 いわゆる「ループもの」と呼ばれるジャンルには映画のほかにも漫画や小説、ゲームなど多岐に渡りますが、この作品は切れ目なくループするタイムラインの中に「今の自分」よりも前の自分が重なってくるタイプのものです。

 見ていてややこしく感じるところや「それはちょっと矛盾してないか?w」と思う点もあるにはあるのですが、良い意味でも悪い意味でもかなり限られた時間内、限られた登場人物と出来事のなかで起こるループなので、案外頭を悩ませることなく見られる映画となっていました。

 

 「切れ目なくループするタイムラインの中に、映画の主人公として設定されている“今の自分”より以前・または未来の自分がいくつも重なってくる」という、書いているだけでも少しややこしく感じる(笑)展開の映画で思い出されるのは、メリッサ・ジョージ主演の映画『トライアングル』あたりでしょうか。

 乗っていたヨットが転覆して漂流し、通りかかった豪華客船に友人たちと乗り込んだらそこは謎のループ地獄。過去と未来の自分たちと命を狙い狙われ、ループを抜け出し脱出を図るというものでした。

 

 

 今作の主人公・アダムにとっての敵はボスのデジューだけなので、基本的には『トライアングル』のように「自分自身に命を狙われる」ということがありません。

 ですのでサバイバルな展開に怯えることはなく、アダムは「どうやって問題を解決するか」に集中できていることが、思ったほどは複雑な展開にはなっていない理由なのかも。

 

 

あらすじ

 大病院で働く医師を父に持ちながら、裏社会の男デジューの下で運び屋をしているアダムは、今回運ぶ薬物を横流しして逃げる計画を立てていた。

 

 いざ決行という日、同棲しているアンナの妊娠が発覚する。とにかく今の生活から逃げることしか頭にないアダムは、アンナを父の元へ診断に行かせ自分はそのままブツを持って逃げるつもりでいた。

 アンナへビデオメッセージを残そうとカメラで録画を始めたアダムは、飛行機のチケットをアンナが持ち出していたことを知り、激怒して追いかける。その途中の曲がり角でアンナと衝突し、彼女に詰め寄るがアンナは「生きていたのね」と不可解なことを言う。

 

 ビデオテープを手に持ち、片方しか靴を履いていない彼女の話によれば

 

「自分はデジューに撃たれた」

「ビデオに証拠があるからこれを警察に持ち込めば彼は捕まる」

「これで自由になれる」

 

 ──とのことだが、何が何だかわからないアダムは父の車を借りて逃げようと病院へ向かおうとする。

 

 しかしアダムを追いかけたアンナは救急車にはねられて死んでしまう。アダムは狼狽するが、自分のことしか考えていないためその場から逃げて父のもとへ向かう。父の車を借りて部屋に戻る途中、アンナが持っていたビデオテープを拾ったアダムがそれを再生してみると、そこには今それを見ているリアルタイムの映像と、まもなくやってくるデジューに撃ち殺される自分の姿が映っていたのだった──

 

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三崎町三丁目通信の主筆・Kです(個人運営ですが)。映画の感想を中心に、趣味で続けているスペイン語学習(DELE A2取得で止まっています)と最近始めた英語学習のことなどを書いています。本業はフリーランスのグラフィック&エディトリアルデザイナー。びっくりするくらい将棋が弱いです。

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