映画『ヴァン・ヘルシング』──3大モンスターの共演と、ここでも描かれるヴァチカンの……

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 ドラキュラ狼男フランケンシュタインジキル博士とハイド氏などの、おなじみの怪物たちが多数登場する『ヴァン・ヘルシング』は、ヒュー・ジャックマンケイト・ベッキンセイル主演のモンスター映画(2004年)。

 この系統の作品は、大まかに分類すると(舞台設定的にもドラキュラがメインの場合はとくに)ダーク且つ厳かな世界観で描かれるか、2000年代以降に多く登場した若い主人公たちによる恋愛要素盛り盛りの「それもう恋愛映画じゃん」的な作りとなるか、はたまたCG・特殊メイクバリバリで派手な戦闘シーンてんこ盛りの「怪物たちによるおしくらまんじゅう映画」のどれかに寄ったものとなりがちですが、今作はダークな世界観とおしくらまんじゅう的要素が程よくマイルドにブレンドされたような雰囲気となっていたように感じました。

 

 逆に言うと、どの方向にも突き抜けてはいないのでカルト的な人気作にはならないタイプといいますか…。

 ちなみにヒュー・ジャックマンの出演作でいうと、この前年が『X-MEN2」で、ケイト・ベッキンセイルのほうは前年に『アンダーワールド』に出演しているというタイミングです。ふたりにとっての代表作である『X-MEN』『アンダーワールド』シリーズでそれぞれが演じた役柄と今作での役柄を比較するとなかなか面白いものがあります。

 ヘルシングの相棒・カール役を演じているデビッド・ウェナム『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの2作目と3作目に登場したファラミア(1作目で旅の仲間でありながら指輪の力に取り憑かれてしまった人間・ボロミアの弟)役の人で『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』は今作の前年に公開されました。この当時はみなさん「こっち系」の映画が続いていた時期だったみたいですね(笑)。

 また役者のことでいえば、3人いたドラキュラの花嫁のうち最後まで残っていたアリーラ役は、スペイン人女優のエレナ・アナヤが演じており、この人はペドロ・アルモドバル監督作でアントニオ・バンデラスとの共演となった『私が、生きる肌』では、全身整形&性転換手術により女性にさせられてしまう男の役、そして忘れた頃にCSの映画チャンネルで(夜中に)放送される『ローマ、愛の部屋』ではレズビアン役を演じたりと、なかなかに振り幅の大きい女優さんです。DC映画の『ワンダーウーマン』に出てきたときはちょっとびっくりしました(笑)。

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怪物映画の人気キャラが多数登場

 主人公がのちに狼男に変身することになるモンスター・ハンター、倒す相手はドラキュラ伯爵ということで「ドラキュラ」「狼男」がメインですが、それに関わってくる者として「フランケンシュタイン」、フランケンシュタイン博士に仕えていた「せむし男」、さらにヴァン・ヘルシングのキャラ紹介的役割でサラッと出てきた「ジキル博士とハイド氏」など、往年の怪物映画でおなじみのキャラクターが多数登場しています。

 またヘルシングの相棒として行動を共にするヴァチカンの半僧半俗、武器製作に長けて古い文献や世俗の知識も豊富なカールというキャラは、中世が舞台の冒険小説やRPGなどに出てきそうな「僧侶」タイプですし、もっと細かいところだとトランシルバニアにいる「墓堀人」(墓守?)なども、特に説明がなくても「あぁ、いるいるこういうのw」と分かるお約束キャラ。

 逆に今作に出てこない主要モンスターはミイラ透明人間半魚人あたりになりますが、ここで出てこられても物語的に無理があるので登場しないのは妥当かと(笑)。

カッコいい武器と小道具の数々

 ヘルシングが使う手裏剣(コンバトラーVの「超電磁ヨーヨー」っぽいやつ)や、カールが作ったガトリングガンのように連射できるクロスボウ、スーパー目くらまし(勝手に命名)といった武器のほか、フランケンシュタインの心臓部や頭部の構造、吸血鬼の卵に電力(?)を送る装置などにスチームパンク的な造形美が感じられ、こういう世界観が好きな人にとっては心躍るアイテムが登場します。

© 2003 Universal Studios. All Rights Reserved.
もしケンシロウと闘ったら遠近感が掴めなくなる秘孔を突かれて脳天に刺さりそうw

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矢はあとで拾うのだろうか…

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心臓部はアーク・リアクター風

 また『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズをはじめ、多くのファンタジー冒険映画にも見られる「昔の地図」であったり、謎解き要素となった絵画や壁画もRPGやアドベンチャーゲームのようでワクワクするものがありました。

 個人的にはカールが偶然発見した隠し絵が、昔大好きだったPS用RPGの『キングスフィールド』シリーズで出てくるものに似てたように思えて軽くテンションが上がりました(笑)。

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こういったアイテムにも細かい装飾が

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