映画『シング・ストリート 未来へのうた』【ジョン・カーニー監督:音楽3部作③】──“すべての兄弟たちに捧ぐ”

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 『ONCE ダブリンの街角で』『はじまりのうた』のジョン・カーニー監督による音楽3部作(勝手に命名)の第3作は、80年代中期のダブリンを舞台とした、音楽少年の成長と青春を描いた『シング・ストリート 未来へのうた』(2015年 アイルランド、イギリス、アメリカ映画/日本公開は21016年)です。

 

 前2作がとにかく名作だったので、楽しみではあったものの舞台が80年代と聞いて、今回も現代劇が見たかった自分としては正直ちょっとガッカリし、それほど期待しないで観に行ったのですが……

 

 結果、今回も名作を満喫して劇場を後にしたのでした。

 

 

親の喧嘩と別居、姉と兄の存在

 

 この作品は監督の自伝的作品のような内容とのことで、ほぼ同世代の私にとってはそもそも時代設定的にもろ被りなんですが、主人公の家庭問題についても重なる部分が多かったので、当初の予想と違ってかなり刺さる映画となりました。

 

 見ていて懐かしくなったり共感したりするのと同時に、昔の辛かったことを少し思い出しちゃったなぁ~、なんてちょっと複雑な気分にもなったりして…。

 

 あと兄弟構成も自分と同じで、姉(年の差もあり、あまり話さない)と、やや年の離れた兄がいて、この兄から音楽の影響を受けるところもかなり近いものがありました。

 

 この映画のもうひとりの主役は間違いなく主人公コナーの兄、ブレンダンです 。訳あって引きこもりになり、若い頃のデヴィッド・ギルモア(ピンク・フロイド)風のロン毛で、音楽に詳しい兄ブレンダンが放つ金言の数々は、妙に的を射ていて面白く、そして厳しいけれどとっても優しい。まぁ、ウチの場合はこんなじゃありませんでしたけど(笑)。

 

 前作『はじまりのうた』のレビューにも書きましたが、監督の兄・ジムは『はじまりのうた』の完成前に亡くなってしまったそうで、マーク・ラファロ扮するダンのキャラクターにも反映させているとのこと。監督の右腕には兄の名前のタトゥーが入っているそうですが、今作での兄ブレンダンの描かれ方からして、監督にとって兄の存在がどれほどのものだったのかが想像できます。

 

 

comment

  1. 伊藤ひさ子 より:

    ありがとうございます〜〜フェイスブックでシェアさせていただきました♪
    ⬇︎ ⬇︎ ⬇︎
    ジョン・カーニー監督の3部作やっと最後のまで観ましたw
    音楽良いね好きなことにかける情熱とか、家族とか、脇役も最高に味があって久しぶりに「映画って、音楽って泣けるぅ」って感動。2を観て「兄に捧ぐ」ってエンドロールが気になって検索したらこのサイトに。めちゃええ批評するやん♪気になる脇役の解説や裏話や個人的な感想もうなずけるとこいっぱいでした。「ジェネシス聞く彼氏は敵じゃない」に吹き出したら同じこと書いてはったし。てことで作品みたあと、この人のサイト必ず読んでね〜〜

    • 伊藤さま

      ありがとうございます〜!
      『はじまりのうた』で割と唐突に「兄に捧ぐ」と出てくるから気になったんですけど『シング・ストリート』を見て、監督にとっていかに兄が大きな存在だったのかが分かって感動しました。
      何より3作通して音楽・映画ともに素晴らしいって相当すごいことだなぁと思いました。
      この映画が好きな方に読んでいただけて嬉しいです。

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