印象的だった楽曲3つ
主題歌をはじめ、劇中で使用されている楽曲も非常に印象深く、映画を見終わってからまた聴いてみたいと思わせるものがいくつもありました。ここではその中から3曲ほど取り上げようと思います。
デニス・ブラウン『Things In Life』
前半パートで何度か流れていたレゲエの心地いい曲はデニス・ブラウンの『Things In Life』という曲です。
こちらの動画は映画のものとは別バージョンらしく、ほんの少しだけ違うようなのですが(でもほとんど気付かないレベルの違いかと)映画の世界に浸るには十分ではないかと。どうやらサントラにこの曲は入っていないようです。
ママス&パパス『夢のカリフォルニア』
こちらは今更わざわざ取り上げるまでもない超有名曲ですが一応、ということで。
フェイ・ウォン『夢中人』
こちらの曲が収録されているフェイ・ウォンのアルバムもなかなか良かったです。またこの曲の動画は他にも色々ありましたが、この動画が一番格好良く編集されていたのでこちらにしてみました。
(※しばらくぶりに確認してみたら動画がなくなっていたようなので別の動画に差し替えました)
(※さらにしばらくぶりに確認してみたらまた動画が消えていたようなので再度他の動画に差し替えました)
その他、感想や小ネタなど
後半パートのフェイの行動は、今のご時世だったら一発レッドの即退場ものだと思うのですが(笑)、エキセントリックなキャラと香港の(いい意味での?)適当さ、そして633号の警官とは思えない置き物レベルの鈍感さによってそれが許されているように思いました。もしこれが男女逆だったら、今どころか当時でももちろん一発レッドでしょうね(笑)。
フェイは少しずつ髪も伸びて、途中からどんどん可愛くなっていきますが、序盤での首を振りながらモップがけしてる場面などは、髪の極端な短さも相まってちょっとヤバそうなというか、触っちゃいけないタイプの人みたいに見えました(笑)。
香港へは行ったことがないので分かりませんが、サラダも魚のフライも全部銀紙で包む「MIDNIGHT EXPRESS」スタイル?は向こうでは当たり前なのでしょうか…。フライはともかくサラダも銀紙……
まぁプラスティック容器が少なくなるのは悪いことではないのでしょうが、汁漏れ対策はどうなっているのか気になるところではあります(笑)。
トニー・レオン演じる警官633号が住んでいるアパートですが、こちらは後半パートの撮影監督でありウォン・カーウァイの盟友ともいえるクリストファー・ドイルが当時住んでいた自宅だそうです。
前半パートの地下鉄のシーンは許可なしのゲリラ撮影だったとのこと(香港の地下鉄は撮影許可を取るのが非常に難しく、たとえ許可が取れたとしても高額を支払わなければならないため、だそうです)。また「MIDNIGHT EXPRESS」の前で633号がコーヒーを飲むスローモーションのシーンと、同じく633号が「カリフォルニア」の店内でジュークボックスを使うシーンは、トニー・レオンがゆっくりと動くことでスローで撮っているように見える撮影方法が取られているそうです。
ところで個人的にこの映画の中でとくに好きだった場面がありました。それは633号とスッチーの元彼女という
もう終わった関係のふたり
と、“元”633号とスッチーになったフェイの
これから始まる関係のふたり
の違いを台詞でうまく表現しているこちらの場面です。
●フェイにすっぽかされた日、コンビニでばったり遭遇した633号と元彼女の会話
元彼女「制服のほうがすてき」
633号「君もだ」
●「MIDNIGHT EXPRESS」から流れる『夢のカリフォルニア』につられて立ち寄ったスッチーのフェイと、そこのオーナーとなった元633号との会話
元633号「制服が似合うね」
フェイ「私服もすてきよ」
地味だし分かりやすいベタなやり取りなのでしょうけど、こういうところでコントラストを効かせる見せ方、嫌いじゃないです。
まぁ633号が着ている私服はフェイが入れ替えたものなので元彼女の好みに合わないのも不思議ではないですし、再会したフェイが元633号の私服を褒めたのも元々自分の趣味が反映されただけなんだから当たり前だろw とか、633号は単に制服フェチなだけだったのかもしれない(露店食堂の美人ウェイトレスに633号がなびかなかったのも制服じゃないから?w)というツッコミも出来なくはないですが、そういう余計なことは考えないでおきましょう(笑)。実際633号がフェイを誘ったときは制服云々は関係ありませんでたし…。
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