2006年の映画『かもめ食堂』の舞台は、北欧・フィンランドの首都ヘルシンキに日本人女性のサチエがオープンさせた一軒の食堂。
その「かもめ食堂/ruokala lokki」をめぐり、そこで出会う人々とののんびりしていながらもちょっと不思議な日常の物語──
個人的に北欧、とりわけフィンランドという国に強い興味と好意を持っていた自分にとってはまさにキタコレ!的な映画だったので、公開時はすぐに観に行きました。
そしてその翌年、ヘルシンキとストックホルムに一人旅する機会が持てたので、映画に出てきたあちこちの場所やロケ地になった「カハヴィラ・スオミ」にも行ってきたのでした。一応出発前に下調べはしていたものの、当時はスマホもなかったので見つけるまでに周辺を数回うろついたのも今となってはいい思い出です(笑)。
訪れたのが5月下旬という、気候的にもちょうどいい頃で天気も良く、さらに夜11時くらいまで日が沈まないという、何もしなくても勝手にテンションが上がる(笑)時期ということもあって、楽しかった記憶しかありません。もちろん旅経験の不足と語学力のなさによる失敗や物足りなさはありますが、それを差し引いても期待した以上に自分にとって心地いい場所でした。
ちなみに当時すでにスペイン語の勉強はしていましたが、同じく観光で来ていたスペイン人と少し話が出来たくらいであまり役には立ちませんでした。まぁそりゃそうだろって話ですが(笑)。
「カハヴィラ・スオミ」について
映画の中で『かもめ食堂』として使われていた場所は、元々「カハヴィラ・スオミ」(カフェ・スオミ)として実際に営業されていたお店を、撮影の期間だけ改装してロケ地としてしたもので、そこのお店の方々も映画のラストのほうでエキストラとしてご登場されています。…ってか12年前の映画のことだし、そんなのとっくに知ってるよって言われそうですが念のためということで(笑)。
なお「スオミ」とはそのものズバリ「フィンランド」という意味だそうです。19〜20歳頃に五木寛之氏の小説にハマった自分は、そういった知識だけは持っていたのでした(笑)。
で、「そういえばそんなニュースを当時ネットで見たかも……」という曖昧な記憶しかないのですが、その“オリジナル”である「カハヴィラ・スオミ」は2015年に閉店し、2016年にフィンランド在住20年以上の日本人の方が新しいオーナーとなって「ラヴィントラ・カモメ」(かもめレストラン)として営業されているとのこと。ちなみにお店のサイトはこちら。
現在の「かもめレストラン」(いや、ここはやはり「かもめ食堂」と呼ぶべきか)も映画を見た人にとって人気のスポットであることに変わりはないのでしょうけど、「カハヴィラ・スオミ」が閉店されてしまったことを考えると、公開翌年にあそこへ行くことが出来て本当に良かったなぁと思います。
私が行ったときは、おかみさんの妹さんが対応して下さったのですが(たしかご主人も厨房の中にいたような)、とても親切で優しくしていただき、非常に居心地が良かったことと、またそのときお店で働いていたバイトっぽい若い女の子が、その一週間の旅で目にしたたくさんの北欧美人の中でもダントツに奇麗だったことが、自分の中での「カハヴィラ・スオミ」さらにはヘルシンキ、そしてフィンランドそのものに対する好感度が爆上げされた要因のひとつでもありました(笑)。…っていうのはやや大袈裟ですが、基本的に街のどこへ行っても感じのいい人ばかりでした。
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