【ネタバレ】映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』──始まりと、終わり

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“Everything that has a beginning has an end.”

始まりがあるものには すべて終わりがある──

 これは映画『マトリックス レボリューションズ』でのオラクル(とスミス)のものですが、今作『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観てこの台詞がふと思い出されたのでした。

 

 始まりがあって、終わりがある──

 

 当たり前といえば当たり前のことですが、ひとつの世界観に基づくマーベル・ヒーローたちのこれまでの長い物語を、よくもまぁこれ以上ないくらいの感動作にしてまとめ上げたもんだ……

 

何なんだこれは。。。

 

最高じゃないか。

 

 

 「始めた者が、終わらせる」という幕引き。もういろんなところで泣けてくるので大変でした。

 

 2008年の『アイアンマン』から始まった「マーベル・シネマティック・ユニバース」の壮大な世界。そう、始まりは『アイアンマン』だったんですよね。

 問答無用で面白く、造形も機能も戦闘力も、とにかく全てが格好良かったアイアンマン。

 そして何よりロバート・ダウニー・Jrがトニー・スターク役として完璧にハマっていて、その後の全てのMCU作品はこの『アイアンマン』の成功なくしては語れないものだったように思います。ってか皆さんそう思っているでしょうけど。

 

 全てはトニー・スタークがあの洞窟の中でトンカントンカンと鉄を叩きながらマーク1を作ったところから始まったのでしたね。

 そしてそこから続くMCU作品へのファンファーレ・号砲とでも言うべき高らかな宣言が『アイアンマン』のラストの記者会見でカンペを無視して言ってしまったスタークの

“I Am Iron Man.”

だったんでしたよね。

 もうこれを書いている時点でグッときます。よくこんな映画を作れるもんだわ……

 

 これまで築いてきた多くの物語やシリーズの歴史がいくらあったとしても、そういった素晴らしい素材を全部活かして、ここまでの感動作にまとめ上げることは決して簡単なことではないはず…

 

 ですよね!『スター・ウォーズ ep7~9(および『ハン・ソロ』)』関係者の皆さん!!

 

 

 エンドクレジットの後に聞こえてくる、トンカントンカンと鉄を叩くあの音……

 

 あぁもうダメだ…。花粉症の季節はもう終わったというのに。

 

【予告編1】

 

 

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予想外の序盤

 今回は売り切れで買えなかったためにパンフレットからの情報がないのですが、まず序盤の展開が予想外でした。そこまで行ってから戻るのね、と。

 あんな空しいサノスへの逆襲なんて誰も見たくなかった…

 で、そこから5年後に浮上した「やり直すことができる」可能性というのが、個人的にやっぱり!&キター!!という感じの、“量子の世界へ2度行って2度生還した男”アントマンから提案された、タイムトラベルで先にインフィニティ・ストーンを集めるという「タイム泥棒」(さすが元泥棒w)作戦でした。

 あの指パッチン後の辛く空虚な現実の中で、残された人々が何とか生きているという5年後の世界を一度見せてからの、過去に戻ってやり直すという展開…なるほど~と思いました。上映時間が約3時間とかなり長いものになっているのも納得です。これを描かないとあの指パッチンの重みが薄れますもんね。

 また今作では泣かせるポイントが山ほどあって、挙げるときりがないくらいですが、その中でも個人的に熱かったポイントのひとつが「これまでずっと不遇の扱いだったピム博士が開発したピム粒子が宇宙を救う切り札になったこと」でした。

 次からのMCUのフェイズでアントマンが出てくるときにはこの件をしっかり反映させてほしいですね。ちゃんと評価されててほしいー。

 

 

歴史の使い方が巧すぎる

 これまでのMCU作品で築いてきた歴史、物語と登場人物の使い方や引用の仕方がとにかく巧すぎると感じました。

 過去に戻ってインフィニティ・ストーンを集めるというミッションから、今はもう亡くなってしまった人たちが多く出てきますが、NYの場面でエンシェント・ワンが出てきた時点でもうウルウルきてました(笑)。

 時系列的にはドクター・ストレンジがエンシェント・ワンと出会う前だったと思いますが、至高の魔術師“ソーサラー・スプリーム”と呼ばれる存在でタイム・ストーンを持っているエンシェント・ワンは、このときすでに出会う前のドクター・ストレンジという男の素質や精神を認めており、未来で彼が下した判断を信じてハルク/ブルースにタイム・ストーンを託すのでした。

 映画全体の中では比較的地味な部分ながらとてもいい場面です。

 ピム粒子で過去と現在を行き来することができたアベンジャーズの面々ですが、エンシェント・ワンとドクター・ストレンジは自らの能力とタイム・ストーンによって過去と未来を見ていたのですね。

 能力的にはアベンジャーズの一員として戦えたなら主力級の働きをしていたはずのエンシェント・ワン。あのクライマックスのヒーロー大集結のなかにいてくれたら激熱だったんだけどね。スカーレット・ウィッチと組んで無双する姿が見たかったです。ややX-MENっぽくなる気もしますが…

 

 ドクター・ストレンジたちが使う魔術がいちいち格好良くて大好きなんですが、あの最終決戦の場に5年前に消えた仲間たちが集結するとき、ドクター・ストレンジとウォンが開けた時空のゲートを通って次々と出てくるところのあの高揚感。。IMAX 3Dで観たのですが、もう興奮しまくりでした。

 前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では、サノスがスペース・ストーンの力を使って空間移動してやって来ましたが、今回は逆に復活した「アベンジャーズ・アッセンブル」が続々と空間移動してやってくるという演出、もう最高すぎ。日本語がおかしいけど気にしません(笑)。

 そして「アベンジャーズ・アッセンブル」というフレーズがこのタイミングで出たことも、マーベルコミックのファンの方々にとっては激熱だったことでしょうね。

© 2019 MARVEL

 

 あと同じくNYのミッションで、S.H.I.E.L.D.内の裏切り者達からキャップがマインド・ストーンを奪う際のエレベーターの場面、あれは『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のときのエレベーターでのど突き合いをまたやるのかなと思ったら違いましたね(笑)。

 そういやそうだよな…といったところですが、まさかあのひと言だけで済むなんて。

 

 その他、現在のキャップと昔のキャップが戦う場面や、サムが無線でキャップに話しかけるところだったり、インフィニティ・ストーンをそれぞれの場所に戻すときにキャップがバッキーに言う言葉など、過去作からの引用が数多くあったようですが、にわかな自分は気付きませんでした。。1回観ただけですぐ判る人たちってすごい(笑)。

 過去の台詞を引用するにしても、信念だとかお互いの友情・信頼関係その言葉だけで表現する、実によく考えられた演出なんですよね。しつこいですが

 

『スター・ウォーズ ep7~9(および『ハン・ソロ』)』関係者の皆さーん! 見ました?

 でもあなた方は『ローグ・ワン』で同じことが出来たのだから、私はまだ一縷の望みを持っていますよ……

 

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