【長い友情の終わり】映画『TENET テネット』その②──スタルスク12での戦闘シーンの検証と考察など【ニールの正体】

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扉を開けたニールはどこからやってきたのか?

※これは私個人の推測として今回の原稿を書いたのですが、書き終わってからYouTubeで海外の方が上げている動画をみたら同じ解釈だったようなので、この流れで合っているものと判断します。

 「鍵を開けられるのは僕だけだろ?」「また過去を作る」というニールのセリフから察するに、このあとニールは過去へ戻って役割を果たしに行ったものと思われます。

 その役割とは地下の格子扉の鍵を開けることであり、それはつまり主人公の身代わりとなってボルコフに撃ち殺されることでもあります。

 この衝撃の事実を踏まえての、地上での次のふたりのセリフ、

ニール「世界を救った。運じゃない」

主人公「別の結果もあり得た?」

ニール「起きたことは仕方がない。この世界の理(ことわり)だが、何もしない理由にはならない」

主人公「運命?」

ニール「好きに呼べ」

主人公「君には?」

ニール「現実だ」

 世界を救い終わった主人公を前にしての、これからその「世界を救ったという事実」を“作る”ために死にに行く男のセリフであることを考えると、このやり取りはとても深くて重い言葉として響きます。(ニールのリュックにストラップを見つけた時点で主人公は全てを悟ったので、彼の目には涙が浮かんでいます)

 もちろん主人公もアイブスも、さらには一緒に戦った他の部隊の者たちも皆、死ぬ覚悟で臨んでいたわけではありますが「100%、確実に死ぬことが分かっていて(いつどうやって死ぬかも)」そこへ向かうことと「死ぬ覚悟を持って」行動することはやはり違うと思うのです。

 

 また先ほど、

主人公とアイブスが扉の中へ入るまで扉を手で支えている

 

 と書きました。

なぜこの間、ニールは扉を手で支え続けていたのでしょうか?

 これは大きな疑問でしたが、先の神動画を作った方が作成した別の動画を見ていてようやく意味が解りました。その動画というのがこちらです。これもまた神動画。

 

 この動画を見ると、ひとつの結論に至ります。それは、

 この扉はオートロックであり、誰でも簡単に解錠できるような扉ではない、ということです。

 これがもしホテルなどにある普通のオートロックの扉なのであれば、扉が格子なので隙間から手を伸ばして外から開けることは容易なのでしょうが(笑)、簡単には開けられない仕様になっているようなので鍵開けのスペシャリストであるニールしかこの扉を解錠することはできなかったのです。(時間をかければ主人公にも開けられるのかもしれませんが、即座に開けなければならないあの状況ではニール以外には無理)

 そして、なぜ扉を開けて終わりではなく手で支え続けていたのかというと、それは

主人公とボルコフの“ふたり”を中に入れなければならなかったから

 です。このことも先ほどの神動画を逆行の視点で見ることによって理解することができます

 主人公とアイブスは地上からニールが降ろしたロープで脱出しますが、逆行の視点で見れば彼らはロープで地上からこの中に入ったことになります。

 入ったからには出なければなりません。そして出たあとでミッションの開始時点に戻らなければなりません。

そこに向かい、扉の中に入り、地上へ脱出する

 この流れを作るために、主人公とアイブスのふたりを扉の中に入れなければなりません。そして扉は一度閉まったら主人公たちには開けられない仕様のオートロックです。だからニールは手で扉を支えていて、アイブスが中に入ってから出ていったのです。

 もし鍵を開けてすぐに手を離していたら、中に入れたのは主人公だけです。(アイブスは気絶しているので)そしてその場合、アイブスは脱出できませんし、そもそもふたりとも中に入れなければアルゴリズムは奪還できませんでした。

 ややこしいので前のページで説明したニールの行動を含めて、もう少し状況説明を加えて逆行の視点で解説するとこんな感じです。

・ニールがやってくる(主人公とアイブスは中にいる)

 

・ニールが扉を開ける

 

・アイブスが外にバックして気絶する(扉の外に出る)。ニールは扉を手で支えている

 

・主人公が外にバックして扉の外に出る。ニールは扉を手で支えている

 

・ニールが扉を閉める(扉はロックされる)

 

・ニールがボルコフに撃たれる(主人公とアイブスは外にいて、アイブスは気絶している)

 

・ニールが倒れる

 

・アイブスが立ち上がる。ボルコフが発砲する

 

・主人公とアイブスがバックしてトンネルを出てゆく

 うーむ、やっぱりややこしいかもしれませんね……

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