突如巨大怪獣に襲われたNYを舞台に、逃げ惑う主人公たちを手持ちのカメラの視点で描くPOV形式のモンスター・パニック映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』、のちに
「クローバーフィールドという名前」
「ロゴの一部がびろーん」
「怪獣らしきもの」
の3点を引き継ぐ『10 クローバーフィールド・レーン』と『クローバーフィールド・パラドックス』の2作が公開されました。先日3作目の『パラドックス』を見たので、このタイミングで3作まとめてレビューを書いてみました。
あらすじ
米国国防総省が保管している暗号名「クローバーフィールド」に関する記録映像が流れる──
日本への栄転が決まったロブを祝うホームパーティがNYのロブのマンションで開かれる。友人のハッドは、ロブの兄ジェイソンから頼まれ参加者からのお祝いメッセージを撮影する。
ハッドは以前見かけてから気になっていたマリーナをはじめ、ロブが恋人ベスと気まずい状況になっているところまで強引にカメラで追っていくが、その最中に突然どこかから爆音が聞こえ、地震のような揺れと停電に見舞われる。
間もなく大きな爆発が起きて慌てて外に出るとまた爆発があり、ロブたちの目の前に自由の女神の首が吹っ飛んでくる。
ロブ、ジェイソン、ジェイソンの彼女リリー、マリーナ、ハッドは橋を渡って避難しようとするが、途中で水上から現れた巨大生物によって橋は破壊され、先を歩いていたジェイソンが橋の崩壊に巻き込まれる。
ロブはベスからの電話を受け、動けなくなっている彼女を助けるため強制避難命令が敷かれる中、4人でベスのアパートへと向かう──
キャストについて
『10 クローバーフィールド・レーン』のほうを去年見まして、こちらのほうは今年に入ってからようやくHuluで見たのですが、今回また改めて見直して(ちなみに今回はNetflix)キャストについても調べてみたら、ずっとカメラを持って撮影してたハッドは『デッドプール1&2』で酒場の店主役の人だったんですね。
ずっと撮影しているために本人の顔が映る機会が非常に少ないものの、空気の読めなさと社交性にやや難がある言動から、マリーナやリリーに最初からああいう態度を取られてしまうのも理解できるような気がします(笑)。
あとはジェイソン役の人が映画やドラマに色々出ているようですが、見たことがある映画でもあまり印象に残っておらず…
感想
日本の怪獣映画の影響が色濃い作品ということで、ロブが副社長になる栄転先が日本であることや、ロブの部屋にのれんなどの日本的なものが置いてあったりケータリングのメニューに寿司があったりと、細かいところにも日本を連想させる要素がチラホラ見られました。今だったら中国なんでしょうねぇ…
とりあえず最初に見たときの感想は、面白いんだけど「これって何かの映画のスピンオフじゃなくて?」というものでした(笑)。
つまり、「ここで起こった出来事とは一体何だったのか」「あの生き物の正体は何なのか」「そして結局どうなったのか」ということが何も分からないまま映画が始まり、そして終わるという展開のため、このNYで起きた大惨事で逃げ惑う一般大衆の中の一組という、メインキャラっぽさが全く感じられないところがスピンオフ風に見えるというか…。
もちろんこれはこれで「リアリティを出す」という意味では成功してるんでしょうけど、いかんせん事態がデカすぎるので「説明が足りなさすぎだろw」という気もしてしまいます(笑)。これが『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』とか『Rec./レック』みたいな、同じPOV形式の映画でも規模が小さかったり狭い空間での出来事だったらそんなふうには思わないんでしょうけどね。
あと最初に見たときは、ロブをはじめとしたこのグループは結局全員助からなかったのね…と認識してしまったんですが、改めて見てみたらヘリコプターに乗るときに最初にひとりだけ乗せられたジェイソンの彼女リリーは、もしかしたら生き延びたかもしれないですね。
なんか勝手にヘリコプターが叩き落とされたように記憶していましたが、それはロブたちが乗ったヘリコプターのほうで、リリーが乗ったほうはとくにどうなったかの描写がありませんでした。画面が見づらいのに加えハッドがうるさいのと(笑)、あとこれまで見てきたパニックムービーの多くは、最初に逃げたほうが助からなかった率が高かったので、その刷り込みで勝手に決めつけていたのかもしれません。
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