ってかなんで生きてんのww
前作『アドレナリン』は、下品でバカで荒唐無稽、人の命の扱いが本当に雑(笑)、というB級スーパーバカ映画の見本みたいな映画でした。
がしかし。
前作の『アドレナリン』は硬派なポスタービジュアルとキャラ設定(ロスのマフィアに雇われた殺し屋が毒を盛られて復讐に走る)によって、映画冒頭部の雰囲気だけだと「あれ、硬派なクライム・アクション映画かな?」という印象を持ってしまいそうなんですが、いざ蓋を開けたら超バカ映画でしたw──という「つかみ」的な面白さ、仕掛けといったものがありました(たぶん)。

そして今作はその続編……ということはすでにハイテンションバカ映画だということはバレているため(笑)、下のポスターでもお分かりのように最初から完全に開き直ってます。
バカさ加減や荒唐無稽さもすでにリミットを超えており、まさにその看板に偽りなしといった、タガが外れたスーパー・ハイ・ボルテージB級バカ映画となっております(笑)。
いやー、何度も声出して笑いました。
まさか続編があるなんて知らなかったので(全然放送もされないし)、まずそこに驚きました。もう一回言うけどなんで生きてんのww っていう。でも生きてるんだからしゃーない(笑)。うるせー馬鹿!!! で通ってしまう世界です(笑)。ちなみに私はNETFLIXで視聴。
突っ込んではいけないw
あの高さから落ちて「心臓はともかくなんで身体が無傷なのw」とか、「心臓抜かれたときも色々おかしいだろww」といったように、常識というレンズを通して見て突っ込んではいけません(笑)。突っ込んでいいのはギャングのケツだけです。(もちろん油に浸したライフルを)
溜め込んでいる下品と暴力と差別への欲望が爆発
やっぱり多民族国家アメリカは、表向きこそ自由の国、平等の権利、差別反対だのと偉そうなことを言っていますけど、その内側には堂々と声に出して言いたい、でも絶対に言えない…みたいな、ひた隠しにしているドス黒い欲望がパンパンに膨れ上がっている人がたくさんいるんだろうなって思います。いやマジで。
だからこそその欲望のはけ口として、映画やドラマで悪の地球外生命体やロボット、ゾンビといった「誰にも文句を言われることなく、そしてモラルを問われることもなく、堂々とブッ○しまくれる対象」の作品が大人気なのではないでしょうか。(※個人の感想ですw)
そんな欲求を爆発させるべく、この作品(前作含め)でも、アジア人や黒人、ヒスパニック系なんかを「悪い奴らの口を借りて」堂々とバカにしたり差別しまくっています(笑)。エロもグロも何もかも、本当は自分たちがしたくてしたくてたまらない欲求なんだけど、それが出来ないから自分らの代わりに映画でバカどもにやってもらう、っていう(笑)。
ぶっ飛び中国人・リアを演じていたのは…
要するにアジアン・アフリカン・ヒスパニックと、全方位にケンカを売っているような扱いなんですが(笑)、その中でもぶっ飛び中国人キャラのリアをやらさ…もとい演じている中国人…。この人は一体誰だったのかというと……こちらの方でした。
ダークヒーロー映画の傑作『クロウ/飛翔伝説』で、敵のボスだったトップ・ダラーといつも一緒にいるあの女…カラスを捕まえてエリックの力を封じたあの女を演じたバイ・リンさんです。このときは(好きか嫌いかはともかく)若く張りがあって色気のある女性だったのに……なんでしょうかこの違いは(笑)。


続編でも細かい笑わせどころ満載w
前作『アドレナリン』を超えるハイテンションでバカ道を突っ走っており、もはやメーターを振り切っている感がありますが、ただメチャクチャなだけではなく、前作からの踏襲や「お前かよw」っていうキャラの登場もあり、小ネタは今作でも満載です(笑)。
前作ではチェリオスのケータイの着信音だった、あの気の抜ける音が今度はドクのケータイからw
またもや地図はGoogleマップw
ストリッパーに身を落としたイヴがステージで脱ぎ捨てた服があのPUMAのジャージw
エロいねーちゃんが出てくる場面のカメラアンブルがいちいち下品w
ケイロの弟(ビーナス)が登場w そしてめっちゃ挙動不審ww
ケイロの敵討ちをする、というやり取りでのチェリオスとビーナスの会話w
「もう全員死んだよ」
「でも…全員?」
「ああ、全員だ」のあとの
「D. E. A. D. Brown Bread(スラングでDEADの意味だそう)」
「Right Said Fred?」
「Simply Red.」
の台詞w
ライト・セッド・フレッドは91年「I’m Too Sexy」の大ヒットで知られるスキンヘッドのマッチョ兄弟が中心のイギリスのバンド。もちろんケイロ&ビーナスのゲイ兄弟に絡めての台詞と思われますw そしてそれに答えるチェリオスの台詞、シンプリー・レッドもイギリスのバンド。こちらは説明する必要がないくらい有名ですね。
「全員始末したよ」
「全員?」
「ああ、全員だ」
「死んだ?」
「死・ん・だ。死んだよ」
「マジで?」
「マジで」
という程度のやり取りなんでしょうが、韻を踏みつつお互いのパーソナリティに絡めてくるあたりが面白いです(笑)。(言うまでもないですがジェイソン・ステイサムはイギリス人)
「肌の摩擦」というキーワードでもう展開が読めていますが、競馬場でのシーンがいちいち細かいw
「馬乗り」
「(現場ではネコと呼ばれる)台車をひくおっさんと同じ体位」
「飛び越える馬のアレ」
「フィニッシュ!」
などw
競馬場でジョニー・バンをあっさり取り逃がしたビーナスが言い返した台詞
「シェブ、お前はカラテ出来んのかよ?」
を英語字幕で見ると
「You ain’t no Ralph Macchio yourself, Chev!」
となっていました。
ラルフ・マッチオとは映画『ベスト・キッド』の主役・ダニエルを演じた人。
前作でトラウマを負った(らしい)繊細な看護士が再登場w
やっぱりこの映画の世界では、ナイーブな人は生き残れないのかも…(ナイーブと対極の悪党も容赦無くヒドい目に遭ってますがw)
発電所での唐突な巨大化&ヘボい戦いw
なんでここでいきなり円谷プロ風の特撮シーンになるのかww
チェリオスのかーちゃん役が元スパイス・ガールズのポッシュ・スパイスことジェリ・ハリウェル
まさかのベローナ再登場w でも金がかかってる割には全然ハイテクじゃない蘇り方w
正直なところ、続編があると知ったときは「いや~こういうやつの続編って絶対つまんないっしょ。だから放送されないんでしょ?」と、すっかりナメてたんですが……すみません。私が悪ぅございました。
いやはや、まさかここまでバカ道を極めてくるとは思ってもいませんでした(笑)。「ナメてた相手が実はスゴ腕」ってこういうことを言うんですね……って違うか(笑)


comment