今回はずいぶん敵のスケールがデカいなぁ…なんて思っていたら
他のアベンジャーズとは一線を画すスパイダーマンの魅力のひとつは、本人の活躍するフィールドや敵のスケールが実に地に足の着いたものであるということではないかと思います(まぁ本人は宙を飛び交っていますが)。
ですが今作『ファー・フロム・ホーム』では、前作と比べてずいぶんと敵のスケールがデカくなっていましたね。
まぁ『インフィニティ・ウォー』から『エンドゲーム』の流れを考えればそういうものか…と納得してもいいところなんでしょうが、それでもやはりスパイダーマンにしては相手が強大すぎやしないか!?と。
…なんて思いながら観ていたら……思いながら観ていたらー!!
ミステリオとエレメンタルズの正体と目的があんな感じだったので、なんだやっぱりスパイダーマンの身の丈に合った世界だったのね…と、ここで納得。
過去のアベンジャーズたちの物語で、その中心からこぼれ落ちた存在たちによる復讐劇──という展開も本当うまいなぁ…と改めて感心させられました。『エンドゲーム』のレビューでも書きましたが、MCUは自分たちが作ってきた歴史の使い方が実に素晴らしいですよねぇ。
それにしてもミステリオが本性を現したあのパブだかバルだかのシーン。最初の十数秒くらい「え?? な、なに?!」と、話に付いていけなかったのですが、なんてことはない、ただの天才悪党(言語の崩壊)だったわけですが、あのグラサンをかけると想像以上にトニー・スターク風味漂うルックスというのが、よりピーターの心に訴えるものがあったんでしょうねー。
もちろんそれも計算したうえでのキャスティングだったんでしょうから、こうなるとちょっと出来過ぎていて軽く憎たらしくもなってきます(笑)。
ジェイク・ギレンホールのような人気も実力も申し分ない役者が、この一本でMCUから消えるとは思えないので、きっとあの最期も現実ではなく実は生きているんだろうと予想しています。いや、そうであってほしい。
話は逸れますが、ブルース・リーがローマのコロッセオでチャック・ノリスと死闘を演じた映画『ドラゴンへの道』で、中華料理店の裏でタン・ロン(ブルース・リー)に一番最初にボコられるデブのチンピラがジェイク・ギレンホールに似ていてちょっと笑えます。
↓こいつです。
「スタークさん」のこと
トニー・スタークとピーター・パーカーは疑似親子とでも言うような関係でお互いに大事な存在であっただけに、残されたピーターにとってその喪失感はとても大きなもののようです。
普段は10代の若者らしく、好きな女の子もいて学校生活をエンジョイしているものの、ふとした瞬間にスタークさんのことが頭をよぎり、自分はアベンジャーズの一員として彼のあとを継いでいけるのだろうかと悩みます。
そんなピーターの物語ですので、映画の中では幾度となくアイアンマン、トニー・スタークを思い起こさせるモノ、人、音楽などが登場していました。
その中でも終盤近くでハッピーに助けに来てもらったピーターが、専用機の中で新しいスパイダースーツを作るときにAC/DCの『Back in Black』を流す──というシーンなどは、『エンドゲーム』の感動がまだ胸の中に熱く残っている私たちにとって「そうそう、そういうのが見たいんだよ…」という、実にツボを押さえた演出だったように思います。
なのにその感動も、世代間ギャップ&若者特有の適当さwのもとに発せられた「レッド・ツェッペリン」発言によって見事にブチ壊されたのでした(笑)。ま、それがまたいいわけですが。
エンドクレジット後のアレについて
今回、エンドクレジット後のアレを見終わって「そういえば…」と思ったところがありました。
ピーターに「キャプテン・マーベルは?」と聞かれたニックが「聞くな」と返すところが「なんでそういう回答に??」と軽く気になっていたのですが、最後のアレを見るとちょっと繋がってくるものがあったような、ないような。
映画『キャプテン・マーベル』のその後、タロス達スクラルに何があったのか…。
ソーやドクター・ストレンジについて聞かれたときの回答とは違うリアクションだったのも、キャプテン・マーベルと直接繋がりのあるタロスだから余計なことを喋ってボロが出ないようにとかの意味があったのでしょうかね。
それとも単にバアさんに変装してぶん殴られたときのことをまだ引きずっているとか…(笑)
で、最後にニックが目覚めた場所が何なのか、そして歩き回っていたロボットっぽいのが何なのか、画面が暗かったこともあってよく分かりませんでした。あそこは一体どこで、そしてどういうことになっているのか、今後が楽しみです。
スクラルがニックたちに変わって地球で活動しているということからして、本物のニックがいた場所もスクラルと関係しているところと考えるのが自然でしょうか。
ところでつい先日、MCUの今後予定されているラインナップの発表がありましたが、『ブレイド』などはなかなか面白そうな雰囲気があるのですが『ファンタスティック・フォー』は以前のものとは路線を結構変えたりしないと、今の時代的にはどうかなぁという気がしました。2015年版のほうは全く見ていないんですが、配役自体はなかなかクセがあって良さそうですけどね…
まぁ心配しなくても面白くなるんでしょうけど、前のシリーズって今もう一回見てみようという気にはならないんですよねぇー。配役については気になるんですけど。
開き直ってこれくらいの出オチ感満載なキャスティングにしてくれたらいいのに…(笑)
Mr.ファンタスティック:ヒュー・ジャックマン
インヴィジブル・ウーマン:スカーレット・ヨハンソン
ヒューマン・トーチ:クリス・エヴァンス
ザ・シング:エドワード・ノートン
スパイダーマンのスーツについて
前作『ホームカミング』と今作『ファー・フロム・ホーム』の両方で着用しているトニー・スタークの手による「ハイテクスーツ」ももちろん素晴らしいのですが、個人的には別のスーツが好みです。前作ではピーター自作の「ホームメイド・スーツ」、そして今作では“ナイトモンキー”と呼ばれることになった工作員っぽい真っ黒の「ステルススーツ」の2つです。
ピーターが自身でカスタマイズして作った黒と赤のカラーリングの「アップグレードスーツ」も全然悪くないんですが、闇落ちしていないスパイダーマンはやはり赤と青の組み合わせがいいと思います。
ちなみに前作のパンフに書いてある「ホームメイド・スーツ」の解説では、このように書かれています。
ピーターが身近な材料で作り上げたコスチューム。
素材は普通の布。
ですよね(笑)。でもその「普通の布」のスーツが結構カッコいいんだよなぁ。
「身近な材料」って言うけど、オリジナルっぽいマスクやブーツ(?)は高校生男子が簡単に作れるものでもなさそうなんですけど…。
このスーツに近いものを日本で買いそろえようと思った場合、地方にはよくある「ガテン系の人たち向けの仕事用衣料&用品店」などでけっこう近いものが出来そうに感じました(笑)。足袋タイプのブーツみたいなのもありますしね。
ピーターとMJについては…
この映画の再重要項目のひとつであるピーターとMJのキラッキラした恋のゆくえについては、いいおっさんである自分が熱く語ったところでキモいだけですのでやめときます(笑)。ただただ若さって素晴らしいな、青春っていいな、っていう。
今作でもパーカー(名前じゃくて服のほう)やチェックのシャツといった、いかにも「どこにでもいるティーンエイジャー」といったゆったりした服装の多いピーターでしたが、それでも隠しきれないトム・ホランド君の逞しい身体が、あのまだ幼さが残る可愛らしいルックスとは対照的でやたら目に付きました(笑)。そしてその肉体を披露する場もしっかり用意されていたりするのが面白かったのと、着替えるピーターに背を向けて見ないようにしていたMJが、やっぱり気になってそっと向きを変えていくシーンはとても可愛くて良かったです。
青春って素晴らしい(笑)
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