映画『若葉のころ』(ネタバレ)──30年後にようやく受け取ったものとは

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 台湾の青春映画にまたひとつ「これは間違いない」という名作が誕生しました。

…といっても新作として見たわけではないので、今さら「誕生しました」というのも変な話ではありますが。

 

 2002年の『藍色夏恋』や、2011年の『あの頃、君を追いかけた』あたりが好きな方でしたら、きっと大好きになるであろう作品がこちら。2015年制作(日本での公開は2016年)の『若葉のころ』

 

映画『藍色夏恋』──公開から16年、あらためて見て思うこと
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 原題は『五月一号』、英題は『First of May』で、ビージーズの名曲『First of May(若葉のころ)』をメインテーマに、1982年の台北を舞台に17歳の高校生男女、リン・クーミンワン・レイの瑞々しくて少し切ない恋愛を、そして現在(2013年)の二人と、ワン・レイの生き写しのような一人娘・バイの物語が同時進行で描かれ、やがてその二つの物語が交差し繋がってゆく──という作品です。

 

 劇場公開時に観られなかったので、今回もHuluにて視聴しました。当初は2週間のお試し期間だけで解約するつもりでしたが、なんだかんだで見たかった映画がいくつも出てきて結局継続してたりします(笑)。そのうちNETFLIXとうまく使い分けていこうかなと…

 

 

監督とキャストについて

 

 今作は「アジアMV(ミュージックビデオ)界の俊英」といわれるジョウ・グータイ監督による初の長編映画で、短いカットの中にも叙情性を感じるような美しい映像がちりばめられており、「なるほどそう言われてみればMVっぽいかも」と思わせる、なんとも奇麗で印象深い撮り方が特徴です。

 バイが父親と日本料理の店で食事するシーンで、二人のセリフのバックで庭園の池に水が流れ落ちるスローの固定映像であったり、バスのシーンのあと、雨が止んだ後の空や水たまりに落ちる雫、人物を撮るときの光の使い方や、回想シーンでのスローモーション、屋上から没収されたレコードをフリスビーのように次々と投げるシーン、そしてメインビジュアルにもなっている、82年のワン・レイと親友の“お菓子”ちゃんが風にたなびくスカートを押さえる場面やエンドロールでの長回しなど、曲の背景でその物語性を映像だけで語るMVでの経験が存分に活かされているように感じました。

 

 1982年のワン・レイと、その娘である2013年(現在)のバイを、一人二役で演じた主演のルゥルゥ・チェン。日本のドラマの台湾リメイク版に立て続けに出演して人気のようです。一人二役ということで当然どちらも可愛いのですが、82年版ワン・レイのまぁそれはそれは可愛いこと可憐なこと。こういった2つの時代のヒロインを同じ人が演じる場合、どうしても昔のほうが見た目がやや野暮ったく描かれる傾向にありますが(実際に今と比べたらそりゃ垢抜けてないんだから仕方ないのでしょうが)、今作では完全に82年のルゥルゥちゃんの勝ちです。おかっぱ頭をこれほど可愛く思える日が来ようとは(笑)。

 よく見ると82年のワン・レイのほうがメイクがはっきりしているので、その違いもあるのかもしれません。それ以外にも同一人物に見えるようにお母さんワン・レイに寄せているような感じが見てとれます。

 

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