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映画『LUCY/ルーシー』【ざっくり感想版】

投稿日:2019年1月7日

 

 正直に申しまして、なんとなく観に行った映画でした(笑)。で、見終わった感想も控えめに言って「やっぱり今イチだったわ…」というものだったのですが、ザ・シネマで放送されていたので改めて見てみたところ、映画の善し悪しはともかく、取り扱っているテーマそのものはけっこう面白いことに気が付きました。

 「脳が覚醒し、その力を100%使えるようになると人間はどうなるのか」と言うのがこの映画のテーマとなっていますが、ここまで飛躍しなくても、昨今よく話題になっている──というかいよいよトンデモ論から一歩格上げされて結構本気で語られることが多くなってきた「量子物理学」とか「潜在意識が持つ力」などといったことに興味がある方でしたら面白い映画かもしれません。

 

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今イチだった理由

 これまでも「特殊能力系」の映画は山ほどありました。今だと『X-MEN』シリーズのミュータントなんかがそうですし、私のような80年代に思春期を過ごした世代では『超能力学園Z』なども一応それに当たります(笑)。「ワーオ!」でおなじみのあれです。いや、おなじみかどうかは知らないです。すいません。

 

 とりあえずワーオ!は置いといてこちらのLUCY/ルーシー』についてですが、今イチだと感じた理由として

 

テーマの難しさに対して上映時間が短い(1時間30分)

敵・味方の構図、ルーシーの目的とマフィアの行動がやや噛み合っていない(ルーシーにとっては薬を手に入れたらマフィアはどうでもいい/薬を取られたマフィアの行動が短絡的すぎる)

ルーシーの覚醒した能力のスケール感に対してマフィアのスケールが小さすぎる。でも被害だけは無意味に甚大

ルーシーがほとんど人間らしい感情をなくしてしまっているので、クライマックスでのルーシーが見る進化の世界に感情移入できない

 

 などといったことが挙げられます。簡単に言うと「バランスが悪い」というか…

 覚醒した人間のすごい能力を存分に見せつけるというには少々物足りない感じがしますし、不慮の出来事により(本人が望んでいないのに)人類でただひとり進化してしまったルーシーの孤独が描かれているわけでもありません。

 テーマは面白いのに後半のドンパチがやや唐突というか意味不明というか……まぁそこがリュック・ベッソンっぽいといえばそうなんでしょうけど。。

 ルーシーには何が起こるか分かっているはずなのに、施設にいる人や警官たちを危険にさらしたまま何もせず、そして実際に多くの人が(何を守っているのかも分からぬまま)無駄に死んでしまうというところにまとまりのなさを感じてしまいました。

 

 また、設定のバラつきもちょっと気になります。

 

物語の前半は台北が舞台なのに、でもそこにいたのは韓国の犯罪組織

後半から舞台はパリに移動するが、ソルボンヌ大学で教えている脳科学者はアメリカ人

フランスの刑事役が、エジプト出身アメリカの俳優

 

 何がしたいのか……ダイバーシティとは全く別の話のような。。役者選考も含めて「フランス映画なんですけど都合上こうなっちゃいました」っていうふうにしか見えない(笑)。

 

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進化によって覚醒した能力

 ルーシーが進化の過程で得た能力を超能力的分類で見てみると、だいたいこんな感じでした。

 

 ①爆発的な記憶力・学習能力

 ②他人の脳や身体へのアクセス(記憶や体内組織の情報へアクセス可能、操ることができる)

 ③感覚の麻痺(痛覚や感情の喪失)

 ④テレキネシス

 ⑤テレポーテーション(時間と空間の両方)

 ⑥予知能力(全ての原理を理解することで先に起こることが分かる?)

 ⑦磁気や電波を操る(通信データの可視化含む)

 ⑧物質からの解放(肉体として存在しなくなる/量子エネルギーへの変換→別の存在への返還)

 

 ③と⑧以外は全てドラマ『HEROES/ヒーローズ』のキャラに振り分け可能ですね(笑)。

 ⑧で物質世界から姿を消しOSとして情報端末に存在するようになったルーシーは、サマンサと名を変えて世界中の男たちと愛を育むことになったのでした──その物語は映画『her/世界でひとつの彼女』で描かれています(もちろん嘘)。

 そして③の能力を持った人間は映画『ミレニアム2 火と戯れる女』のニーダーマンなどが挙げられます…ってこれも全然違いましたね(笑)。

 個人的に欲しい超能力は昔からテレキネシス一択なのですが(X-MENでもマグニートーが一番好きで、『2』の脱獄シーンはとくにお気に入り)、こうしてルーシーの能力を見ていくと、人間の脳が覚醒するとここまでチートになれるのかと恐ろしくなります(笑)。

 

 なお私がテレキネシス一択であることと思春期に『超能力学園Z』を見たことはおそらく関係ありません。

 

デル・リオがいる意味

 覚醒したルーシーなら薬の入手くらい自分一人で出来たのでしょうが、それでもデル・リオ刑事と行動を共にしていた理由について、パンフレットのプロダクションノートにこのように書かれていました。

 

 エジプトの俳優アムール・ワケドが演じるフランス人刑事ピエール・デル・リオはチャンと正反対の役だと製作のヴィルジニー・ベッソン=シラは言う。

「ルーシーも言っているけど、デル・リオは優しさの象徴だから、自分の人間的な部分を思い出させてくれる存在。そして、最後まで彼女の側にいて、ある意味彼女を守ってくれるのも彼。薬のせいで全ての感情を失うルーシーだけど、デル・リオといる時だけは、感情の小さな欠片があるの」

 

 だそうです。まぁ、ちょっとこの辺は描き方が薄かったような気がしますね。やはり上映時間が短すぎるのではないかと…

 

ツッコミ

 ツッコミ要素は他にもいろいろあるのでしょうけど、とりあえずひとつだけ…。

 数年前に腹腔鏡手術を受けた経験から言わせてもらえば、あれだけ大きな範囲の開腹手術をしてから1~2日(推定)であんなふうに歩くことはまず不可能ではないかと。ってかベッドから身体を起こすだけで相当きついと思います。

 ってかルーシーの腹を蹴りまくってたあの男、中に何が入ってるのか知らないわけでもなかろうに…バカだろあいつ(笑)

 

 

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三崎町三丁目通信の主筆・Kです(個人運営ですが)。映画の感想を中心に、趣味で続けているスペイン語学習(DELE A2取得で止まっています)と最近始めた英語学習のことなどを書いています。本業はフリーランスのグラフィック&エディトリアルデザイナー。びっくりするくらい将棋が弱いです。

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