映画『ドリームハウス』──ホラーや超常現象系ではありません【考察】

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 ダニエル・グレイグ、レイチェル・ワイズ、ナオミ・ワッツ主演のサスペンス映画『ドリームハウス』2011年の作品。

 ダニエル・グレイグとレイチェル・ワイズはこの作品での共演がきっかけで交際がスタートし、同年に結婚することとなりました。

 そういう意味でこの映画は、ふたりにとって「愛にあふれる夫婦の物語」であってほしいところ。ですが最初こそそういった夫婦の姿が描かれるものの、話が進むにつれどんどん不穏な展開に…

 一体どのような結末が待っているのでしょうか──

 

 と言ってもこれを読む方は最後まで映画を見ていることとは思いますが(笑)。

 

 というわけで、ここでは結末を知ってから見直すことで気付く点などを書いていこうと思います。

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あらすじ

 NY編集者として日々忙しく働いていたウィル・エイテンテン

 購入したばかりの郊外のマイホームで、妻と2人の娘たちと一緒に過ごしながら小説を書く生活を送るべく出版社を退社する

 ようやく得られた家族との幸せな時間を満喫できると思っていたウィルだが、娘が幽霊のようなものを見たと言い出したり、窓の外から誰かが覗いていたり、さらには地下室に勝手に侵入した少年少女たちが悪魔崇拝的な儀式を行っていたりと、気味の悪い出来事が続くことに頭を悩ませていた。

 道を挟んだ向かいに住むアン・パターソンとその娘のクロエは何かを知っていそうだが、自分たちの家でかつて何が起こったのか話してはくれない。

 その後ウィルは、以前この家に住んでいた一家が惨殺されるという事件が起き、容疑者とされた一家の主が精神病院に入っていることを突き止める。だが警察に聞いてもろくに取り合ってもらえず、自身で真相を調べ始めたウィルはやがて容疑者とされる男、ピーター・ウォードが何者なのかを知ることになる──

感想と考察

 ポスタービジュアルや予告編を見るとホラー系や超常現象系の映画のような印象を持ってしまいそうで、実際に「インターネット・ムービー・データベース」サイトのレビューでも「ホラーだと思っていたのに」といった感想が数多くありました。

 また「死んでいる者が見える」系(何でもかんでも「系」を付けるのは悪い癖w)の展開を期待していた人のなかにも、それに近い要素こそあるものの、そこまで「あっち側」の話ではないことにガッカリした人もいたようです。

 ですがそういう思い込みのフィルターを外して何も考えずに見てみれば、この映画はなかなか面白い作品であることがわかります。

 

ピーター・ウォードとは誰なのか

 

 にウィルが気付くのは映画の中盤。大きなネタバレにしては結構早い段階であることに「あれっ?」と思わされます。

 このように割と早い段階で「ピーター=自分」であるとウィルが知るということは、その先にさらに大きな展開、どんでん返しがあるということ。

 それは終盤に判明するわけですが、早い段階でウィルとはピーターの妄想が生み出した別の人格であることが分かり、映画を見ている側は

 

「えっ、ってことはウィル(ピーター)がリビーと娘たちを殺したってこと?」

 

 という疑問・疑惑を持ちながら映画の後半を見ていくことになり、ウィルを被害者と見ていいのか/善人として見ていいのかどうか、私たちは自身の判断を揺さぶられることになるのでした。

 こういったところもよく出来ていた作品だったように思います。

ホラーとか「そっち系」の映画っぽいポスタービジュアル

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