三崎町三丁目通信

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映画『アントマン&ワスプ』(ネタバレ)──ヒーロー映画がこんなに面白かったなんて…

投稿日:2018年9月8日

 

 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の結末に「おいおいマジかよ…」と重苦しい気分になっていた皆様、こちらの『アントマン&ワスプ』は存分にお楽しみいただきましたでしょうか。

 

 MCU作品の中でもアントマンはかなり好きなほうでしたが(といいつつ前作を劇場で見ていないという…)今回の続編、いやー期待通りで最高でした。やっぱりアントマンはこうでなきゃね、といった感じで大人から子どもまで、というかこれこそ親子で楽しめるヒーロー映画のひとつの完成形ではないでしょうか。

 

 純粋に楽しい、という点では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズも笑いの要素が多い作品ですが、やはり音楽を含めて随所に「おっさんホイホイ」なネタがちりばめられているので“子ども向け”という感じでもないですしね。ってかメインキャラの子どもは回想シーンのみですし。(グルート除く)

 

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アリに背負ってもらう能力はあっても自分は背負わないアントマン

 

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 MCUに限らずX-MENなどの他のマーベル作品、DCユニバース作品なんかも含めて、アメコミヒーロー映画は「みな何かしらの重いものを背負って」いて、面白いけどシリアスな部分が多少なりともあるために「大いに笑って大いに楽しんで、そして憧れる」といったような“子どものためのヒーロー映画”的な、純粋に「見ていて100%楽しい映画」っていうのは少ないように思います。そういうのは○ィズニーさんの得意分野、といった印象…。

 

 

「大いなる力には大いなる責任が伴う」

 

 ちょっと前までは普通の高校生で、能力を持ってからも身の丈に合った世界で、失敗もしながら軽やかに活躍してヒーローの一員となった『スパイダーマン:ホームカミング』でさえも、主人公のピーター・パーカーは正しいことをするために辛い選択を迫られたりしますし、また『~ホームカミング』では描かれていませんでしたが、ベンおじさんを失ったことで身をもって知ることになる「大いなる力には大いなる責任が伴う」といった大きなテーマが根底にありました。

 

 ですがこの『アントマン』のスコット・ラングはそういったものとは関係がなく、泥棒(ただし動機と目的は正義のため)でパクられて刑務所に入り、離婚して子どもと離ればなれになるという個人的な問題は抱えていても、強烈に悲しい過去やヒーローとなったために犠牲にした何か──といったものもとくにありません(笑)。しかも愛する子どもにも会えるようになったし、何よりこの娘のキャシーがとってもいい子でお父さん大好きという、それはそれはよく出来た子なので父親としてはそれだけでも十分幸せなことでしょう。

 

 

対立する相手は出てきても本当の意味での「悪党」は出てこない

 

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 さらに今作では前作でのイエロージャケット(をヒドラに売ろうとしたダレン)のような悪党は出てきません。もちろんゴーストが今作でのヴィランという位置付けなのでしょうが、彼女の目的は自身の苦しみからの解放と、迫り来る死を免れたいということだけなので、決して「悪」ではなく彼女も被害者です。その彼女が最後どうなっかたかは不明ですが、おそらく助かるんだろうなという展開で終わったのも良かったです。なんなら実体を持たず物体を通り抜ける能力は維持しつつ生きられるようになって、アベンジャーズ4で一緒に活躍してほしいです。

 

 あとまぁもちろん、武器の闇取り引きをしているソニー・バーチは「悪党」なんでしょうけど、まぁ雑魚なので(笑)。自白剤のところは笑えました。

 

 

ポリコレの押し付けがないって素敵!

 

 昔からあったのかもしれませんが、とりわけここ数年のヒーロー映画、SF大作モノの中に露骨に捻じ込まれている、ストーリーにそれほど大きく関わってこない「ポリティカル・コレクトネス」の押しつけは正直うんざりするものがありました。(もちろんマイノリティに対する差別や偏見はなくすべきだと思っていますが、それとこれは全く別の話かと…)この2~3年だけで見ても

 

『ローガン』

『ワンダー・ウーマン』

『ジャスティス・リーグ』

『ブラック・パンサー』

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

 

 などなどなど……あの『デッドプール』でさえも続編のほうはディスり芸を被せながらもがんがんに捻じ込んできていました。

 

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 もちろん『シェイプ・オブ・ウォーター』みたいに元々のテーマが弱き者、虐げられてきた者たちが立ち上がるといった映画なら別ですが、こんな娯楽映画に強引かつ露骨に捻じ込まないと社会に浸透しないのか…というくらいにアメリカは病んでいるのでしょうかね。まぁ日本ももしかしたらそう変わらないのかもしれませんが。。。

 

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 といったわけで最近では大作映画を見る場合は「今回はどんな形で押し付けてくるんだろ…」と諦めていましたが、

 

 

なんと!!

 

ポリコレ押しつけがない!!!

 

マジかよ!!! 最高じゃないですか!!!!!

 

 

 …いや、っていうか本来こういうもんだろ。。。

 

 

逆向きの極限・量子の世界

 

 スタークさんのところやワカンダのシュリちゃんのところのハイテクっぷりもカッコいいんですが、個人的に今作でのピム博士のラボが見てて一番ワクワクしました

 

 前者はともに圧倒的なテクノロジーで、武器の出力の強力さだったり装備の防御力の高さだったりと、“外に向かう”というか、“大きく・強力に”といった方向に持っていっているのに対して、ピム博士ほうはとにかくひたすら“内側に”“小さく、極限まで小さく”という方向に向かっているのが楽しい…。

 

 そしてアリがデカくなって動き回ってるのとかも『シンドバッド3部作』『タイタンの戦い(1981年版)』などのレイ・ハリーハウゼン映画を彷彿とさせるものがあって、好きな人にはたまらない世界観なんですよね。

 

 見終わっても結局どういうことなのか分からなかった量子の世界ですが(笑)、外に向かうと果てしない宇宙に出るが、逆に極限の小ささを求めていくと、その中にもまた果てしない宇宙のような世界がある──という面ではある意味同種のものです。

 

 どちらも未知の領域ではありますが、MCUの世界では宇宙はもう勝手知ったる世界なので(どんだけいるんだよっていうくらい「神」が出てくるしw)、まだ手垢のついていない量子の世界は、新たな可能性を秘めたフィールドとして興味津々な要素です。

 

 ちなみにこの「量子の世界」「量子物理学・量子力学」というやつは、陰謀論界隈wスピリチュアル界隈(潜在意識の活用や引き寄せの法則など)では以前からホットワードのひとつであり(笑)、個人的にもどうまとめてくるか楽しみだったんですけど、よく分かりませんんでした(笑)。ってか誰も分かっていない分野なので描きようがなかったのかもw

 

 ですがこの「量子の世界」=「時間や空間の概念を超えた世界」でジャネット/初代ワスプはどのような“進化”を遂げたのか、またその量子の世界へ行き、生還することが出来たスコットに何が出来るのか、気になるところです。

 

 スコットにはあのサノスの指パッチン「インフィニティ・スナップ」という名前がついているらしいw ※後日この指パッチンの正式名称が公表されましたが、忘れましたw)で消えてしまった半分の人たちを救う役割・能力があるのかも??──という期待が膨らみます。

 

 

 そういえばピム博士が量子の世界へ行く途中でクマムシに囲まれて喰われそうに(?)なりましたが、クマムシの体長は50マイクロメートル〜1.7ミリメートルだそうです。かなりの小ささですが、量子の世界と比べたらまだ全然ですね(笑)。

 

※クマムシ(緩歩動物)についてのWikipediaはこちら。

 

 

それぞれのキャラが立っている

 

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 今回出番が減って地味だったサブキャラは前妻マギーとその夫のパクストン。それに対してルイスたちお喋りトリオは逆に絶好調…というか舌好調とでも言うべきか(笑)。なんだかんだで今回も役に立ってるしw

 

 また今回はワスプの登場により(というかダブル主人公の扱いですね)、アントマンの可笑しさがより引き立っているのがポイントのひとつだったように思いました。ワスプの美しい流線型ボディに比べて(やらしい意味じゃなくて)、アントマンのスーツが今イチ身体にぴったりフィットしていなくて微妙に生地が余ってる感というか、スコット・ラング自体はなかなかのマッチョなのに、アントマンになったときのもっさりしたフォルムがたまらない(笑)。

 

 

英語とスペイン語のタイトルからワスプの位置づけを考察

 

 

 「ダブル主人公」に絡めてちょっと話が逸れますが、『アントマン&ワスプ』のオリジナルタイトルは

 

『ANT-MAN AND THE WASP』

 

 です。「アントマン」は固有の名称としての扱いなのに対し、「ワスプ」のほうは「THE」という定冠詞がついているので、今のところは特定できる対象ではあるが認知された固有の名称ではない、という扱いのようですね。

 

 ちなみにスペイン語圏でのタイトルは

 

『ANT-MAN Y LA AVISPA(アントマン・イ・ラ・アビスパ)

 

となっており、「LA」は女性名詞の定冠詞(男性名詞の定冠詞は「EL」)、AVISPAはそのままWASP=狩蜂です。こちらも定冠詞付きの名前なのでアントマンのように英語名のままではなく、ワスプはアビスパと訳されています。来年の『アベンジャーズ4』では訳されない固定の名称として扱われることになるでしょうか。

 

 なお『アベンジャーズ』はスペイン語では『ベンガドーレス』と訳されたタイトルになっています。『アベンジャーズ』の英語タイトルは第1作のみ「The」がついていて、『エイジ・オブ・ウルトロン』からは「The」が外れていますが、スペイン語圏では『インフィニティ・ウォー』までずっと『ベンガドーレス』とされています。

 

 なのに「Infinity War」は英語のままとなっており、『Vengadores : Infinity War』という何とも煮え切らない、どっちかにせぇよ、というタイトルになっています(笑)。まぁ理由は大体想像つきますが。。ロゴまでそれで作っちゃったし今更戻せないんでしょうねw

 

 

 そして今回は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でも大活躍(なのに笑えるw)だった“ジャイアントマン”の出番も多く、あのフォルムなのでデカいのになんか全然すごそうに見えないっていうのが最高です(笑)。周りの一般人も「何だあいつは!?」と騒いではいるものの、あまりビビっていないのが笑えます(笑)。

 

 スーツといえば、ゴーストの着ている白スーツがアサシン感満載で超カッコいいですね。エヴァ二号機みたいな四つ目(風)のマスクなのもイケてます。名前はエイヴァですが。

 

 

エンドクレジットと『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』との関連

 

 今作でアントマンが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の戦いに加わっていなかった理由が判明しました。(一応『インフィニティ・ウォー』でもファルコン達の会話でサラッと説明されていましたが)サノスが指パッチン=インフィニティ・スナップを発動させたときにアントマンはどこで何をしていたのか?そして無事なのか?ということは、時系列的にも『インフィニティ・ウォー』より少し前の出来事に当たるため、本編では明かされませんでした。

 

 

 ですが……やはりエンドクレジットで繋げてきましたね!

 

 

 まさかピム博士とジャネット、ホープの3人とも消えてしまうことになろうとは…誰かひとりでも残っていればスコットを連れ戻すことが出来るだろうに。。。と思わずにはいられません。

 

 が、ここで考えられることが幾つかあります。

 

量子の世界では指パッチンの影響を受けない?

 

 たまたまなのか、量子の世界では指パッチンの影響を受けないのかは不明ですが、スコットだけが無事でした。「量子の世界」が何なのかは結局よく分かりませんでしたが、ここにスコットがいることが『アベンジャーズ4』で大きな役割を担うことは間違いないでしょう。先にも触れましたが、「量子の世界」=「時間や空間の概念を超えた世界」であることから、アントマンはドクター・ストレンジと同様?にアベンジャーズのメンバーが知らない“別の次元・空間”を知る者となり、そこで知った・得た「何か」を活かすことができれば、このお気楽男がまさかの救世主になることもあり得ます(笑)。

 

初代ワスプも出来なかった「自力での帰還」を果たした男

 

 「S.H.I.E.L.D.」の科学者だった初代ワスプ=ジャネットですら量子の世界から自力で戻ることが出来ずに30年も閉じ込められていたのに、前作でスコットはあっという間に自力で脱出してしまいました(笑)。そのときはデカくするアレを使ったことで戻れたわけですが、今回はどうなのでしょうか。実験の最中ということでしっかり準備もしているでしょうから、いざという時にための方法は用意されている──と思いたいところです。まぁでもジャネットが何らかの「進化」をしたように、スコットも向こうの世界で何か掴んでから戻ってきてほしいですね。

 

 

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おまけ:女性キャスト2人のこれまでの出演作

 

 Wikipediaで調べるよりよっぽど楽しいので最近すっかりお世話になっている、女優の出演作をまとめた動画チャンネルですが、今回もまた勝手に紹介(笑)。エヴァンジェリン・リリーとミシェル・ファイファーの両名のがあったので2つ貼ります。エヴァンジェリン・リリーは他にも動画があったので気になる方はYouTubeの「Wonderful Actors」さんのチャンネルから見てみてください。

 

エヴァンジェリン・リリーの出演作

 

ミシェル・ファイファーの出演作

 

 というわけで『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で受けたどんよりとした気分を吹き飛ばす最高の娯楽映画となった『アントマン&ワスプ』ですが、最後はやっぱりああなっちゃいましたね……まぁ繋がるだろうとは思っていましたが。。

 

 量子の世界でスコットは何を見るのでしょうか。

 

その結果がこちらに…↓

 

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三崎町三丁目通信の主筆・Kです(個人運営ですが)。映画の感想を中心に、趣味で続けているスペイン語学習(DELE A2取得で止まっています)と最近始めた英語学習のことなどを書いています。本業はフリーランスのグラフィック&エディトリアルデザイナー。びっくりするくらい将棋が弱いです。

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