三崎町三丁目通信

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映画『ランペイジ 巨獣大乱闘』──人間(っぽいゴリラ)とゴリラ(っぽい人間)の友情物語

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 映画館で見た予告だけでお腹いっぱいな印象だったこの『ランペイジ 巨獣大乱闘』ですが、なぜか現在「ひとりドウェイン・ジョンソン祭り」状態のため(笑)、先日の『ベイウォッチ』に続いてNetflixで見てみることにしました。

 ツッコミどころは山ほどあるものの、なぜか憎めない…そんな映画でした。

 

映画『ベイウォッチ』──ビーチと音楽とスローモーと筋肉とぷるんぷるん【ざっくり感想版】

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 本当は『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』が見たかったのですが、こちらは2019年8月現在、Netflixになかったので。。

 

 

日本と海外、訴求ポイントの違い

 作品のポスターやチラシのビジュアルは、国によって違ってくる場合が多いようですが、今作は本国アメリカをはじめ他の英語圏以外の国々でも大部分が「巨大化した動物たちとドウェイン・ジョンソンの組み合わせ」で、何を売りとしているかは説明不要、もう見たまんまwといった感じになっています。

 そしてキャッチコピーも

「BIG MEETS BIGGER」

 ですよね! やっぱりそこですよねー、っていう(笑)。

これよりもっとドウェイン・ジョンソンを前面に推してるものもあります

 

 ですが日本版のチラシを見ると、大都会で巨大化(&凶暴化)した3体の巨獣をメインに、攻撃を加えようとしている軍の戦闘機、そして逃げまどう人々の姿が描かれているだけで、なんとドウェイン・ジョンソンの姿がありません(笑)。

 キャッチコピーのほうも

「巨大化が、止まらない。」

 やはりこの辺の訴求ポイントの明らかな違いが、日本という怪獣映画に関しては独自の解釈、一家言を持った国ならではといった感じです(笑)。

主役が完全に巨獣…つーか主人公はどこへww

 

 さらにチラシ裏面のリード文(本文などの前に入る導入部分)と、本文にあたるネームはこのようになっています。

 

【リード】

それは人類の誰も気づかぬうちに始まった。

最新を誇る遺伝子実験の失敗によって、なんと普通の動物たちが突如進化し始める!

ゴリラ、オオカミ、ワニなどが猛烈に巨大化し、凶暴化してしまう。

ヤツらの成長はとどまることを知らず、

もはやクソデカい巨獣と化し、陸・海・空おかまいなしに街で破壊の限りを尽くす大乱闘をおっぱじめる

シカゴを舞台に、巨獣たちの暴れる理由は一体なんなのか?

生物ピラミッドが一夜にしてひっくり返った人間たちに、巨獣たちの大乱闘を止めることができるのか?

 

 ……微妙にオラついた語り口調はともかく、主役のドウェイン・ジョンソンはどこいった?(笑)

 

【本文】

 ハイブリッドな成長をうながす巨獣の遺伝子は、発狂しそうなほど滋養満点。サメの成長が止まらない遺伝子だけでなく、シロナガスクジラの成長率、カブトムシの強靭さ、チーターのスピード、トゲマウスの細胞修復能力など、ありとあらゆる異なる遺伝子を混ぜ合わせた予測不能の特殊生物たちだ。ワニの黒いウロコはチタンより硬く、足の指は車の大きさを超え、尻尾の先がスパイクボールのように変異し、ドラゴンと恐竜が合体したような姿に。ヤツらは時にタッグを組み、戦闘機や戦車に真っ向から向かってくるから、こりゃたまらん!! もちろん巨獣同士のバトルも満載!!

 最弱となった人類側の代表は、あの「ロック様」ことドウェイン・ジョンソン(元WWE世界王者8度制覇の最強プロレスラー)演じる霊長類学者デイビス。この勝てる気がしない戦いにどう挑むのか?『パシフィック・リム』『キングコング:髑髏島の巨神』に続く巨大怪獣パニック・アクション襲来!!

 人類に一寸の希望も与えないヤツらの大乱闘を、止める術はあるのか? もはや無駄な抵抗はやめて観るしかない!!

 

 うぅむ……。

 この手の宣伝文句にはありがちなことではあるけど、実際の映画の内容と今イチ合致していないような。。

 たしかに巨獣たちの乱闘シーンもあったし、軍隊との戦闘(と言っても一方的でしたが)シーンもあるにはあるけど、基本ずっと話の主軸は人間(ドウェイン・ジョンソンとナオミ・ハリスたち)だったので、巨獣たちの暴れっぷりはモニターしている軍やエナジン社の視点が大部分であり、彼らが踏み散らかしていった場所での被害や犠牲などの描写もほとんどありませんでした。(最後の取って付けたような救護される人々の描写のペラいことといったら…)

 さらに、「巨獣たちとの戦い」をテーマとしているから──という理由もあるのでしょうが、今さらドウェイン・ジョンソンの説明に“あの「ロック様」”はないだろう…と思うのですが。。

 元「The Rock」ということは入れてもいいと思うけど今じゃ役者としての認知度のほうが高いでしょうし(見た目も今のほうがゴリっていますしw)、もし大人の事情で出演しているヒット作のタイトルが書けないのだとしても、それでもいろいろ書きようはあるのではないかと…(元WWE世界王者で現在のハリウッドを代表する肉体派ゴリマッチョ俳優であるドウェイン・ジョンソンが──みたいなw)

 前にどこかでも書いたかもしれませんが、私はプロレスラー時代も含めて「The Rock」と名乗っていた頃のドウェイン・ジョンソンはとくに好きではありませんでした。ですが一本の映画を見てから印象がガラッと変わり、その後自分の中でかなり好きな役者のひとりとなったのでした。その映画とは……

 

『センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島』

 

 です! なんでそれなんだよwって感じですが実際そうなんだから仕方がありません。

 「いい父親(しかも義理の)だ…やっぱり強い男だからこそ優しくなれるんだろうなぁ、あんな器の大きい男になりたいもんだよなぁ…」なんて考えながら、喋るときにいちいち大胸筋をビクビク動かす小ネタに笑わせてもらったのでした。

 

 

とにかく都合良すぎw

 大味な展開のハリウッド映画ではよくあることですが、何にしても都合良すぎだろwっていう展開がこの『ランペイジ』では多すぎて苦笑してしまいました。まぁそれも含めて楽しめるかどうかが分かれ道なのでしょうけど(笑)。

 

主要キャラ3人(と1頭)だけ助かりすぎ

 飛行機で輸送中にジョージが目を覚まして暴れる場面などは特に解りやすいです。

 他のモブたちが暴れるジョージに吹っ飛ばされたりして次々と死んでいくのに対して(もしかしたらあの時点ではまだ生きていた人がいたのかもしれませんが)、政府の捜査官ハーベイ・ラッセルだけは同じように吹っ飛ばされても気を失っていただけでピンピンしていました。いやいや、どう考えてもあの衝撃で怪我ひとつないってこたぁねぇだろうよ…

 そのあとの墜落しそうになるところで、デイビスがラッセルに何かしていたのはてっきり“もう死んでいるラッセルからパラシュートや銃などを奪おうとしていた”ものと思っていたので「あ、ラッセルさんここで退場なんだー」などと考えていたのですが、デイビスは(というかドウェイン・ジョンソンが演じるキャラはすべからく)そんな非情な行動をする人ではなかったみたいで(笑)。さすが将来の合衆国大統領と言われたりもした男。

 最終的にラッセルは話の解るいい人で機転も利くし行動力もある──という、もろに主要キャラだったわけですが、私が主要キャラだと何となく気付いたのはこの輸送機の墜落で助けられたあたりからでした。(このラッセル役の人についてはまた後ほど)

 そしてもっとヒドいのが物語が佳境に入ったあたり。デイビスは至近距離から腹部を撃たれたのにも関わらず、

 

「弾は急所を外れたんだ」

 

 という本人の説明のもと、その後ラストまで全く問題なく動き回っていたこと。んなわけねーだろ!ww

 100歩譲ってサバイバル中はアドレナリン出まくりで痛みも忘れている状態だったとしても、ラストのジョージとの掛け合いで笑う場面でも全く腹に響いていないのは無理ありすぎ…

 また巨獣と化したジョージも、巨大化した身体を元に戻す方法が存在しない以上、オオカミ&ワニ同様、何らかの手段で駆逐される対象となってしまうものと思いきや、これまた都合よく「凶暴性が消えるだけ」という解毒剤が存在し、それによって元々デイビスと手話でコミュニケーションを取り信頼関係を築いていたジョージ「だけ」が最後には大勢の人を救い自らも助かるという出来過ぎなオチに。ある意味自作自演w

 先にも書きましたが、最後の取って付けたような「ジョージのおかげで大勢の市民が助かりました」的なシーン、とくに母親が幼い娘を見つけて抱きかかえるところの都合の良さ…何という押し付けがましい演出でしょうか(笑)。

 ジョージは暴れていた間、さんざん人を殺しまくり(ただし人を殺すことが目的ではなく結果的にそうなった、ということですが)、今作での諸悪の根源であるクレア・ワイデンを丸呑みしました。

 それまで邪魔な人間を放り投げたり攻撃したりはしていましたが、「喰う」ということはしていなかったのに何故クレアだけ? と思ったら、ケイト・コールドウェル博士(ナオミ・ハリス)がクレアの鞄に解毒剤を入れたことがその理由のようでした……

 

 うぅむ。

 

 容器に入って密閉されている解毒剤、それもクレアの鞄に入れるまでケイトが普通にポケットに入れて持っていたその解毒剤…それが何故クレアに渡ったタイミングで突然ジョージの食欲(?)に火をつけたのか? 全くもって意味不明です(笑)。

 さらに正気に戻ったジョージがオオカミ&ワニと戦う場面でも、オオカミはワニにあっという間に首をもがれてそのまま頭を一気食いされていたのに、驚異の治癒能力のおかげでもあってかジョージはなかなか致命傷を与えられることはなく、巨獣同士の戦いでも都合良く生き残っていました。体格差や戦闘力の差でみてもワニにとってはオオカミより簡単に〆られる相手だったはず。

 まぁそういったご都合主義な部分にツッコミを入れていったら大概の生物パニック系の映画はサンドバッグ状態となるのでしょうけど、この『ランペイジ』はちょっとその辺の描写が雑すぎるように感じました。

 もしかしたらこの雑さがある種の快感に感じる日が来るのかもしれませんが(笑)。

 

 

他の主要キャラについて

 ドウェイン・ジョンソン以外の主要キャラも興味深いキャスティングとなっていて、何気にクリティカルヒットを打ち込んできたなという印象です。

 

宇宙にいた女性

 まず、映画を見ていくうちにすっかり忘れられていったであろう、オープニングでの宇宙のシーンに登場したケリー・アトキンズ博士。残念ながら脱出中に大気圏で窓が壊れて亡くなってしまったベリーショートの美しい金髪女性の彼女は、マーリー・シェルトンという女優さんとのことですが、この人は

 

『プラネット・テラー in グラインドハウス』

 

 の、あの女医さんでした。うおぉぉーーーーマジか!!

 …ってまぁそれだけなんですが個人的にはテンションが上がる情報でした(笑)。

こちらのお方。ってかポスターではこんなですが映画ではとても綺麗です。

 

 この『プラネット・テラー in グラインドハウス』『デス・プルーフ in グラインドハウス』『マチェーテ』、そしてマチェーテの続編『マチェーテ・キルズ』の4本は全ての人におススメ出来る映画ではないかもしれませんが、少なくともここを見ている人だったらその面白さが分かっていただけるのではないかと。

 もし「この中から一本だけおススメを選んで」と言われたら『マチェーテ・キルズ』以外ならどれでもOKと答えます。(余談ですがこのサイトは当初「三崎町三丁目 in グラインドハウス」という名前でしたw)

 

政府の捜査官

 政府の捜査官として当初はデイビスと対立する関係だったものの、話が進むにつれお互い協力し合って事態を解決させる重要なキャラであるハーベイ・ラッセル。演じているジェフリー・ディーン・モーガンは、名前を聞いてもピンとこない…という方も多いかもしれませんが、この顔を見たらすぐに分かりますよね。そう、この人は

 

『ザ・ウォーキング・デッド』

 

 のニーガン(♬〜♪←口笛)です。その前はドラマ『スーパーナチュラル』シリーズで、ディーン&サムの父親のジョン・ウインチェスター役が有名でしたが、今ではすっかりニーガンの印象しか残っていないくらいに強烈なキャラを背負ってしまったなぁという。

 一時はこの人、フィクションと現実の区別がつかなくなった人に街を歩いてて襲われたりするんじゃないかと気になっていたくらいです(笑)。

 で、今作はダークスーツに身を包んだ役柄ではありましたが、身体を斜めにしてニヤリと笑いながら喋る姿などがニーガンの特徴と同じなので、どうしてもニーガンのイメージが離れなくて困ります。まぁそれも狙いなのでしょうけど。

この姿勢…

ルシールを?

 

 あとすっかり気づかなかったのですが、この人はザック・スナイダー監督のアメコミ映画『ウォッチメン』ではコメディアン役を演じていたのですね…。『ウォッチメン』自体もう結構記憶が薄らいでいるのに加え、コメディアンは冒頭で死んでしまう役なのでどんな顔の人だったか全く覚えていなかったりして…。。

脳内記憶と違ってた…

 

 

諸悪の根源・ワイデン姉弟の姉

 今回の大事件を引き起こしたエナジン社を取り仕切るワイデン姉弟の姉クレアを演じていたのはマリン・アッカーマンさん。

 スウェーデン出身とのことで「アッカーマン」の表記も「Åkerman」と、向こうの言語で見かけるスペルとなっています。某漫画に出てくるヒイズル国がルーツらしい某アッカーマンさんはスウェーデン系も混ざってるんでしょうかね。

 そしてこのマリン・アッカーマンは、ジェフリー・ディーン・モーガンと同様に『ウォッチメン』ローリー(シルク・スペクター世)役として出演しています。妙にエロい格好のあの人です。

眼福でございます

 

エナジン社をクビになった元博士

 ニュースを見てあっさりとデイビスの元へ辿り着き、FBIがデータを全て持ち出した後でもあっさり社内ネットワークにアクセスし、あっさりと解毒剤を入手してしまう凄腕?のケイト・コールドウェル(元)博士役は、28日後』『パイレーツ・オブ・カリビアン』のほか007』シリーズのマネーペニーでおなじみのナオミ・ハリス。007の次作『ボンド25(仮題)』にも出演するようで

す。そういえば『28日後』も彼女たちにとってはちょっと都合良すぎな展開だったような…

 

 …というわけで、いきなり宇宙のシーンから始まってとんでもない大騒動を巻き起こした映画でしたが、要は「人間っぽいゴリラと、ゴリラっぽい人間(ゴメンナサイ)の友情物語」だったと言えるかもしれません。そういう意味では日本の怪獣映画との親和性も感じられ……ないかw

 少なくともジョージとその家族のように、人間の卑劣な行為によってこれ以上野生動物が悲惨な目に遭うようなことがないように、というメッセージだけは伝えられていたのではないかと思うので(たぶん)、それは良いことだと思いました。

 やっぱり時代はゴリラですかね。(謎

 

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三崎町三丁目通信の主筆・Kです(個人運営ですが)。映画の感想を中心に、趣味で続けているスペイン語学習(DELE A2取得で止まっています)と最近始めた英語学習のことなどを書いています。本業はフリーランスのグラフィック&エディトリアルデザイナー。びっくりするくらい将棋が弱いです。

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