映画『かもめ食堂』──サチエさんに学ぶ「引き寄せの法則」

ENTERTAINMENT
スポンサーリンク

スポンサーリンク

エンディングに向かう流れがうまい

 いつものミドリの「ねぇ知ってました?」からの他愛のない平和な会話、そしてカメラが切り替わらなくても声だけで誰が来たか分かる演出(それもまたいつもの光景・日常の平和なひとコマ)、その「お客」へのサチエの挨拶がそれまでの会話とリンクして、そしてエンディングへ……という流れ。この力の抜け具合が気持ちいいです。エンディング曲もぴったりで、見終わる頃にはお腹が空いてくるので(笑)、どこか出かけて映画に出てきたものでも食べようかなという気になってきます。

 トンカツにしようか、それとも鶏の唐揚げ、はたまた豚の生姜焼きにするべきか…いやいやここはやっぱりコーヒーとシナモンロールでしょ、といった具合に。ってか文字を入力しているだけで腹が減ってきます(笑)。

 

 

DVDの特典映像「猫と歩くヘルシンキ」

 『かもめ食堂』の初回限定版DVDには、本編の他に「猫と歩くヘルシンキ」というタイトルの特典映像DVDがついており(その他に映画『めがね』のお楽しみ特報DVDも付いている)この「猫と歩くヘルシンキ」が、ヘルシンキの観光案内映像として非常に秀逸なのです。

 

 ナレーションはサチエさんで、ロケ地の「カハヴィラ・スオミ」についての映像をはじめ、マーケットやアラビアファクトリー、スオメンリンナ島などの観光スポット紹介と、ロケハンや撮影の舞台裏を撮ったものなど、結構なボリュームでこれだけでもかなり楽しめます。

 今はもうこの頃とはずいぶん変わってるんだろうなぁーとは思いますが、YouTubeでここ数年のヘルシンキの映像をいろいろ見てみたら、そこまで大きな違いはなさそうでだったのでいつか是非再訪したいです。

 

 そういえば今回改めて見ていて何度も目に留まったのは、ミドリさんが誰かにお礼や挨拶をするとき、頭を下げながらもしっかりと相手の目を見ているところでした。あそこまで食い付くのがいいのかどうか分かりませんが(笑)、ろくに相手を見もしないような挨拶よりはずっと良いのでしょうね。

 

 あと、こちらの映画『かもめ食堂』が好きな人であれば読んでおいて損はない、というか絶対に楽しめるだろうという本が、ミドリを演じた片桐はいりさんのエッセイ『わたしのマトカ』です。映画を見ていなくても、旅好きの方やフィンランド好きの方には是非おススメしたい一冊です。ってか古い記憶を辿って書いているので忘れてしまっていますが、この本もかなり人気でしたよね。

 

『わたしのマトカ』単行本

 

映画『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』──暖かくて、優しい。
...

 

映画『恋する惑星』──「制服が似合うね」「私服もすてきよ」【本棚通信⑥】一部追記・修正版
...

 

映画『ラッキー』──すべてのものは、いつかなくなる【日本人としての意見も】
...

 

【改訂版】映画『パターソン』──ふたつのものが同時に存在する意味は(双子・白と黒・バスでの会話など)
...

 

【考察】映画『ふたりのベロニカ』──ふたりの役割、オープニングとエンディングの繋がり、そしてふたりを知る唯一の人物について【ツインレイ】
...

 

映画『リトル・ヴォイス』('98)──周りの毒っ気はもう少し控えめでもよかったかも【ジェーン・ホロックス】
...

 

映画とドラマのレビュー一覧はこちら(更新日時順)

 

comment

タイトルとURLをコピーしました