『ハン・ソロ』のレビューにも書きましたが、『最後のジェダイ』のあまりの酷さ、そして続く『ハン・ソロ』のつまらなさっぷりからして全く期待していなかった今作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』──正直、観る前から酷評する気まんまんでした。
D社は『最後のジェダイ』をどう扱うことにしたか
私は上記の2作品を観て「これはもう無理だろ…」と本気で思いました。スピンオフの『ハン・ソロ』はともかく『最後のジェダイ』については潔くゴメンナサイして(D社が)もう一回『最後のジェダイ』を作り直すくらいのことをしなければ、ここまでつまらなくなってしまった世紀の超人気シリーズ「スター・ウォーズ」が輝きを取り戻すことはないだろう、と。
ですがこの『~スカイウォーカーの夜明け』は普通に製作が進み、秋頃からは予告編も公開され始めました。
当然こちらとしては予告を見ても胸躍ることなど全くなかったので、結局そのまま予定通りに新作が公開されてまた世界中からボロクソ言われることになるんだろうな──そう考えていました。
ですが(陰謀論・都市伝説界隈でよく見られる)世界の権力者層ピラミッドの頂点グループに位置するであろうD社はさすがでした。
やはり真の権力者はゴメンナサイなんてするはずがないですもんね。
そんなD社が代わりにしたことは…
『最後のジェダイ』を完全になかったことにする
でした(笑)。いやー、そう来ましたかーっ!!ww
もうね、すごいですよ。
よくもまぁここまで堂々とスルーできるもんだな、と。何ならオープニングの例のスクロールで『最後のジェダイ』を語って全8作としてブルーレイのセットを販売しても全く問題ないだろっていうレベルw
怖いわw
そういった意味では今作は「予想していたよりずっと無難でまともな作品」となっていた──そう感じました。
前作のような気分にこそならなかったけど、だからといって感動することもなく…という、そんな映画。
SWでのJ.J.エイブラムスとライアン・ジョンソン
『フォースの覚醒』は、新たに登場した若き主人公たちの物語を、露骨すぎるレベルで『新たなる希望』を焼き直した世界に落とし込むことで新キャラの「顔見せ」に成功し、うまく過去とこれからの物語を繋げた作品といった印象でしたが、今回また監督に戻ってきたJ.J.エイブラムスはまた同じプロットと手法を用いることにより、ホームランではなく手堅くヒットを打って〆ることを選んだように感じられました。
そういう意味では(全然うまくいかなかったけど)過去作にとらわれずに「自身のスター・ウォーズ」を作ろうとしたライアン・ジョンソンの心意気は評価されてもいいのかもしれません…なんて散々ボロクソ言ったくせに何を今更w
J.J.エイブラムスは『新たなる希望』の焼き直しにより「スターキラーの破壊」という、色んな意味でうまい落としどころで話を完結させ、後で説明される謎だった要素(ルークのこと、スノークやレイの正体など)は投げっぱなし状態でバトンをライアン・ジョンソンに託しました。
3部作の真ん中という、完結編への繋ぎ的な位置付けの作品であるため、前作から託された謎に触れつつも物語を完結させることはできないという難しさも考慮すると、ライアン・ジョンソンが火中の栗を拾わされる役を摑まされた、とも言える…のかも。。(だからといって『最後のジェダイ』を評価する気はありませんがw)
今回『最後のジェダイ』を怖いくらいに全スルーして、さらに『帝国の逆襲』の要素も交えつつ、またしても『ジェダイの帰還』をまるっと焼き直すという手法に出たJ.J.エイブラムス。それはちょっとズルいんじゃないの、と思ってしまいます(笑)。一番美味しいところだけ持っていきやがって! みたいな。
comment