映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』──D社はゴメンナサイをするかわりに…【ネタバレ】

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衝撃のスルースキル

 先にも書いた通り、世紀の大失敗作となった(と個人的には思っている)『最後のジェダイ』をえげつないレベルでスルーして作られた今作。ツッコミどころは多いですが、とくに気になったとことを挙げるとすれば以下になりますでしょうか…

 

 前作では、それまでのスター・ウォーズ・サーガの基本路線でもあった

 

「スカイウォーカーの血筋は特別

「ジェダイの力の源であるフォースの強さは、持って生まれたミディ・クロリアン値に依る」

「銀河にバランスをもたらすのは“選ばれし者”である」

 といったものをやんわりと否定し、

 

「二束三文で我が子を売ったクズ親から生まれた子でもフォースの使い手になれる

どんな環境の中からでもヒーローは誕生する

「辺境の惑星に生きる名もなき子どもたちが次の時代を切り開いていく

 という、いかにもディズニーが好みそうな路線にチェンジしていくように作らされていました。確かにそのはずでした。。

 

 が、今作では…

 

結局は血筋=最強のジェダイと最強のシスの血筋」

「クズ親どころかレイの血筋はめちゃめちゃ特別でした!」

「『最後のジェダイ』のラストで星空を見上げていた子ども? 知らんがなw

 

 ぬけぬけとこんな路線変更がされていました。どんだけ高いところに上げて梯子を外すんだよw

 

「誰でもヒーロー/ヒロインになれる」

「誰もが物語の主人公になれる/幸せになれる」

 というおとぎ話の設定自体はとても素晴らしいものですが、天下のD社それをエサに一般大衆からお金を吸い上げ、同時に社会の問題(貧困や不平等さなど)から目を逸らさせて適度な夢と娯楽を提供し、洗脳し続けていることは頭の隅に置いておいたうえで、その娯楽を楽しむというバランス感覚は必要でしょう。

 

 まぁ今ここで言う話でもありませんが(笑)

 

さらに強まるディズニー臭

 最初から最後までずうっと気になってしまい、せっかくうまいこと練られたストーリーにも今いち感情が乗ってこないまま映画が終わってしまった、という印象なのですが、その大きな要因は

 

 

なんでもかんでも言葉にして説明してやらないとダメなわけ?

 

 

 という点にあります。

 

 ルークの足跡を追うべくレイがひとりで旅立とうとしたときのフィンとポーとのやり取りだとか、C-3POが記憶をリセットされる場面とか、はたまた劣勢の中で何度も出てくる「仲間がきっと来てくれる」といういちいち説明くさいセリフなどなど…

 

 

 今の若者や子どもって、ここまで説明してあげないと相手の心とか感情って汲み取れないものなの?

 

 

 タイムマシンで未来に行ったら人間が信じられないレベルでバカになっていて…という映画がいくつかありますが、それもフィクションではないのかもしれませんね。

 一日中その手に持って眺めてる四角いものでちょっと調べれば誰でも分かることなのに、自分で調べることをせず、何でもすぐに人から答えを教えてもらおうとする人がネットの世界には沢山いますが、まさにああいう人向けなんでしょうね。

 

 そういう意味でも『ローグ・ワン』はちゃんとした大人の映画だったような気がします。

 

 例えて言うならこんな感じ。

 

 目の前のトルーパーが持っている手榴弾によって今まさに爆死する直前であるベイズが、役目を果たして息絶えた盟友チアルートのほうを見やる場面

 

「俺もやるべきことをやったよ、今からお前のとこへ行くよ、チアルート」

 

 みたいなセリフを被せてしまうような愚かさ──とでも言いましょうか…。

 

 そんなもん言葉で説明すなよ、っていう。

 

 先に挙げた「レイがひとりで旅立とうしたときのフィンとポーとのやり取り」と似たような展開も『ローグ・ワン』にはありましたけど、あまりにも違いすぎますよね。。

【ネタバレ】映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』──SW史上、最も胸熱【解説】
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 あとレイがパルパティーンを倒すときにレイを鼓舞するジェダイ・マスター達の声……。

 誰かを出すのはアリなんじゃないかとは思ったけど、あれこそいかにもディズニーっぽくて何だかなぁ…という感じでした。感動の押し付けというか。。

 つーか角川映画の『里見八犬伝』じゃないんだからw とちょっと思いました。「行けぃ! 親兵衛!」「親兵衛〜!」みたいな(笑)。

 

今作のポスタービジュアルのひとつのようですが、この雰囲気、テイストは………

全ての始まりとなった『スター・ウォーズ 新たなる希望』のこのビジュアルに寄せてますね

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