映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』──D社はゴメンナサイをするかわりに…【ネタバレ】

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『帝国の逆襲』風味

 今作はすっかり『ジェダイの帰還』の焼き直しといった感じでしたが、その中でも『帝国の逆襲』を彷彿させるような箇所も散見できました。

 

 例えば、惑星パサーナでのファースト・オーダーとの追いかけっこでデカい生き物に喰われそうになっていましたが、ああいった巨大生物に喰われそうになるの描写は『帝国の逆襲』での小惑星帯に身を潜めたときのアレの他、『ファントム・メナス』でのナブーの水中シーンなどでも見られました。

 ナブーのシーンでもこのお約束は生きていましたが、デカいのが現れて「スゲー!」とか思っていたらその後にもっと強烈にデカいのが出てきて唖然、みたいな展開はSWではもうおなじみのもの。以前はオープニングのスクロールが流れ終わってからそのお約束でニヤニヤさせられて物語がスタートする──といった流れでしたが、どこかからそれもなくなりましたね。

 また何と言っても今作での『帝国の逆襲』風味No.1だったところは、ファースト・オーダーの母艦でカイロ・レンと対峙し、自身の出自を告げられたのちにレンに自分と組んで銀河を支配しようと手を差し出された場面

 

 はいはいはい、来ましたよ、という感じで観ていた方も多かったことと存じます(笑)。レイも断ったあとに後ろに身を投げてしまうのかしら…と思いきや、フィンたちの救出が間に合って無事脱出となりました。

 この敵の母艦からの脱出は『新たなる希望』の踏襲ですが、またかといった感じです。ファースト・オーダーの足元がザルなのも相変わらずといったところ(笑)。

 あとルークがX-ウイングを海からフォースで持ち上げたところも当然『帝国の逆襲』をなぞったものですが、レイとカイロ・レンのふたりが輸送船をフォースで止めるという格好いいことをやった後なので(レイにいたってはシスのライトニングも出ちゃってたし)、今さらルークがフンフン言いながら持ち上げたところで誰もびっくりしないという(笑)。

 ってかあんな霊体化してフォースそのものみたいな状態になってもフンフン言わないと重いものを持ち上げられないものなのか……『最後のジェダイ』ではあんなすごいことが出来てたのに。。あ、でも霊体化した状態だと逆に物質を作用させるのって難しいのかな。

 

 そういえば『フォースの覚醒』の頃はまだこのブログをやっていなくてレビューを書いていないため、ここで言わせてもらうと『フォースの覚醒』でカイロ・レンがブラスターの光線をフォースで止めたシーンはめちゃくちゃ格好良かったです。あとあのマスク越しの声も。『フォースの覚醒』の成功はあの「掴み」があってこそだと思ってます。

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『ジェダイの帰還』の踏襲

 これは挙げたら沢山出てくるんでしょうけど、

・パルパティーンの元へ行っての直接対決

・怒りと憎しみを引き出して暗黒面へと誘うパルパティーン

・レイの頭上で繰り広げられている戦闘では仲間が劣勢で、このままだと全滅してしまう

・全てはパルパティーンの思惑通りの展開

・暗黒面に堕ちたスカイウォーカー(またはその血を引くもの)が善の心を取り戻し、助けに入る

・助けたスカイウォーカー(上に同じ)が死ぬ

 

© 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
ずいぶんとまぁ都合よく玉座が爆発せずに残ってたもんだw

 

 というストーリーの主軸部分に加えて、

・アイツら(イウォーク)がまた登場

・ランドの笑いと雄叫び

・エンドアや第2デス・スター(の残骸)の登場

 

© 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
声に張りがないと感じたのは自分だけでしょうか…

 

 など、『ジェダイの帰還』と繋がる人や物、さらには

・ムスタファーの登場

・タトゥイーンとルークの育った家の登場(まだあったんかい)

・惑星パサーナのお祭りは42年に一度→『新たなる希望』の公開から42年

・『ローグ・ワン』のラストから『新たなる希望』のオープニングでレイアが乗っていたコレリアン・コルベットの登場

 といった「はいはいはい」的な要素も盛り込んでありました。

 『ハン・ソロ』で全然うまくいっていなかった過去作の引用や踏襲は、ここではある程度効果的だったのではないでしょうか。

 まぁこっちは本筋のSWサーガだし、これまでのシリーズの総まとめとなる作品だから『ハン・ソロ』より気持ちが盛り上がるのは当然なのでしょうけども。

その他の新キャラたち

 今作が初登場となった新キャラのなかでも目立っていたのがちらほらいました。

 まずはポーのかつての仕事仲間(銀河はフォースとスパイスが大事なようで…)のゾーリ。とても恵まれた環境ではないところの人なのに金ピカのヘルメットや防具?を付けた女性キャラでしたが、こういった格好いい系(そしてテカっている)の女性キャラは前2作までキャプテン・ファズマが担っていましたが、前作で退場しましたのでそのテイストを継ぐ新たな人物といったところでしょうか。素顔が見えたのは1回だけであとはずっとマスク姿だったので、人気が出れば今後も使い勝手のいいキャラになるのかもしれませんね。

 第2デス・スターの残骸があった衛星ケフ・バーで出会って仲間となった、フィンと同じく元トルーパーの女性ジャナはゾーリ以上に出番の多いキャラでしたが、ゾーリとポーのふたりと同様、最後はフィンとどういう関係になるのか曖昧な形で映画が終わったので、今後も活躍する人なのかどうかは何とも…ですね。(どっかに情報が出てたりするのかもしれませんがそこまで確認しようとは思わないのでw)

 なんとなくキャラの立ち位置というか扱いが『マトリックス リローデッド/レボリューションズ』に出てくるリンクの奥さんみたいな印象でした。バズーカでゲートのチェーンを切ったあの人。

© 2003 Warner Bros. All rights reserved.
こちらの女性です

 

 あとはオーチの宇宙船に置き去りにされていた鉛筆削りみたいなドロイドのD-O。シンプルなコミュニケーションのみ取れるタイプで、こぢんまりとして動きがすばしこいところなど、小型犬のような可愛さがあって個人的には

 

「どう? こういうの好きでしょ? 可愛いでしょ?」

 

 といった押し付け感が強いBB-8よりよっぽど好感の持てるタイプのドロイドでした。捨てられていたという設定も小型犬のような印象と相まって大切にしたい感じが強まってきます(笑)。

 

© 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
君の名は…

最後に

 スカイウォーカー・サーガのラストはいかにもおっさんホイホイな、ルークが育った家にレイが訪れ2つの太陽を見つめるシーンで幕を閉じましたが、最後はまさかの背乗りで物語が終わりました(笑)。いや、レイだからいいだろと言えばそれまでですけど、誰の許可も取っていなければ公的に認められる要素が何もない「言ったもん勝ち」なスカイウォーカー家の継承……D社がこれを推奨してええんかい(笑)。

 

 ところで、『スター・ウォーズ』の世界(というか遠い昔に銀河系の遥か彼方でこういった種族や文明がいた、ということ)が実は現実である──みたいな話もオカルト系界隈では言われていたりします。

 宇宙の広大さから考えても、むしろ地球以外に生物はおらず文明も存在しないと考えるほうが不自然ですので、そのような話が出ても全くおかしくないと思っていますが、それより何より、もう随分前から「これってこういうことだよなぁ」と思っていたのは、

 

ジェダイの教えとかフォースというものの存在

 

 は、スピ系やオカルト系で普通に信じられている

「私たちが存在しているこの3次元世界の成り立ちや概念」そのもの

 である──ということです。

 マスター・ヨーダが

いつも未来に意識をフォーカスしていたために目の前のダークサイドに気付けなかった」

 のに対し、クワイ=ガン・ジンは

今この瞬間のフォースを感じることに重きを置いた」

 ことで“フォースにバランスをもたらす者”を見つけ、さらには

3次元世界の肉体を離れて霊体化しフォースと一体になる

 という、これまでどのジェダイ・マスターでも出来なかったことを成し遂げました。

 つまりクワイ=ガン・ジンは

 

「数多のジェダイ・マスターの中で最初にアセンションした人」

 

 と言えるのではないかと。

 まぁフォースと「そっち系」の親和性については語ると長くなるのでやめますが、こういったSF大作映画などでは、実は気付かれないようにこの世の真実を描いているものが多い(と「そっち系」では言われていますw)ので、今作にも何かそういった隠された事実が潜んでいても不思議ではありません。

 とりあえず善の皮を被った「背乗り」には気をつけましょうということで(笑)。(レイはもちろん善であるジェダイですのでくれぐれも誤解なきよう)

 

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