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映画『ハン・ソロ』(ネタバレ)──D社はもうゴメンナサイするべき

投稿日:2018年7月22日

 

 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に続くスピンオフ第二弾『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』。観に行ってからもう2週間近く経っていて、書くのやめようかな…なんて考えたりもしたんですが、やはりなんだかんだいってもSWシリーズだし、サーガの全作(&ローグ・ワン)を劇場公開時にリアルタイムで観に行っていることだけが自慢──みたいなところもありますので(笑)、他のSW作品の話が多めですが感想などを。

 

 

 他のシリーズ物の映画でもそうですが、とりわけSWシリーズは一本の映画としての面白いかどうかよりも

 

「SWとしてどうなのか」

 

 という点を何より重要視しているように思います。

 

 『帝国の逆襲』はおそらくSWシリーズの中でも1〜2を争う人気作(というか1位?)ですが、これはとにかく続編として素晴らしい出来だったというのが大きな理由です。『スター・ウォーズ/新たなる希望』(以下『新たなる希望』)は、世界中の子どもたち・若者たちの冒険心を最高に掻き立てたスペース・オペラであり、ひとつの「おとぎ話」として完璧な作品でした。ですから『新たなる希望』で物語が完結していたとしても、私を含めた世界中の子どもたちはその1作だけでずっと夢を見続けることも可能でした。

 

 ところが、その最高だった『新たなる希望』にはなんと続きがあり、しかも全部で9つのエピソードから成り立っている壮大な物語の4番目であることが判明!さらにその続編である5番目と6番目が順次製作されるとのこと!

 

 

なんてこった!!続きが見られるなんて!!!

 

 

 といった期待度MAXで公開された『帝国の逆襲』が、前作では何だかよく分からなかったフォースやらジェダイやらシスの暗黒卿やら何やらが、キャラの内面の描写とともにより深く掘り下げられていて、さらに宇宙での戦闘雪原での地上戦なんかも超カッコ良くてメチャクチャ面白かった!マジ最高!!という、満点に近い成功を収めることとなったため、どうもこれが“SWとしてイケてるかどうか”の、ひとつの判断基準となってしまったような気がします。

 

 たしかにフォースジェダイシスベイダーエグゼキューターAT-ATボバ・フェット「I have bad feeling about this.」「I Know.」「I'm your father.」も何から何まで魅力的ですが、どれもこれも“SWを楽しむための要素や設定”であって、ひとつの映画として面白いかどうか、という意味ではちょっと違うものと私は考えています。

 

 

エピソード4にあって他にないもの

 

 『新たなる希望』のように、一本の映画として物語が起承転結している作品はエピソード1~8まで公開された現在でも『新たなる希望』ただひとつだけです。『ジェダイの帰還』は「結」の作品、そして『フォースの覚醒』は、ほとんど『新たなる希望』の焼き直し的な展開のためこれに当てはまりそうな気もしなくもないですが、明らかに次に繋げる意思のあるエンディングにしているので「結」はしていません。エンディングも踏襲してセレモニー的なものにしていれば「結」となったのかも。まぁそれはそれで「ただの焼き直しじゃん!」としか言われない作品になったのでしょうが…

 

 …とか言うと『新たなる希望』だってダース・ベイダー死なずに逃げてったじゃん!ということを言う人が出てくるかもしれませんが、力を失った悪党の親玉はひとり逃げ去っていきましたとさ──ってだけのことなので(少なくとも公開当時の扱いでは)ちゃんと完結しています。

 

 で、何が言いたいかというと、『新たなる希望』以降は全て「あの続きが見たい!知りたい!」という欲求に応えて作られたものであり、「あの続き」「あの前日譚」であることが大前提であり目的でありアイデンティティであり、そして全て──なのだな…ということに改めて気付いたのです。

 

 子どものころに見たおとぎ話や映画、人形劇などは全て起承転結しており、「昔々あるところに…」という始まりから「めでたし、めでたし」できっちり締めくくられ、ときに「その後○○はどうなったんだろう?」という謎が残るときも「でもそれはまた別の話…」といった心地よい余韻を残して見る側にその物語の続きを委ね、それが子どもの想像力を拡げることになっていったものでした。

 

 『新たなる希望』には、確かにその起承転結も心地よい余韻もありました。ですがそれ以降のSWサーガにそれはありません。結局私たちは、SWというコンテンツの、ドーピングにドーピングを重ねて生み出された“正式な続き”を中毒者のように求めて消費していただけなのかもしれません。もちろん中毒になるくらいですから面白いと感じるのは当然です。ですが、そこに一本の映画として最も大事な、おとぎ話としての物語性や感動、余韻、創造性がはたしてあったのだろうか?と言われると、正直微妙なところです。

 

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「新たなる“もうひとつの”希望」

 

 では『新たなる希望』以外は全て、SFファンタジー映画が持っているはずの物語性や創造性のないものなのでしょうか。イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」でいうところの1970以降の蒸留酒(スピリッツ)みたいに。

 

 しかしついに、その流れから飛び出すことに成功した、「魂=スピリッツ」を持った作品がサーガから外れたところに登場しました。

 

 

 それが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』です。

 

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

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 厳密に言えばファンタジー映画ではなく、(今さらながら)そのタイトル通りの生々しい“戦争映画”であり、そして『新たなる希望』の直前までの物語なので「めでたし、めでたし」とハッピーエンドで終わらないことは誰もが知っている作品です。ですが、この映画には『新たなる希望』以降の作品にはなかった“SWというコンテンツに頼らない魅力”が確実に存在します。

 

 たしかに前半は鈍重ですし、最もオイシイ時代設定での映画であり、デス・スターヤヴィン4モフ・ターキン、そして「あの姿・あの時代」のダース・ベイダーといった錚々たる面々が登場し、しかも「あの場面」の直前に繋がるという超ミラクルな展開はそれだけで大変なアドバンテージではあるのですが、『ローグ・ワン』が真に素晴らしいところはそこではありません。

 

 これまでサーガ=本編では個人名すら出なかった“ならず者”たちが、命と引き換えに成し遂げた小さくも偉大な戦いを物語の中心にすくい上げ、それがその後の反乱軍と銀河全体にとってどれだけ尊く意味のある戦い・勝利であったのかを、しっかりと起承転結をもって描いた物語だからこそ『ローグ・ワン』が、SW中毒者となってすっかり何かが麻痺してしまった者たちの心に響いた作品となり得たのです。

 

 

 「あの場面」の直前に繋がる話なのに起承転結?と思うかもしれません。ですがそこに繋がるEP4からの展開はこの『ローグ・ワン』では「後日譚」であり「それはまた別の話」です。彼らの物語はここで完結しています。何故なら彼らは命がけでミッションを遂行し、それで得た「新たなる希望」を反乱軍に託して全員死んでいったのですから。つまり『ローグ・ワン』はスピンオフであると同時に、ひとつの物語としてきちんと独立・完結していて、これ一本だけで感動できるという、映画として真っ当な1作なのです。

 

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全てブチ壊した『最後のジェダイ』

 

『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』

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 D社はもちろん、世界中のたくさんの人たちが『ローグ・ワン』の成功で「これはもしかしてまだまだ行けるんじゃね?」と期待したことでしょう。ですがその期待は早くも『最後のジェダイ』で鈍く、そしてどんよりと打ち壊されることとなりました。粉々に、ではなく鈍く、というのが問題です。はっきりダメ出しされたり好き嫌いが分かれる問題作とかだったらまだいいのでしょうが、あのSWの正統な続編であるにも関わらず往年のファンでさえも「なんかもうどうでもいいや…」と思ってしまう作品だったのが大問題なわけです。

 

 そんなドえらい大失敗作の後だけに、この『ハン・ソロ』は非常に分が悪いというか、可哀想な役回りとなってしまったのは否めませんが、では実際どうだったのでしょうか。

 

というわけで、長い長い前フリのあと、ようやく『ハン・ソロ』の話になります(笑)。テンションに忠実に書くのでいい事書けないかも…

 

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三崎町三丁目通信の主筆・Kです(個人運営ですが)。映画の感想を中心に、趣味で続けているスペイン語学習(DELE A2取得で止まっています)と最近始めた英語学習のことなどを書いています。本業はフリーランスのグラフィック&エディトリアルデザイナー。びっくりするくらい将棋が弱いです。

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