映画『ハン・ソロ』(ネタバレ)──D社はもうゴメンナサイするべき

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 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に続くスピンオフ第二弾『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』。観に行ってからもう2週間近く経っていて、書くのやめようかな…なんて考えたりもしたんですが、やはりなんだかんだいってもSWシリーズだし、サーガの全作(&ローグ・ワン)を劇場公開時にリアルタイムで観に行っていることだけが自慢──みたいなところもありますので(笑)、他のSW作品の話が多めですが感想などを。

 

 

 他のシリーズ物の映画でもそうですが、とりわけSWシリーズは一本の映画としての面白いかどうかよりも

 

「SWとしてどうなのか」

 

 という点を何より重要視しているように思います。

 

 『帝国の逆襲』はおそらくSWシリーズの中でも1〜2を争う人気作(というか1位?)ですが、これはとにかく続編として素晴らしい出来だったというのが大きな理由です。『スター・ウォーズ/新たなる希望』(以下『新たなる希望』)は、世界中の子どもたち・若者たちの冒険心を最高に掻き立てたスペース・オペラであり、ひとつの「おとぎ話」として完璧な作品でした。ですから『新たなる希望』で物語が完結していたとしても、私を含めた世界中の子どもたちはその1作だけでずっと夢を見続けることも可能でした。

 

 ところが、その最高だった『新たなる希望』にはなんと続きがあり、しかも全部で9つのエピソードから成り立っている壮大な物語の4番目であることが判明!さらにその続編である5番目と6番目が順次製作されるとのこと!

 

 

なんてこった!!続きが見られるなんて!!!

 

 

 といった期待度MAXで公開された『帝国の逆襲』が、前作では何だかよく分からなかったフォースやらジェダイやらシスの暗黒卿やら何やらが、キャラの内面の描写とともにより深く掘り下げられていて、さらに宇宙での戦闘雪原での地上戦なんかも超カッコ良くてメチャクチャ面白かった!マジ最高!!という、満点に近い成功を収めることとなったため、どうもこれが“SWとしてイケてるかどうか”の、ひとつの判断基準となってしまったような気がします。

 

 たしかにフォースジェダイシスベイダーエグゼキューターAT-ATボバ・フェット「I have bad feeling about this.」「I Know.」「I’m your father.」も何から何まで魅力的ですが、どれもこれも“SWを楽しむための要素や設定”であって、ひとつの映画として面白いかどうか、という意味ではちょっと違うものと私は考えています。

 

 

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エピソード4にあって他にないもの

 

 『新たなる希望』のように、一本の映画として物語が起承転結している作品はエピソード1~8まで公開された現在でも『新たなる希望』ただひとつだけです。『ジェダイの帰還』は「結」の作品、そして『フォースの覚醒』は、ほとんど『新たなる希望』の焼き直し的な展開のためこれに当てはまりそうな気もしなくもないですが、明らかに次に繋げる意思のあるエンディングにしているので「結」はしていません。エンディングも踏襲してセレモニー的なものにしていれば「結」となったのかも。まぁそれはそれで「ただの焼き直しじゃん!」としか言われない作品になったのでしょうが…

 

 …とか言うと『新たなる希望』だってダース・ベイダー死なずに逃げてったじゃん!ということを言う人が出てくるかもしれませんが、力を失った悪党の親玉はひとり逃げ去っていきましたとさ──ってだけのことなので(少なくとも公開当時の扱いでは)ちゃんと完結しています。

 

 で、何が言いたいかというと、『新たなる希望』以降は全て「あの続きが見たい!知りたい!」という欲求に応えて作られたものであり、「あの続き」「あの前日譚」であることが大前提であり目的でありアイデンティティであり、そして全て──なのだな…ということに改めて気付いたのです。

 

 子どものころに見たおとぎ話や映画、人形劇などは全て起承転結しており、「昔々あるところに…」という始まりから「めでたし、めでたし」できっちり締めくくられ、ときに「その後○○はどうなったんだろう?」という謎が残るときも「でもそれはまた別の話…」といった心地よい余韻を残して見る側にその物語の続きを委ね、それが子どもの想像力を拡げることになっていったものでした。

 

 『新たなる希望』には、確かにその起承転結も心地よい余韻もありました。ですがそれ以降のSWサーガにそれはありません。結局私たちは、SWというコンテンツの、ドーピングにドーピングを重ねて生み出された“正式な続き”を中毒者のように求めて消費していただけなのかもしれません。もちろん中毒になるくらいですから面白いと感じるのは当然です。ですが、そこに一本の映画として最も大事な、おとぎ話としての物語性や感動、余韻、創造性がはたしてあったのだろうか?と言われると、正直微妙なところです。

 

 

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