分かりやすいプロット
ここで改めて『フォースの覚醒』のおおまかな流れを見ていきましょう。
①強大な悪の軍団が、彼らに対抗する正義の側が握った「あるもの」を取り返そうとする
②その「あるもの」を巡り、辺境の惑星で貧しい暮らしを送っている若者が物語に関わってくる
③運命に導かれるかのような出会いを経て、若者は仲間とともに正義と悪の戦いに加わっていく
④若者たちを導く「かつての大戦」を知る勇者が死ぬ
⑤圧倒的な戦力差に加え、悪の軍団が持つ最強の兵器が今まさに発動されようとするなか、決死の作戦が繰り広げられる
⑥若者がフォースに目覚める
⑦ギリギリのところで正義の側が奇跡的勝利を収め、悪の軍団の最強兵器は大爆発を起こす
うぅむ…若干の順番違いはあったとしても「これが『新たなる希望』の流れです」と言っても全く差し支えないという、恐ろしいくらいのシンクロ率となっております(笑)。
…ってそれはまぁいいとして、このストーリー展開ですよ。。これが実に分かりやすい。子どもでも十分理解できますもん。
しかも『新たなる希望』とほぼ同じ展開ということで、そして旧作の主人公たちも登場するということで、初めてスター・ウォーズを見る子どもたちとその親世代が一緒になって楽しめるというのが素晴らしい。それこそがエピソード7〜9を作ることの大義なんじゃないかとすら思えてきます。
2世代で共有できる現代のおとぎ話
私を含めたおじさん世代がかつて子どもだった頃に、心を躍らせ憧れた『スター・ウォーズ』で起きた数々の冒険物語。
それが『フォースの覚醒』で初めてスター・ウォーズという世界に触れた子どもたちに「伝説」として受け継がれてゆくということは、何とも喜ばしいことではないでしょうか。
そして『フォースの覚醒』でこの壮大な冒険物語に触れて興奮しまくりの子どもたちにとっても、今ここで「伝説」として語られる人や出来事を「自分の親がよく知っている」ということは大きな意味があることなのだろうと思います。
テレビもインターネットもなかった時代(もちろん中年の私も体験していない大昔)に代々語り継がれてきたおとぎ話や伝承なんかを親に聞かせてもらったりしたのと同じように、
を、この現代でも味わうことができるというのは素晴らしいことだと思います。だって自分が子どもの頃に憧れたヒーロー(特撮ものなど)や冒険物語は親とは共有できませんでしたから。
今はライダーシリーズとかウルトラマンシリーズなど、親子で同じコンテンツを共有できるものは色々あるのでしょうけど、さすがにこのスケールで共有できるものは(アニメを除いては)まだほとんどありませんし、そもそも昔も今もカッコ良さが変わらないというのはとっても重要です。
全9作(+2)に順位をつけてみる
というわけで全9作+スピンオフ2作の全てを見終わったところで、改めて順位を付けてみると私の場合はこんな感じになりました。
❶『スター・ウォーズ/新たなる希望』
もはや説明する必要ナシ。結局「スター・ウォーズ」である以上、他作がこれを超えることはない
❷『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
中盤までは多少ダレるものの、エモさにかけてはSW随一。❶の勝利の陰に彼らが捧げた命あり
❸『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』
中継的作品なのにこれほど大満足できる映画も珍しい。SWの名台詞とお約束の多くがこの作品に集中
———–<超えられない壁>———–
❹『スター・ウォーズ/シスの復讐』
4位は2つが並ぶことに。色々と意見はあるものの、何が起こったのかをしっかり見せてもらった作品
❹『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
これ単体で見ればいい映画だが、もちろんそれは❶の焼き直しだからに他ならないのでこの順位に
❻『スター・ウォーズ/クローンの攻撃』
フォースの凄さ、ジェダイの強さ、ジャンゴ・フェットの格好良さなど、ストーリーの外側に魅力が満載
❼『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』
これも悪くはないものの、同じく焼き直し作品なのでこれ以上順位を挙げるわけにはいかない
❽『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』
焼き直しに負けてしまったep6。敗因はイウォーク、そして皇帝との決着の付き方か。宇宙での攻防はエモい
———–<超えられない壁>———–
❾『スター・ウォーズ/ファントム・メナス』
公開が今の時代だったらきっと非難囂々だと思われる。これの価値はクワイ=ガンが登場する唯一の作品ということ
❿『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
残りの1作と比べれば…ということでこの位置に。もう一度見てみようという気になれない
⓫『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』
何の毒にも薬にもならないものほど無意味なものはない。何もかもがどうでもいい
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は全11作のうち4位(ep3と並んで)と、かなり上位に食い込んでいて我ながら驚きですが、これは「1回だけ使える奥の手」(ワイスピでいうところのニトロみたいなw)のおかげでしょうね。
まぁJ.J.エイブラムスはそれを2回使ったわけですが(笑)。
それにしても『スカイウォーカーの夜明け』を見たあとにもう一度見てみると、レイの正体を知っているだけに森の中でカイロ・レンを追い詰めたときのレイの唐突な強さも納得、といった感じです。
つーか血筋の凄さはルークに匹敵するものがあるとして、結局とーちゃんかーちゃんは何者だったんだよ、って話なんですよね。
↑こちらの『最後のジェダイ』のレビューが我ながらあまりにずさんで酷いので書き直すべきなのは分かっているんですが…その気力が1ミリも湧いてこないという。。。そういう意味ではたいした作品ですわw
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