※ブログを作った当時に書いた内容があまりにもひどかったので書き直しました(笑)。
映画を観に行きたい気分だったけど、ちょっと疲れがたまってて集中して見られそうにないから何か軽そうなものを…
という理由で観たのがこちらの『バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート』でした(笑)。そして映画のほうも、そんなテンションを裏切ることなく(?)「軽いなぁ…」という印象を残しただけの内容に。。
…と思いきや、今回書き直すにあたりNetflixで再度見てみたら、意外にもそこそこ楽しめる映画だったことが判明。まぁおそらくは「お手軽にテレビで見るぶんにはイケるタイプ」の映画なのではないかと。


あらすじ
ダメ男とばかり付き合っては失恋を繰り返す、ややウザい女の子・マーサが、たまたまコンビニで遭遇した凄腕の元殺し屋フランシスとデートを重ねていくうちに、自分の中に隠されていた殺し屋スキルが覚醒し…
と、ここまでが中盤あたりまでの内容です。あとは「元殺し屋」「殺し屋スキルが覚醒」というキーワードで、何かドンパチが起こるんだろうな、ということが予想されると思います。
もちろんその通りの展開になりますが(笑)、ジャンルが「ロマンティック・コメディ」ということなので、不幸なエンディングになることももちろんありません。
ちなみに、パンフレットにあるあらすじには、序盤までの流れがこう書かれていました。
普段から落ち着きのない女の子マーサ(アナ・ケンドリック)は、家での手料理に苦戦しながらも、大好きな彼の帰りを待っていた。しかし、突然ドアが開くと、彼は知らない女と熱いキスを交わしながらやってくる。
マーサは二股を言い訳する彼を許せず、ワインボトルを彼に投げつけ家を後にする。ダメ男ばかり付き合っては失恋を繰り返すマーサは、いつにも増してハイになっていた。親友のソフィ(ケイティ・ネイラ)が慰めても、モンスターのように喋って騒ぎまくり目に入るものすべてを料理してしまう。
その姿を見かねたソフィは、自分の職場で猫と遊んでリラックスしようとマーサを誘う。翌日、猫耳までつけてペットショップへやってきたマーサが猫に触れようとした瞬間、警戒心MAXの猫は思い切りマーサに襲いかかる。猫にまで嫌われひどく落ち込んでいるマーサ。帰り道によったコンビニの通路で、出会い頭にフランシス(サム・ロックウェル)と衝突してしまう。その瞬間、~~
なんかこの時点でかなり「めんどくさいキャラ」全開といった感じですが、クローゼットに閉じこもっているときの“いかにも安っぽいキャラを演じてます”的な喋り方なんかは「もうやめて~!」と思いました。。なんだかんだ言ってアナ・ケンドリックは結構好きなので、こういうバカっぽい演技をしてるのを目にすると、ちゃんと出来る人が無理して酷い演技をしているようにしか見えないというか…
ちなみにここに「モンスターのように喋って騒ぎまくり」という説明がありますが、フランシスがマーサのことを「音が似ている」という理由で「モンスター」と呼ぶシーンがあるので、それにかけているのかと思われます。
アナ・ケンドリックとサム・ロックウェルの年齢差
そういえばいつどこで見聞きしたのかちょっと忘れてしまったんですが、ハリウッド映画のいびつなところのひとつとして
「恋愛関係になる男女の年齢差がおかしいことになっている」
というのがありました。誰の話だったも忘れてしまったのですが、50代の俳優が主役の映画(例えで出ていたのはG・クルーニーとかその辺りの年齢の人だったように記憶しています)のヒロインとして、30代半ばの女優が「歳を取り過ぎている」という理由でキャスティングされない
──のだそうです。
うーむ。初代綾波のセリフが頭をよぎります。
で、今回のお二人。
アナ・ケンドリック:1985年8月9日生まれ
サム・ロックウェル:1968年11月5日生まれ
上の話を聞いてからだと、この年齢差くらいならまぁアリなのかな…とも思えなくもないですが、映画を見ているときは正直ちょっと無理があるように感じました。日本でのこの映画のキャッチコピーは
超ホットな“ガール・ミーツ・ボーイ”ムービー誕生!!
といったもの。。。もちろん“ボーイ・ミーツ・ガール”という単語をもじってのことなのは分かりますが、68年生まれの中年に「ボーイ」っていうのも相当苦しいものがありますね(笑)。
アナ・ケンドリックのキャラが精神的に若くてウザめの女だったぶん、余計に年齢差の違和感が悪目立ちしていたように感じました。
舞台はニューオーリンズ
映画館で観たときには台詞を聞き逃していたので分からなかったのですが、映画の舞台はニューオーリンズとのこと。少しだけそれっぽい光景も見られましたが、全体的には地味な田舎街といった印象でした。クラブやレストランがある繁華街も今イチ殺風景で、マーサのルームメイトのソフィが勤めているペットショップ周辺なんて、まるで中南米の田舎町のよう…。
なぜ舞台がここなのかは謎ですが、出資の関係とか予算の都合とか、なにかそういった大人の事情でこうなったんでしょうか。「アメリカの田舎町が舞台」という設定で話が進む映画なら分かるんですが、内容と場所は全然関係なさそうだし、ニューオーリンズっぽさもあまり出ていないしで(行ったことありませんけどw)なぜこんな地味なロケーションになったのかが気になるところです。
後半からの展開について
最初からちょっとおかしいキャラのマーサでしたが、フランシスが本当に殺し屋だと判って拒絶するあたりは普通の人と変わらない反応を示すものの、人質となって監禁されたあたりから覚醒し、騒動の発端となった2人を始末した頃には、以前からの「ちょっとおかしい人」にプラス殺し屋属性が加わり、いよいよフランシス以外は誰もついていけそうにないヤバい人になってしまいました(笑)。
そして後半から妙な関わり方をしてくる敵側に金で雇われたスティーブ(RZA)が、能力を評価されたのか何となく気に入られたのか、なぜか狙う側と狙われる側なのに仲良くなり、最終的にはスティーブが代わりにラスボスを始末してくれて、なおかつスティーブも懸賞金でがっぽり、という都合の良い流れに。
フランシスも敵側も、そしてひとりフランシスを狙うホッパーも、みんな「殺るのか殺らないのか」「というかそもそも殺る気があるのか、単に痛めつけようとしているだけなのか」の線引きがどうなってるのか分からないので少しモヤモヤします。そういう意味ではマーサの行動が一番シンプルで的確だったように感じました。



まとめ
今作の原題は『Mr. Right』(“理想の人”という意味だそうです)ですが、ロゴはこの「Mr.」のドット部分が赤丸になっていて、フランシスが殺しをやる際に鼻につけるピエロの赤い鼻飾りとかけてあります。
だったら邦題が『バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート』なんだから「バッド・バディ」の中グロ(印刷用語?)部分を赤くするとかすればよかったのに…とも思うのですが、見るとロゴらしいロゴも存在せず、フォントでサッと作りました的なものになっているので配給のほうでも「そこまで気にする作品じゃない」と考えていそう…というのがよく分かります(笑)。
というわけで、他の作品とはちょっと違うぶっ飛んだキャラが見られるのでアナ・ケンドリックが好きなので出演作は全部見たい!という人にはオススメですが、それ以外の人にとっては微妙かなぁと。どこかの映画チャンネルでやってたからとりあえず見てみようかな、というのが一番楽しめる見方なのではないかと思います(笑)。
個人的には今作のアナ・ケンドリックはちょっと痩せすぎててちょっと…。『50/50 フィフティ・フィフティ』の頃が一番良かったように思います。
その「一番良かった頃」にお付き合いしていたというエドガー・ライト監督の作品…

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