【格式と矜持】映画『ジョン・ウィック:パラベラム』──どいつもこいつもあっち側【そして犬】

ジョン・ウィック:パラベラム ENTERTAINMENT
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 はたして今、単独主人公の作品でこれだけ勢いのあるシリーズ物の映画があるだろうか…

 

 『007』シリーズや『ミッション・インポッシブル』シリーズなど、安定の人気と面白さを保持しているものはありますし、『アベンジャーズ』『ワイルド・スピード』『エクスペンタブルズ』など、単独主人公ではなく主役級キャラてんこもりの高級幕の内弁当みたいなシリーズも人気ですが、この『ジョン・ウィック』シリーズは、完全に「勢いに乗った」感があります。

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 アメリカでの公開は『アベンジャーズ:エンドゲーム』から数週間後の5月中旬でしたが、日本では10月まで待たされました。

 『~エンドゲーム』の余韻に長いこと浸っていた私はしばらくの間、YouTubeで『アベンジャーズ:エンドゲーム』関連の動画を見まくっていたのですが、それらの動画のコメント欄にやたらとジョン・ウィックの名前が出ていたのが気になっていました。(ほとんどネタ系の笑えるもの)

 で、そのコメント欄を見るだけでも

 

うわぁ〜ジョン・ウィック、めちゃめちゃ支持されてやんのww

 

 と、その人気の高さがうかがえてなかなか笑えたのですが、先日ようやく日本でも公開され、さっそく観に行ってきました。結果、どうだったかというと…

 

こんなのもう笑うしかねぇ!!

最高じゃねーか!www

 

 という感想に尽きたのでした(笑)。

 この勢いの乗り具合と加速感………

 

これがヘブン状態というやつか…

 

 ってかヘブンも何も思いっきし闇社会ですけどw

 

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まずはこちらを聴いて気分を高めましょう

ヴィヴァルディ「四季」より「冬」

※動画画面の上に表示されている動画タイトルをクリック(またはタップ)するとYouTubeのサイト(またはアプリ)でこの動画が開きますので、そこでコメントを見ることができます。

 

何なの、このコメント欄www

 

 要はこのノリで『アベンジャーズ:エンドゲーム』関連の動画にジョン・ウィック信者が大量に流入してた、ってことなんですね(笑)。ま、どっちも好きって奴らがほとんどなのでしょうけど。

 

“Books, lots of books.”

 これはジョン・ウィック3関連の動画のコメ欄によく書かれているネタですが、やっぱりあの場面が気になった人は多いんですね(笑)。

 

 恐ろしく厳格な闇社会の掟・ルールを無視して、図書館に現れた殺し屋アーネストはフライングして襲いかかってきました。

 この巨人の殺し屋・アーネストは、今作最初の餌食(笑)として見事なやられっぷりを見せてくれましたが、対戦時の

指を折られたときの「メキメキッ」という音
本を口に噛ませて押し込まれたときの「ゴリゴリッ」という音

 ここでさっそく笑わえてもらいました。このシーン、絶対「メキメキッ」とか「ゴリゴリッ」っていう音をデカくしてましたよね?(笑)

 

 ところでこのアーネスト役を演じたボバン・マリヤノヴィッチという方、NBAでプレーしているバスケのセルビア代表選手とのことです。

 

 むっ。この「巨人の殺し屋」そして「演じているのはNBAの選手」という設定には既視感が………

 

 そう、ブルース・リーの『死亡遊戯』に登場した、グラサンの巨人格闘家ハキムと被る設定ですね。

 圧倒的身長差の敵として、現役の格闘家を登場させた映画だとジェイソン・ステイサムの『トランスポーター3:アンリミテッド』でのセミー・シュルト(セーム・シュルト)などもありましたし、プロレスラーが出てくる映画は数多くあったように思いますが、ここでNBA選手を出してくるあたり、ニヤリとさせられます。

 ハキムはラスボスとして大活躍しましたが、他の人たちは概ね対格差を活かした攻撃を序盤に見せるものの、すぐにやられるのがお約束といった感じです。『北斗の拳』でいったらデビルリバースみたいな位置付けでしょうか(笑)。

 

 あ、あと元のセリフの“Guns, lots of guns.”は予告編でも流れていたので、記憶力のよい方は劇場公開前からすでにここで「www」となっていたのでしょうけど、『マトリックス』でモーフィアスを助けに行くときに何が必要かをタンクに尋ねられたネオが言った言葉をここで使うという楽しいことをやっていたのですね。

 恥ずかしいことに『マトリックス』でのその場面のセリフはすっかり忘れてて気付きませんでした(笑)。

○○・フー

 だんだん悪ノリしている感がありますが、これまでの『ジョン・ウィック』シリーズの特徴であった「ガンアクション+カン・フー」=「ガン・フー」に加えて、相手を倒すために使うものを何でもかんでも「○○・フー」と呼ぶようになったみたいです(笑)。

 

 序盤で中国系の殺し屋たちを相手にしたときの、ケースに飾られたナイフを使った「一切容赦無し、手抜き無し」の鬼のような攻撃。笑えましたね。劇場ではあまり声を出せなかったので、そのぶん肩を震わせて笑うことに……(笑)。

 そのナイフアクションが

 

“ナイ・フー”

 

 「フー」しか合ってないけど、まぁ分かる。面白いし。

 

 アーネストを仕留めるときの、を使った

 

“本・フー”

 

 むむ…なんか無理矢理だけど“○ン・フー”と語感も近いしなんかイケる気がw

 

 中盤で登場する元女殺し屋のソフィア(ハル・ベリー)が飼いならしているによる攻撃

 

“犬・フー”

 

 うむむ……これは「ケン・フー」と読むのか!? 「うまいこと言いやがって感」がなんか悔しいけどこれもイケる。。

 

 今作では馬も登場。その馬たちを暴れさせて「馬力」で倒す

“馬・フー”

 いや、わかんねぇっす…

 音読みでも訓読みでもダメだろこれはw 場面としてはめちゃ面白かったけど。

随所に見られる「ですよね」的ポイント

 やっぱり3作目ともなってくると、普通の世界では「それはアウト」「エグすぎw」といったものでも『ジョン・ウィック』の世界ではすでにお馴染みとなっていて

 

「ですよね」

 

 で納得してしまう場面が多々見られます。要はそこがいいわけですが(笑)。

 上述した“ナイ・フー”による戦闘シーンの「いやもう十分だろ」っていう段階から続く執拗な攻撃や、もうあとは黙っていても死ぬだけの相手への遠距離からの斧ぶん投げ

 毎回しっかり頭部(ヘルメットで遮られている場合は首)へ止めを刺す

 そしてクライマックスのNYコンチネンタルでの戦いで、防弾・防刃能力がハンパないコンバットスーツ&ヘルメットの刺客たちへの徹底した撃ち込み

 普通に考えたら「もう十分だろ」と思える状態でも、相手もプロなのだから完全に息の根を止めなければ必ず自分がやられるので、徹底的かつ完全に止めを刺さなければならない──ということは、私たちは過去の2作でじゅうぶん学びました(笑)。

 また、今作ではさらに登場場面が増えた“アカウント部”の、てきぱき働くおねえさんたちも忘れてはなりません。

 髪はアップにしてノースリーブにタイトスカート、姿勢も良く有能な秘書のような出で立ちのおねえさんたちですが、やっぱり今作でも

 

どいつもこいつもごっついタトゥー入りw

 

 ペンを床に落としただけでも懲罰が待っていそうなこの闇オフィス……恐いわw

 

 さらにこの“アカウント部”ではもうおなじみのチーフっぽい熟女、一見するとCMで脇の下の匂いチェックでもしてそうなおばさんですが、やはり腕まわりにはごっついのが入っていて、怖い怖ーい“裁定人”とのやり取りも実に堂々としたものです。

 このおねえさんたち、ここで働くようになるまでに一体どんな人生を送ってきたのか……想像もしたくねぇっす。

 彼女たちの腕まわりが映るたびに「ごっついのぉ…」と頭の中で唸ってしまいます。男塾の二号生筆頭代理かw

 

 その“アカウント部”をはじめ、コンチネンタルの従業員とそこへやってくる人々、主席連合とその配下の組織の面々、表向きは寿司屋として働く殺し屋、ヤバい連中専門?の医者など、皆が皆、闇社会の掟やルールに従って生きているプロであり、その「職場」での様子はストイックそのものです。

 そのプロの現場の格式の高さと、自身の仕事に対する矜持は表社会のそれとはレベルが違うように感じられます。

 そりゃそうですよね。それをやらないと文字通り生きていけないんだから(笑)。

 行く先々でズラリと武器が飾られていたりするのも、助けてもらった相手を殺さないのも、ホテルのコンシェルジュが恐ろしく武器に精通しているのも、この『ジョン・ウィック』シリーズの闇社会なら当然のことなのでしょう。

 前作に引き続き、武器の説明を聞いて無言で「うむ」と頷くシーンにも思わずニヤリとさせられます。プロの中のプロ同士が分かり合える世界ですね。

 あとこれは内容そのものとは別ですが、時々画面にセリフのテロップが出てきて、さらに一部の文字がキーワード的に色付きで強調されているのも前作からの踏襲で「きたきたw」という感じでした。一度しか観ていないので覚えきれませんでしたが、

「PEACE」

「WAR」

「JOHN WICK」

 などのほか、

 

「PUPPY」

 

 も強調文字になっていました。これも「ですよねー!」っていう(笑)。

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