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映画『●REC/レック』シリーズ③『●REC/レック3 ジェネシス』──すっかり別モノだけど、悪くはない【1・2との関連についても】

投稿日:2019年4月11日

※上の画像が3と4になっていますが内容は3のみです。思ってたより長くなったので…

 

 「ジェネシス(=起源、創世記)というサブタイトルからして、シリーズものの映画によくある展開の「何作目かで作られる“事の始まり”ネタ」なのかな? と、普通は思うところですが、全然違いました(笑)。どの辺がジェネシスなのかさっぱり分からない、ほとんど番外編のような内容です。

 さらに前2作の特徴であった「狭く暗い空間で起こる恐ろしい出来事をPOV形式で描く」という設定も序盤に取り入れているのみで、途中(といってもこの視点の切り替わりはタイトルロゴの挿入と合わせてうまいなと思いました)からはある程度開かれた空間での逃亡&救出劇となっており、ノリもややスプラッター系のそれになっていて過去作と比べてだいぶ違ったテイストのものとなっています。もちろん主人公やその周辺の人たちも過去作とは無関係です。

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 と、ここまで書くとほとんど別モンの映画じゃねーか、というツッコミが入りそうですが、ある意味ではそんな感じですね(笑)。海外の映画サイトでの評価もやはり高いものではないようです。

 とは言え、映画自体は結構面白く、あくまで「番外編」として見れば全然いけます。笑いの要素が思いのほか多めだったのもスプラッタームービーっぽくて、この際開き直ってそれを楽しむというのが正しい見方なのかもしれません。

 

登場人物は基本的に前作との関連はなし

 REC/レック』『REC/レック2』に出てきた人物は基本的に誰も登場しません。その代わりに前2作との関連を匂わす描写がいくつか出てきます。

 舞台は前作と同じくスペインのバルセロナ。とある結婚披露宴の会場というおめでたい場所で、前作・前々作で起きた恐ろしい「感染(?)」が始まってしまうという物語。

 「誰かがカメラで披露宴の様子をずっと撮影している」という、そういった場には当たり前のように存在する要素をうまく利用して、そのカメラの映像越しにストーリーが展開していくというPOV形式が序盤の流れです。この辺は全くの別モノの内容ながら、『RECシリーズ』の設定をうまく引き継いだなという感じ。

 オープニングの「クララとコルドの結婚式」という、披露宴で撮った映像をあとでDVDにして贈りましたっていう風な画面がなんか笑えます。あれ、もしかして披露宴で流す映像のタイトル画面かな…とも思いましたが選択項目があるのでDVDのようですね。つーかあなた方はそんなもん作れないでしょ、っていう(笑)。

 その画像から切り替わって、新郎のコルド(ちょっとだけジョセフ・ゴードン=レヴィット似w)のいとこのアドリアンが撮影するカメラの映像となります。アドリアンの手が滑ってときどき参列者のおっぱいにズームしてしまうという手違いこそあるものの(笑)、幸せそうな新郎新婦と参列者との和気あいあいとしたひとときが映し出されていきます。

 

が……

 

過去作と関連する部分

カメラ

 まず序盤の、アドリアンとアトゥン(本格的な機材で撮影しようとしている太った男)との会話で出てくる「全部撮るよ」の台詞。『Rec/1・2』でアンヘラが言う「全部撮るのよ(Grábalo todo 違ってたらゴメンナサイ)」という台詞に被せてあります。まぁそれだけですが(笑)。

ペペ叔父さん

 そしてこの映画の惨劇の発端となるペペ叔父さん。ここに『Rec/1・2』との直接的な関連が現れます。

 

「病院で犬に噛まれてな」

 

 お前か。

 

 噛んだ犬とは『REC/レック』で起こった出来事の原因(大元の原因はもちろん屋根裏部屋のあれですが)となった、ジェニフェルちゃん家の犬のことではないかと思われますが、コミックの設定では動物病院で次々と他のペットを襲って感染が広がったようなので、もしかしたら別の犬なのかもしれません。

調査員

 新郎新婦の知人ではないのになぜかいる男、“調査員”と名乗ったので、コイツもREC/レック2』の神父のように「本当は事情を知っている男が裏の目的を持ってここにやってきた」キーマンなのか! と思わせといて、実は楽曲の著作権を調べにきていただけの男だったというオチが(笑)。日本でいうところの「ジャス何とかック」の人ですね。こういう遊び要素も3作目ならでは。

 なお、使えないキャラの割には登場シーンは比較的多め。

鏡に映った感染者と、神父の台詞

 クララと神父、それにパーティから抜け出してよろしくやってたために何も知らないラファとナタリーの二人(笑)を加えた4人で逃げる途中、二人の感染した女性が階段のところにいましたが、鏡に映った二人の姿が『REC/レック』『REC/レック2』に登場した全ての元凶・メデイロスのものとなっていました。

 するとそれを見た神父が「アルベルダ神父が正しかった!(Padre Albelda tenía razón!)」と言うではありませんか。

 

なぬ!?

 

 アルベルダ神父とは、悪魔憑きとなったメデイロスをあのバルセロナのアパートに連れていった男です。詳しくはREC/レック』『REC/レック2』について書いたこちら↓をご参照ください。

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 えっ、これって神父の間では伝え聞かされていることなの? 別に今回のこの神父を責めるつもりはないけど、だったら何か感染の被害が出る前に対策取るとか出来なかったのかよ…何から何まで後手後手じゃねーか。。。

 

細かいポイント

耳の遠いおじいちゃん

 コルドの祖父も参列していて、外で会話する場面などで何度か「おじいちゃんは耳が遠くて話をちゃんと聞き取れていない」ことについての描写がされています。なるほど、ちゃんとそういう設定を前半で出してきていたんですね。

アトゥンのサムズアップ

 コルドたちとの上下の位置関係などからターミネーター2かよw と思ったのですが、何だったんでしょうか。

 そもそも、あの厨房にあるものを使って地下に降りる穴の枠を何とか外せたのではないかな〜と考えたのは私だけでしょうか。

シャイニング風のカット

 神父と中央官制室に逃げたクララが、感染者が侵入しようとする寸前でドアを閉める場面で、感染者の手が閉めたドアを突き破り、クララが「ギャー!」と叫ぶシーン。

 画面の左側にドア、そして奥にクララがいるという構図で、破られたドアの隙間から手が出てくるのを見て絶叫するこのカット……もろにシャイニングじゃないですか(笑)。

コルドの装備

 教会の中にあった装飾品の鎧や盾、武具を身につけてクララ救出に向かうコルドですが、持ってる武器がRPGの初期段階の装備ではおなじみのモーニングスターなのがなんか笑えますw

 ってか昔の人は酷く残忍な武器を作るもんだよなぁ…

© 2012 - Magnet Releasing

クララの装備

 クララが地下道に入り、チェーンソー(これもスプラッタームービーではおなじみ)を持ってからはノリがすっかり変わってしまい、いささかやり過ぎな展開に(笑)。

 またこのとき一緒に逃げていた女たらしのラファは、ついさっきまでナタリーとイチャついていたくせに(そしてこんな状況であるにも関わらずw)隙あらば新婦であるクララをモノにしようとしますが、「気の毒に…」と抱きしめた手の動きが同情のそれとは全く違うところがさすが女たらしといったところでした。日本の草食男子は見習うべきなのかも…(笑)。

ラストシーン

 たとえ人間ではなくなってしまっても、二人の愛は永遠に……

 

って、んなわけねぇだろw

 

 とツッコミたくなるラストの無理めな純愛シーンではあるものの、結局救いようのないバッドエンドとなってしまうので、この二人の愛だけは悪魔憑きの力に屈しなかった、ということでいいんじゃないかな、と。。まったく、あんだけの修羅場をくぐり抜けてきたのにねぇ……

 

最後に

 さて、この後に『●REC/レック4 ワールドエンド』という、本家から直結する続編であり完結編?となる4作目があるのですが、一応今作の出来事も時系列的に踏まえたストーリーとなっています。

REC4
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 その4作目では、今作の「唯一の生き残りである人物」も登場します。…って言われると「あぁ、あの神父でしょ?」と考えそうですが、どうやら今作には出演していないキャラのようで、全く違う人でした。

 

違うんかいw

 

 となると、最後まで聖書の言葉を放送し続けて感染者の動きを止めていたあの神父さん、助からなかったのですね…。完全に隔離されちゃってるところからして、なんとなくどうなったか予想できないでもありませんが不憫なのでやめておきます。

 また、今作もREC/レック2』からの流れで、ウィルス的なものによるゾンビ化というよりも、悪魔憑きからの増殖といった解釈となっていますが、はたして『●REC/レック4 ワールドエンド』ではどうなるのか、気になるところです。

 というわけで、実は今回も書いてて具合悪くなってしまったのですが(笑)、頑張って次作の感想も書こうと思います。

 

<追記>アメリカでリメイクされた『REC: レック/ザ・クアランティン』とその続編『REC: レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの惨劇』も先日ようやく見て感想を書きましたので、よろしければそちらもどうぞ。

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三崎町三丁目通信の主筆・Kです(個人運営ですが)。映画の感想を中心に、趣味で続けているスペイン語学習(DELE A2取得で止まっています)と最近始めた英語学習のことなどを書いています。本業はフリーランスのグラフィック&エディトリアルデザイナー。びっくりするくらい将棋が弱いです。

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