【自力型アセンション?】映画『インターステラー』──「彼ら」とは誰のことか

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 以前から何度か「スピ系(スピリチュアル系)」の方々のブログや動画などでよく話題に上がっていたのを見て気になっていた映画『インターステラー』をNetflixで見てみました。

 なお、そのスピ界隈で今作がどのような感想を持たれていたかはほとんど覚えておりません(笑)。

 

 

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裏の意図を持った映画とは

 古くはS・スピルバーグの『未知との遭遇』のように、SF映画という「エンターテインメントとしてのフィルター」を通すことによって、人類にとって大変重要かつショッキングな情報を小出しに開示していくことで、いつかくる「本格的な情報開示」の際にパニックにならないよう、人々の潜在意識に植え付けて準備をさせておく──という意図を持った映画は数多くあります。(…と言われています。笑)

 この『インターステラー』も、ひょっとするとそういう役割を持った作品のひとつなのかもしれません。

 大ヒットした『マトリックス』シリーズなんて完全にそうでしょうし、この春に公開された『アベンジャーズ:エンドゲーム』で『アイアンマン』から続いたシリーズに一区切りをつけたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品の中にも沢山そういった要素は織り込まれていました。っていうかMCUの次のフェーズはそれらの盛り込まれ方はさらに加速するような雰囲気です。

 

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 『マトリックス』で描かれていたのは、マシンに支配された世界で、それに「気付いていない」人間は地下世界で培養される“マシンの動力源”であり、プラグに繋がれることで仮想現実の世界を見せられ、それを現実だと思って生きている(生かされている)──という設定でした。

 「マシンに支配された世界」という設定がいかにも非現実的でSFチックなために、他のSF映画と同じように単なるフィクションとして見てしまいがちですが、これは「マシン」という非現実な部分を核に持ってきてわざと「外している」のであって、この世界は仮想現実である──という部分が「情報開示」なのですね。

 個人的には「この世界は仮想現実である」という説は、半分は合っていて半分は違うと思っています。まぁ解釈とか捉え方の違いということなんでしょうけど、とりあえず一言でいうと「私たちが“私”と認識しているものの大元とか本質がいる世界は、この三次元の物質世界のことではない」ということです。

 またMCU作品でも『ドクター・ストレンジ』ではマルチバース(多次元宇宙)理論やアストラル界について、さらに『アントマン』シリーズでは量子の世界が物語の重要な要素となっており、量子力学の観点からこの世に存在する「物質」や「時間」といったものの概念を超越した先の次元が(コメディ要素満載で)描かれ、そして『アベンジャーズ:エンドゲーム』ではついに時空をも超えることとなりました。

 こういったものを人気のコンテンツに盛り込んで「慣れさせておく」ことが狙いなわけです。全く何の情報も知識もないところでいきなり別次元の扉が開くのを目にするよりも「まるで映画のようなことが現実に!」というワンクッションがあるほうがよっぽど冷静でいられるでしょうからね。

※別に私はヤバい人ではありませんのでご安心くださいw

 

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 このような「情報開示」は海外だけの話ではなく、日本から生まれたマンガやアニメの作品にも多数あるようです。というかむしろ日本の作品のほうがエグかったりします。

 例えば『AKIRA』で描かれる世界は、さんざん指摘されているように現在の世界(日本)とあまりにもリンクし過ぎていてただの偶然とは思えませんし『新世紀エヴァンゲリオン』に至っては「人類補完計画」の細かい部分も含めてもうガチすぎて怖いレベルです。どちらも80年代・90年代という、かなり以前に作られたものという点が余計に恐ろしい…。

 

 と、このまま書いていくと前フリが長くなりすぎて『インターステラー』の話に辿り着かなくなりそうなのでこの辺にしときます(笑)。

 これらの件はググれば沢山出てくると思いますので、興味がある方はぜひ調べてみてくださいませ。

 

 

全体の感想

 なんとなくこの手の映画は、愛情のゴリ推しとご都合主義、そして大切な仲間が犠牲になったというのに最後はハッピーエンド、大団円みたいになってしまうものが多い…という印象がありますが、今作の監督であるクリストファー・ノーランはそういった演出はしないタイプ(たぶん)ということもあって、家族との絆や愛情の描き方もベタベタにならずちょうどいい度合いになっていたように感じました。

 

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 また今作では実際の物理法則に則った部分と、現時点ではSFの世界の中だけの概念が入り混じっているので、それらをうまく組み合わせていかないと「よくある何でもアリのSF映画」になってしまいそうなこともあり、そのへんはシンプルかつ無駄の無い構成となっていたようです。

 そしてマーフの部屋で起きた不思議現象がどのように物語と関わってくるのかについても、時間軸こそやや複雑ではあるものの結局は父と娘の深い「親子愛」がそこへ辿り着いたということが分かると、この壮大な人類救済のミッションが実は非常に狭いピンポイントな部分で繋がった「点」と「点」の結び付きが導いたものであったことに気付きます。

 ワームホールによって繋がれた別の銀河系でも「正解」である惑星はたったひとつしか存在せず、また超巨大なブラックホールの中でも辿り着くべき場所は「特異点」のみであり、そこから行ける人類を救うための場所はなんと「娘の部屋の本棚の奥」だった──という、マクロとミクロが融合して点と点を繋いだ「メビウスの輪」のようなひとつのタイムラインが、この人類救済の物語であったわけです。(この「タイムライン」については後述します)

 

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サブキャラたちについて

 今作でまず「素晴らしい!」と感じたのは、TARSやCASEたちロボットの形状です。

 あのような形状はどこかで見たような気もしなくもないですが、とにかく実用性という面で完全に理に適ったものとなっており、これだけで拍手モノでした。またTARSとクーパーの関係も、物語が進むにつれて男同士の熱いものが感じられるようになっていたのも良かったです。

 あとオープニングで老人女性が数人インタビューを受けている映像が流れますが、「Language Learning with Netflix」の字幕ではそれぞれ「WOMAN 1」「WOMAN 2」といった表記だったためにやや分かりづらかったのですが、最初の女性が晩年のマーフだったのですね。(まぁ台詞の内容をちゃんと聞いていればマーフだと分かるのですが、どうも出だしは集中力が欠けているようで…w)

 そして何といっても氷の惑星で待っていたマット・デイモン演じるマン博士。あんな最悪な行動(気持ちは分からなくはないけども…)を取ってしまう「心が折れてしまった宇宙飛行士」役だった今作の翌年に公開された『オデッセイ』では、火星にひとり残され救出は絶望的とされながらも、不屈の精神とポジティブ思考、そして植物学者としての知識とアイデアをもって生き延びた「心の強い宇宙飛行士」役を演じていました。似たような設定でずいぶんとまぁ真逆な役を立て続けにやったものですね(笑)。

 ちなみに大人になったマーフ役のジェシカ・チャスティンも、この『オデッセイ』でともに火星でのミッションに向かった宇宙飛行士役として出演しています。

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『オデッセイ』では不屈のヒーロー役だが…

 

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