“You shouldn’t trust him.”という台詞は、対面中に停電になったときにエヴァがケイレブに言ったもの。AIが放つ言葉というだけで十分怖いものがありますが、はたしてそれだけでしょうか…
タイトルについて
タイトルの『エクス・マキナ』(原題『Ex Machina』)はラテン語で「機械によって」という意味──とのことですが、最初に映画の情報が出たときにはスペインの映画なのかなと思いました。
スペイン語はフランス語やイタリア語、ポルトガル語、ルーマニア語と同じくラテン語から発達していった言語で、スペイン語で「機械」は綴りも同じく「Machina」、そして読みも同じく「マキナ」です。
で、英語と同様にスペイン語でも「ex」は「元」という意味なので「元・機械」とかそういう意味で、進化が進んで機械以上のものになってしまった、みたいな話かなと思っていたわけです。まぁそれでも内容には合っていたようですが…
ちなみに、スペイン映画で同じくAIを扱った『EVA<エヴァ>』というタイトルの作品があり、内容は大きく異なりますがこちらも良作です。(というか私はこの『EVA<エヴァ>』のほうが好きです)主演は『ラッシュ/プライドと友情』のニキ・ラウダ役や『イングロリアス・バスターズ』での狙撃の名手役、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で事件の黒幕である悲しき復讐犯役を演じたダニエル・ブリュール。
4人(?)の登場人物
アリシア・ヴィキャンデル(エヴァ)
主演のエヴァ役は今年公開された『トゥームレイダー』のリブート『トゥームレイダー ファースト・ミッション』でララ・クロフトを演じたアリシア・ヴィキャンデル。個人的には「マイケル・ファスベンダーの彼女、そして今の妻」という印象が強かったのですが、この『エクス・マキナ』を見てみると、なるほどたしかにこれば美しい…と思いました。“人間ではないもの”としての、つまり人間として生まれ、時間と経験とともに成長して今こうなってます、という感じが全くしない“作られた無垢さ・幼さ”みたいなものをよく体現できているなぁと思いました。だからこそ怖いのかもしれませんね。
ドーナル・グリーソン(ケイレブ)
もう一人の主演、ケイレブ役は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『〜/最後のジェダイ』でファースト・オーダーの将軍役でおなじみのドーナル・グリーソン。アリシア・ヴィキャンデルとは『アンナ・カレーニナ』で、オスカー・アイザックとは上記の『スター・ウォーズ』2作で共演していますね。
オスカー・アイザック(ネイサン)
エヴァを造った天才プログラマーのネイサン役はオスカー・アイザック。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『〜/最後のジェダイ』で反乱軍のパイロット、ポー・ダメロンを演じていますが、『X-MEN:アポカリプス』ではアリシア・ヴィキャンデルの亭主マイケル・ファスベンダーを従えるアポカリプス役を演じました。こんなところにも繋がりが(笑)。ってかネイサンがオスカー・アイザックだったことを見終わってキャストを確認するまで気付きませんでした…
ソノヤ・ミズノ(キョウコ)
謎めいた女性・キョウコを演じているのは、今作が映画初出演となったソノヤ・ミズノ。日本人の父とイギリス人の母との間に生まれた日系イギリス人のモデルで、今作以降、『ラ・ラ・ランド』をはじめ映画やドラマで活躍している女優です。10代の頃ずっとバレエをやっていて、バレリーナとしても活動していたとのことで、ネイサンと一緒に踊るシーンでは唐突ながら(笑)キレのあるダンスを披露しています。2018年9月下旬にNetflixで配信されたドラマ『マニアック』で、またもエマ・ストーンと共演していますが、こちらではやや微妙な日本語を聞くことができます(笑)。
また彼女はケミカル・ブラザースの『Wide Open』という曲(ボーカルはベック)のMVに出演していますが、バレリーナとしてのスキルと女優としての演技力を存分に発揮している、非常にカッコいい映像となっています。
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