【ジム・ジャームッシュ監督作】映画『デッド・ドント・ダイ』──思いのほかロメロ風味【DDD】

ENTERTAINMENT

スティーヴ・ブシェーミ(フランク)

 スティーヴ・ブシェーミとジム・ジャームッシュはかなり昔から親交があるのはよく知られているところです。どちらもNYインディー映画界を代表する存在であり、ジャームッシュ映画への出演のみならず、スティーヴ・ブシェーミの主演作にジャームッシュが出演したりもしています。

 そういえば…と思ってスティーヴ・ブシェーミ主演の『イン・ザ・スープ』(日本公開は93年)のパンフレットを見てみたら、ジャームッシュが胡散臭い映画プロデューサー役で出ていたのを発見しました。たしか出番はちょっとだけだったはず。

 ってかこのパンフの表紙に印刷されている「シネ・ヴィヴァン」のロゴの懐かしさといったら……。夜の六本木なんてほとんど縁のない生活でしたが本屋と映画館とCD屋があったあの一角だけはよく行ったものです。。。

 なおこの『イン・ザ・スープ』には“シャルドネ・ゾンビ”役のキャロル・ケインも、ジャームッシュと一緒にいる女の役で出演しています。

© 2019 Image Eleven Productions, Inc.
こうして見るとさすがに年をとりましたね…

イギー・ポップ(コーヒー・ゾンビ(男))

トム・ウェイツ(森に住む世捨て人・ボブ)

 このふたりは説明不要かと思いますのでもろもろ割愛します(笑)。イギー・ポップは年をとってますますこういう役が似合うようになってきたような気が(笑)。

 トム・ウェイツは今回、髪もヒゲも伸びっぱなしで『猿の惑星』にでも出てきそうな風貌になっていましたが、それでもすぐにトム・ウェイツと分かるところはさすがの存在感。なにげに今作ではストーリーテラー的な役割を担っていて、さらに最後まで生き延びた(と思われる)数少ない住民のひとりでもあります。

ダニー・グローヴァー(ハンク)

 ジャームッシュ作品は今回が初とのことですが、やはり私のような中年世代にとっては『リーサル・ウェポン』シリーズでのメル・ギブソンの相棒役の印象が一番強いことでしょう。

 今回はボビーと金物屋に籠城するも、ゾンビたちの侵入を許してしまい店内で襲われてしまいました。どうせなら便器に座っているときに襲われてたら面白かったのに…

© 2019 Image Eleven Productions, Inc.
ビルボだのフロドだのと言われていますが…

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(ボビー)

 ガソリンスタンドの雑貨屋で働く映画オタクのボビーを演じていたケイレブ・ランドリー・ジョーンズは『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』で口から振動波を発して空を飛ぶミュータント、ショーン役だった人。なるほど、そう言われてみれば…。こちらもジャームッシュ作品は今回が初だそうです。

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サラ・ドライバー(コーヒー・ゾンビ(女))

 ジム・ジャームッシュのパートナーでもあるサラ・ドライバー。オープニング・クレジットで名前が出ていたので誰の役なんだろうと思って一応気をつけて見ていたものの、結局判らずにエンド・クレジットで確認するとFemale Coffee Zombieと書いてあって、そこでようやく分かりました()

 なんか服装が若かったから30代くらいの女優なのかと思ってたんですが、設定的にもイギー・ポップ扮するコーヒー・ゾンビ(男)とカップルだったんですね。

 それにしてもあの左手は、生前(っていうか死んだとき?)に怪我でもしていたせいで後頭部にあてがったまま動かないのかと思っていたら、ダイナーではふつうに両手を使って食事(笑)して、それが終わったらまた元に戻すというよく分からない動きを見せていました。それとも他に何か意味があるのでしょうか。。

セレーナ・ゴメス(ゾーイ)

 今作で唯一の若くて可愛い女の子枠(少年拘置所の子たちは誰か分からないし)のセレーナ・ゴメスだったのに、まさかあんな扱いになってしまうとは。。。しかもロニーは結局ゾーイの生首をポイッとぞんさいに投げ捨てて帰っていくという(笑)。なにげにグロい描写で見ていていい気はしなかったのですが、こういうのもあちらの人たちは平気なんでしょうかねぇ…。

 雑貨店のシーンでは、ボビーを軽くバカにするような態度をとっていた男二人に対して、彼の映画の知識に感心したりと終始優しく接していたゾーイ。車に戻るところで唐突にキラキラエフェクトが出ていたのが気になったんですが、なんでこのシーンだけこんな演出が(笑)。個人的にはロニーの「台本が云々」という、“これが映画であることを映画の中で言ってしまう”ネタ以上に気になってしまいました。

© 2019 Image Eleven Productions, Inc.
「名言」に詳しいのはヒップホップ・アーティストならでは?

RZA(ディーン)

 ガソリンスタンドに立ち寄る配送業者のディーン役のRZAはヒップホップ・グループ、ウータン・クランのリーダー。ジム・ジャームッシュ監督作では『コーヒー&シガレッツ』への出演と『ゴースト・ドッグ』では出演のほか音楽も担当しています。

 まぁでも…なんつーか『コーヒー&シガレッツ』って……雰囲気だけの映画ですよね(笑)

 他の映画への出演も多く、最近だとアナ・ケンドリック主演のコメディ映画『バッド・バディ! 彼と私の暗殺デート』にも出ていました。この『バッド・バディ! 彼と私の暗殺デート』のもうひとりの主演はサム・ロックウェルなのですが、サム・ロックウェルも先述の『イン・ザ・スープ』にほんのちょっとだけ出演していたりいます。

映画『バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート』【修正版】
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シャーロット・ケンプ・ミュール(ファッション・ゾンビ)

 モブ的なゾンビでありながら、なかなかに印象的なキャラだった「ファッション・ゾンビ」役の人は、モデルでシンガー・ソングライターでもあるシャーロット・ケンプ・ミュール。

 ショーン・レノンと付き合っているそうで、その影響もあってか日本語の語学力が高く(どれくらいかは不明)親日家なのだそうです。(Wikipediaより)

 ちなみに身長は176cmとのことですが、お相手をしてあげた(笑)ティルダ・スウィントンが身長180cmで、ミンディ役のクロエ・セヴィニーは170cmと高身長の女性ばかりですね。まぁビル・マーレイもアダム・ドライバーも背が高い(それぞれ187cm・189cm)ので全然そのことに気がつきませんが(笑)。なおセレーナ・ゴメスの身長は165cmだそうです。

 なんか役に立つんだろうかこの情報w

 

その他、ちょっとしたこと

 思いのほか出演者についての情報が長くなってしまい疲れたので(笑)、その他の話題については少しだけ…

 というか何度も見直すことが出来る録画や配信での鑑賞とは違って、映画館での鑑賞では見落としていることや観てるときには気付いたけど忘れてしまったことって結構多いんですよね。。とくに今回は画面の中の情報量が多かったように思うので、あとから何回か見直してやっと気付いた、ということがいろいろ出てきそうな気がしています。

都会からきた若者たち

 モーテルの主人ダニーは、ゾーイたち3人を「ピッツバーグから来たんだろう」と言っていました。

 ピッツバーグといえばジョージ・A・ロメロ監督が長年暮らしていた街であり、さらには『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』の舞台でもありますね。

 ですが車のナンバーがオハイオ州のものであることから、ロニーは彼らを「クリーブランドから来たのでは」と推測していました。

 オハイオ州で最大の都市は州都のコロンバスで、クリーブランドは州第2の都市だそうなのでどうしてコロンバスとは思わなかったのか? と気になりましたが、その辺はパンフレットに書いてありました。

 クリーブランドといえば、パンフの解説でも触れられていましたが『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の舞台(のひとつ)となった場所だから、ということのようです。男2人に女1人、アメ車、モーテル……そう言われればリンクするところが結構ありますね。

 

あれ、じゃあもしかして乗ってる車も同じだったりする?

 

と思って調べてみたらそれは違ったのですが、パンフに書いているところによれば、ゾーイたちが乗っている車はなんと『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』で墓参りに行った兄妹が乗っていた車と同じだそうです。なるほどー!

ゾンビの呼称

 ゾンビ化した死者たちのことをロニーが「グール」と呼んでいる場面がありましたが、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』でもゾンビたちのことをそう呼んでいます。

 この「グール=ghoul」とは「墓場荒らし」「(墓の死体を喰らう)悪鬼」などの意味だそうで、昔からダンジョン型RPGやアドベンチャーゲームなどでアンデッド系のモンスターとして登場していたので、中年世代にはそういうキャラとしてのイメージが強いのではないでしょうか。

 最近では『東京喰種トーキョーグール』でこの呼び名を知った、という人も多いかもしれませんね。

宇宙かよw

 ゼルダがロニーのキーホルダーを見て「スター・ウォーズなのね」という場面はもちろんアダム・ドライバー=カイロ・レンということからくる小ネタでしょうが、まさかそこに他の意味もあったとは(笑)。

 

あんた宇宙人だったんかいw

 

 ってか何が目的だったのかも最後までさっぱり分かりません。もちろんなぜ日本刀を使った剣術に長けているのかも全くわかりません。でもさほど気にならないんですけどね(笑)。

 あ、あと先ほどセレーナ・ゴメスのところで、唐突に使われるキラキラエフェクトについて書きましたが、ゼルダが2人の死体にメイクをしているシーンで、死体がゾンビ化して目を開くときに効果音が鳴るのも、キラキラエフェクトと同様、映画のなかでの数少ない「遊び」要素だったのかなぁと。予告編ではこのシーンがなかなか活きていて「テンポがよくて笑える映画」という印象を与えるのに役立っているように感じました。

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