三崎町三丁目通信

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映画『ミッション:8ミニッツ』(ネタバレ&考察)──タイムリープ系の良作①【図説入り】

投稿日:2018年8月8日

 

 今回取り上げる『ミッション:8ミニッツ』は、2011年公開・ジェイク・ギレンホール主演のいわゆる“タイムリープ系”の映画で、「過去のある時間に何度も戻って現実を望む結果へ変えようとする」系のお話(ちなみに「タイムリープ」は和製英語だそうなので「タイムループ」が一応正しいようです)。個人的には、このジャンルの数ある映画の中でも結構好きな作品のひとつです。

 

 日本では映画に限らず、かなり好まれるジャンルのようですが、アメリカ映画でもコメディからSF戦闘もの、恋愛系など様々なタイプがあります。その中から個人的に好きなものを3点+あと1点挙げるとこんな感じです。他に大事なものを忘れているような気もしますが、すぐ思い出せるものだとこんな感じです。なお『エターナル・サンシャイン』は世間の評価ほど好きではないです。

 

『ジャケット』2005年/エイドリアン・ブロディ、キーラ・ナイトレイ主演)

 

『ミッション:8ミニッツ』(2011年/ジェイク・ギレンホール、ヴェラ・ファーミガ主演)

 

『バタフライ・エフェクト』(2004年/アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート主演)

 

【次点】

『12モンキーズ』(1995年/ブルース・ウィリス、マデリーン・ストウ主演)

 

 

 というわけで『ミッション:8ミニッツ』ですが、この作品は「ヒトの脳の中に残っている“最後の8分間の記憶”に、別の人間の脳を接続させ、その8分間の世界に入っていくことで、その世界を追体験できる(しかも現実にはなかった別の選択をすることも可能)という、軍が開発したテロ撲滅のためのプログラムを使って、過去のとある8分間を何度も経験しながら爆破テロを防ごうとする男の話です。

 

 なかなかよく出来た面白い映画なのですが、“タイムリープもの”なので理論上の無理があるのは仕方がない、ということを考慮してもそれでも辻褄が合わない箇所があるので、ここでは主にその点をメインに書いていこうと思います。ややこしいので図説も作りました(笑)。

 

 

 

あらすじ

 

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 アフガニスタンで任務に就いていたアメリカ陸軍パイロットのスティーブンス大尉は、あるとき目を覚ますと全くの別人になっていてシカゴ行きの列車に乗っていた。クリスティーナという女性と一緒にいて、所持していた身分証によると自分は教員で、ショーンという名前のようである。そしてその列車が突然爆発したところで、今度はスティーブンス大尉自身としてまた目を覚ます──。

 

 自分は今、軍用機内のカプセルらしきものの中にいて、モニター越しに女性の空軍大尉グッドウィンから、新たに開発されたプログラムを使い、テロによって爆破された列車で亡くなった男性の脳に残っている爆発までの8分間の記憶に脳を同期させ、その8分間の世界に入り込んでテロの犯人を探すミッションの最中なのだ──と告げられる。

 

 爆破、列車に轢かれる、銃で撃たれる、など、何度も何度も「死」を体験させられながらも真犯人を突き止めることに成功。そしてスティーブンス自身が実際には2ヶ月前にアフガンで重傷を負い、上半身のみの身体となって生命維持装置にかけられていることを知る。軍がテロを防ぐために開発した新しいプログラムの被験者として、無理矢理生かされた状態のまま、他人の意識の中で「何度も殺されながら」犯人を突き止める任務を負わされていたのである。

 

 

 スティーブンスは「犯人を見つけ、次のテロを防ぐこと」を条件に自身を死なせて欲しいと責任者のラトリッジ博士に願い、許可される。

 

 そしてついに犯人を見つけ、捕まえることに成功したが、このプログラムの有効性が立証されたことで博士は約束を破り、スティーブンスを今後もプログラムに利用しようとする。

 

 スティーブンスは、たとえ現実には変えることのできない過去の記憶内の世界であっても、せめて乗客を救いたいのでもう一度だけあの8分間に戻してほしい、そしてその8分が終わったところで自身の生命維持装置を外してほしいと、グッドウィン大尉に懇願する。

 

 最後の8分間でスティーブンスはすべきことを全てやり終え、グッドウィンに一本のメールを送り、クリスティーナとキスをしたところでその瞬間が訪れる。スティーブンス大尉の生命維持装置はグッドウィンによって外され、現実世界でのスティーブンスは死亡するが、列車にいたショーンの身体に入っていたスティーブンスは生きていて、クリスティーナとともに列車を降り、シカゴのミレニアム・パークへ行く。そこの鏡貼りのモニュメントに映るのはショーンの姿だが、この新たに発生した平行世界では、スティーブンスはショーンの身体で生き続ける。

 

 

 同じ頃、軍の基地に出勤したグッドウィンに一通のメールが届く。それは列車の中からスティーブンスが送ったもので、「今日のどこかで君は列車爆破テロが失敗に終わったことを知るだろう。それは俺と君とで阻止したんだ。そこの施設のどこかにスティーブンス大尉という男がいる。彼の力になってほしい。そして「きっとうまくいく」と励ましてやってくれ──というものだった。

 

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8分間の世界」に登場した人物と、事件との関わりなど

 

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 物語に大きく関わってくる重要な人物は少ないのですが、それなりに登場人物が多いので、何度も登場する列車内にいた人々とその行動、事件との関わりについて解説します。

 

 ちなみにこの確認作業をしている中で、偶然編集ミスを発見することになりました(笑)。

 

 

クリスティーナ

→会社をサボらせ、列車を降りてコーヒーを飲みに行く(そしてスティーブンスはショーンの身体で新しい人生を送る)

 

缶ジュースらしきものを開ける男

→最後までとくになにもせず。座席はスティーブンスたちと書類を落とした女性たちの間

 

スティーブンスの横を通り過ぎる、コーヒーをこぼす女性

→トイレの側の座席にいる。通り過ぎてからはとくに関与せず

 

10分遅れていることにイライラしている男性

→座席はスティーブンスたちと通路を挟んだ隣。最後のコメディアンに芸をさせるきっかけとなる

 

タブレットを見ている2階席の男性

→途中の駅で降車。編集ミスで瞬間移動していますw

 

ケータイで話をしているヒゲの若い男

→爆弾についていた起動用のケータイでリダイヤルしたところ、たまたま通話中だったため犯人に間違われる

 

ヒゲの男の後ろに座っている眼鏡の男性

→スティーブンスがトイレに入った後で入れ替わりにトイレに入る男。途中駅で降車後、乗り物酔いでトイレにいるところが不審に見られ、犯人と間違われ駅でスティーブンスとつかみ合いになる

 

切符を確認しに来る車掌

→銃や手錠を盗まれたりと、アイテムホルダーとして関与w

 

車掌に嫌味をいうスタジャンの男(オーディション番組に出ていたコメディアン)

→最後にみんなを笑顔にする大役を果たす。事件には関与せず

 

通路で女性とぶつかってしまい書類をまき散らし、それを拾う女性自転車乗りの若い男

→女性は事件に関与しないが、最後のコメディアンのシーンで連れの女性とともになかなかの美人であることが判明w

 

「ウォルター・リード陸軍病院」の鞄を持った2階席の年配女性

→エンブレムを元に、ミッションが行われている基地がどこにあるのかをスティーブンスに教える重要な役割を果たす

 

爆弾犯デレク・フロスト

→自分も列車で死んだように見せかけるため、途中駅で降りる際にわざと財布を落とすも、自転車乗りの若者が財布を広い、デレクに渡す。その後もう一度列車に財布を置いて降車

 

 

 

編集ミス/タブレット男のタイムトラベルw

 

 

 自転車乗りの若者(スティーブンスに場所を聞かれて「シカゴだよ」と答えた男)がデレク・フロストに財布を届けたあと、列車内にあった自分の自転車を運ぶため、一度列車に戻ります。

 

 このとき出入り口の階段部分で、2階席にいたタブレットの男とすれ違い、タブレット男は列車から降ります。そしてそのすぐ後に、車内に戻って自転車を引き出そうとしている若者が映りますが、その前をたった今列車を降りたはずのタブレット男が通り過ぎていくのが映り込みます(笑)。

 

 一瞬なのでほとんど誰も気付かないレベルの編集ミスで、もちろんストーリーにも何の影響も出ません(笑)。

 

 

帰還するときにフラッシュバックする残像

 

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 最初に体験した爆破からスティーブンスが帰還したときに見えた残像の中に、クリスティーナと一緒にミレニアム・パークのモニュメントへ歩いていく場面が出てきます。後ろ姿なのではっきりとは分かりませんが、映画のラスト付近で二人がモニュメントの前に並んで立つシーンで、鏡に映るショーン・フェントレスの体型とスティーブンスの体型を照らし合わせて考えると、男はショーンではなくスティーブンスのように見えます。また列車爆破を防いだあとにここへ向かった二人は手を繋いで歩いていますが、この残像では二人は手を繋いでおらず、やや距離を取って歩いています。

 

 

 この残像は何を意味するのでしょうか。ショーンは列車爆破で死んでしまうので、二人でこの日にここへ向かう記憶は持っていません

 

 

 とするとこの残像はスティーブンス自身の記憶と考えられますが、「最初の帰還」でフラッシュバックしたものなので、犯人を見つける任務のどこかで体験したもの、ということでもなさそうです。(そもそも爆破を回避したあとの出来事なので)

 

 

 そうなると、考えられるのは2つで、ひとつは「プログラムがもたらす力によって、未来の映像が時間を遡ってフラッシュバックした」可能性。そしてもうひとつが、「時間がループしているため本人は気付いていないが、このプログラムによって過去にその行動を既に経験している」可能性。

 

 

 ただし後者の可能性だとした場合、過去に干渉したことで未来が変わり、そのときに辻褄が合わない矛盾=タイムパラドックスが発生します。これについて、次のページで説明していきます。

 

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三崎町三丁目通信主筆・K

三崎町三丁目通信の主筆(個人運営ですが)をしておりますKです。映画の感想を中心に、趣味で続けているスペイン語学習(DELE A2取得で止まっています)と最近始めた英語学習のことなどを書いています。本業はフリーランスのグラフィック&エディトリアルデザイナー。びっくりするくらい将棋が弱いです。

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