映画『パシフィック・リム:アップライジング』(ネタバレ)──面白いけど今作はかなりキッズ向けの方向に

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思った以上にエヴァでした

 

 セイバー・アテナの造形以外にも「エヴァかよw」っていう設定・場面が登場します。

 シャオ産業が開発したドローン・イェーガーの、

 

量産型で無人という設定

白いボディカラー

突如暴走し人類の脅威となる行動をとる

 

といった辺りは、まんま旧劇場版『Air/まごろろを、君に』の量産型エヴァだし、基地で暴走したドローン・イェーガーとの戦いで大破したイェーガーの頭部が目の前に落ちている絵面は、第拾九話『男の戰い』で、シェルターから飛び出したシンジ君の目の前に現れた弐号機の頭を連想させるものでした。

 

 もっというとKAIJUに操られているオブシディアン・フューリーも、使徒に乗っ取られた四号機みたいでしたし、父親に認められたい・見返したいと思うパイロットと、親をKAIJU(使徒)に殺された女の組み合わせ、決戦の場となった「東京」も、現実の東京とはだいぶ異なる見た目だったのと(まぁ未来の話なので違いは自然な流れでしょうけど)、富士山にやたら近いというのも第三新東京市(箱根)みたいな設定かしら、なんて思ったりしました。

 こうなるといっそのことロシア人訓練生・ヴィクトリアの髪の毛は青にして欲しかったです(笑)。キャラ設定は全然違うけど。

 

KAIJUとの戦い

 

© Legendary 2018. All Rights Reserved.

 

 今作で登場する裂け目から出てきたKAIJUは、シュライクソーンハクジャ、そしてライジンの3体で、前作同様、名前や造形に日本の特撮モノの影響が強くみられます。あまり詳しくありませんが、造形的には東宝じゃなく大映の怪獣に近いような…。さらに仕込んであった『マトリックス』シリーズのセンチネルみたいな小さいKAIJUがうじゃうじゃ出てきて合体し、最終的にラスボスのメガ・カイジュウとなります。

 

 これらのKAIJU(とオブシディアン・フューリー)との戦いは今作もカッコよくて、吹っ飛ばされたときに両手のチェーンソードを両脇のビル群に引っ掛けて勢いを止めたり、KAIJUにチェーンを持たれて周りのビルをなぎ倒しながらブンブン振り回されるところなど、都市での決戦ということをうまく活かした豪快な表現となっています。

 前作での香港での決戦も、タンカーでぶん殴ったりしてなかなか面白かったんですが、今作でもビルを利用してKAIJUの動きを止めたりして、見方を変えると「あばばばば…それ1棟○○億円なんだけど…」と青ざめてしまいそうな切符のいい戦い方をしています(笑)。まぁそんなのは特撮モノの世界では当たり前なんですが。

 

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いい意味でキッズ向け

 

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 往年のロボットアニメや特撮ヒーロー物が大好きな大人への訴求ポイントがぎっしり詰まった作品なので、もちろん大人が見ても楽しいのですが、大人がこれを1本の映画として見た場合、ちょっと軽さが目立つ内容だったように感じました。

 

 前作ではしっかり描かれていた、仲間同士の絆や人間関係といった部分や、それを描いたうえでの命の尊さだったり、戦いに勝利するまでに失ったもの・犠牲となったものの重さといったところが今作ではほとんど描ききれていませんでした。

 

 第1世代であるが故に、脱出機構を備えていないイェーガーであるチェルノ・アルファで戦い、そして死んでいったロシア人夫婦のパイロットや、自らの命と引き換えにジプシー・デンジャーに後を託した、ストライカー・エウレカに乗る“英雄”スタッカー・ペントコストのような描写がありません。誰も死んでいない、というわけではないのに、その犠牲の扱いがあまりにも軽いのです。それは各キャラの関係や絆といった部分の描写が足りないこともその「軽さ」に繋がっているのだろうと思われます。

 

 ただし、これは大人が一映画として見たときに「うーむ」と感じるものであって、ちびっ子たちがこれを見て地球を救うヒーローに興奮し、憧れるための映画だと考えたら何も間違ってはいない──と思っています。

 

 自分がかつて『スター・ウォーズ 新たなる希望』を劇場で見て大興奮し、ライトセーバーやフォースの真似事をして成長していったことを思えば、全世界のキッズのための映画として、きっとこれくらい分かりやすくしたほうが良いのでしょう。

 とはいえ、マコの送信したメッセージの解読があれだけ勿体つけた割には随分簡単だったなw、という点や、ジェイク・ネイサン・ジュールスの三角関係?も結局なんだったのかよく分からない、といったツッコミもないこともないのですが(笑)。

 

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