映画『ブラック・パンサー』(ネタバレ) ──最初から色々背負わされている

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 映画の日に公開されるとあって、さっそくIMAX 3Dで観てまいりました『ブラック・パンサー』。今回も勝手に自分が予想していたイメージとはだいぶ違い、アフリカ感がかなり強めな映画となっていました。

 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でブラック・パンサーはすでに登場しているので、少なくとも『シビル・ウォー』を見た人はワカンダがどのような国であるか、ある程度知っている前提となりますが、個人的には「ヴィヴラニウムと驚くべきテクノロジーで栄華を誇るワカンダは、アフリカにありながらも人も文化も全てが先進的・都会的な国」として描かれるものかと想像していたのですが全く違っていました。

 白人中心の文化に対抗して「自分たちだって、ってかむしろ自分たちのほうがこんなにすごいんだぜぇぇぇ」的なファンタジーを持ってくるのかと思っていたら、自分たちのアイデンティティ(部族、戦士、自然、生命、そしてリズム)をがっつり出してきていました。

 ティ・チャラとエムバクが闘う儀式のシーンでは、前のめりになったティ・チャラがその体勢から側転するような動きで蹴りを入れていましたが、あれってカポエイラの蹴りではなかったでしょうか。

 カポエイラとはブラジルに奴隷として連れてこられたアフリカ人が、抵抗することを許されず武術も全て禁止されていた中で、ジンガの踊りに見せかけて伝承していった格闘術ということで、きっとあの場面であの動きが使われたのでしょう。

 パンフレットに載っているティ・チャラ役のチャドウィック・ボーズマンのインタビューでも「本格的なアフリカの動きやアフリカの武術を絶対に取り入れたかった」と語っています。

 そういえば儀式のシーンで、山に住むジャバリ族のエムバクが「猿神ハヌマンがどうのこうの」と言っている場面がありましたが、ハヌマーンってヒンドゥー教の猿族の神ですよね。むかーしウルトラマンの映画にもハヌマーンが出てきましたけど、アフリカと繋がりがあるのでしょうか。勉強不足でわかりません。。

 またパンフレットによると、ワカンダ人が話している言語は実際に存在するものであり、南アフリカ共和国の公用語のひとつで、ネルソン・マンデラや、ティ・チャカ前国王役のジョン・カニの母語でもある“コサ語”とのことです。てっきり映画用のなんちゃって言語かと…。

 

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気になる人にはとっても気になる部分…

 

肩がもともと低めというのもあるのでしょうが…
© 2018 Marvel

 

 ストーリーとは全く関係ありませんが、主人公ティ・チャラの身体、ブラック・パンサーのスーツがよく映えるいい筋肉の付き方をしてましたよねぇ…。

 『シビル・ウォー』のときからあのちょっと斜めに構えたような佇まいが様になってるなぁと思っていたのですが、やはり何がいいって僧帽筋ですよ。

 他の映画の記事でも書きましたが、自分は僧帽筋が付きにくいのが悩みで、ここの筋肉のあるなしで服は似合わなくなるし、見栄えもグッと変わってくるので人の筋肉を見るときに結構気にしている部位でもあります。(※僧帽筋とは首から肩にかけての筋肉で、この筋肉がないといかり肩になり上半身のバランスが非常に悪いうえ、貧弱に見える)

 キルモンガー役のマイケル・B・ジョーダン(『フルートベール駅で』『クリード チャンプを継ぐ男』などでおなじみ)もすごい筋肉で文句の付けようがないんですが(ただしあの“印”はグロくてきつかった…)、ティ・チャラのほうがより僧帽筋が厚くて個人的には憧れる肉付きでした。

 

 

アベンジャーズとの絡みは?

 

 昨年の『スパイダーマン ホームカミング』は、同じくマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品としてのデビュー作でしたが、話の流れ上アイアンマンが度々登場していました。が、今回の「ブラック・パンサー』では物語中にアベンジャーズは誰も出て来ず…。もちろん最後に誰かがちらっと登場、といういつもの展開はありましたが、話に誰も絡んでこない分、余計に「ワカンダの物語」というニュアンスが強くなっていて、そういうところでも最初に書いた“アフリカ感”が強調されていたのかもしれません。

 
………ん??

 

 あれ? はじめのほうで『シビル・ウォー』での真犯人であるジモが捕まったニュースが流れていた場面がありましたが、そのことから今回の『ブラック・パンサー』はほとんど『シビル・ウォー』の直後あたりと思われる時間軸のはずですが………

 
キャプテンたちをワカンダに匿ってましたよね?

 

どこ行った? キャプテンどこ行った?

(映画『キャノンボール』での桃色神父wコンビ、ディーン・マーティンとサミー・デイヴィス・Jr.の「神様どこだ?」のやり取り風に ※もちろん吹き替え版)

 

 今作での大きなテーマというか、ブラック・パンサー(とワカンダ)が背負わされている世相のようなもののひとつに、

「自分たちの国だけが良ければいいのか、外の苦しんでいる人々を受け入れるべきではないのか」

 といったものがあり、ティ・チャラは「国王として国を守るべきか、それともヒーローとして世界を救うべきか」で大いに葛藤していたという設定とちょっと合わなくなってきます。なぜなら映画の最後に結論を出す前から「外の者」であるキャプテンたちをワカンダに匿っているわけですし。

 『シビル・ウォー』も、同じマーベルの『LOGAN』あたりも現代の世相、というかアメリカが抱えている社会問題なんかをかなりダイレクトにぶち込んできていましたが、『ブラック・パンサー』は(主役としては)デビュー作でありながら最初から相当デカいものを背負わされていますね。国王という立場だから尚更直結してくるのでしょう…。あとはもう言わずもがなの人種問題については、日本に暮らしている日本人としての立場上、無責任なことは言えないのでここでは何も言いません。

 ところで話は少し逸れますが、『シビル・ウォー』のジモ役だったダニエル・ブルーリュ、個人的に好きな俳優の一人です。この人何カ国語話せるんだ?と思って調べてみたら「ドイツ語・スペイン語・英語・フランス語・カタルーニャ語を流暢に話せる」とのことでした。(wikiより)

 父親ドイツ人・母親カタルーニャ人、バルセロナ生まれ、ドイツで育ったドイツ人ということでなるほどといった感じですが、カタルーニャ語はスペイン語とフランス語を混ぜたような(というと語弊があるかもしれませんが)言語で、地理的にもフランスと接する土地の言葉だからその3つはセットで身につけたのでしょうかね…ドイツ語やフランス語を駆使する役をいくつか見ていたので、『EVA<エヴァ>』でスペイン語を話しているのを見て「この人何者だ?」と思ったのを覚えています。『イングロリアス・バスターズ』では超お邪魔キャラでしたけど。

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