【総統閣下シリーズ】映画『アイアン・スカイ』──笑える部分と笑えない部分について【ディレクターズ・カット版】

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アメリカ以外の国への皮肉

 前半はアメリカ(とナチス)だけが暴走しているような印象でしたが、物語が進むにつれ各国の首脳たちも徐々に馬脚を現しはじめます。

 月よりナチスのUFOが襲来し、一体どこの国が! と大騒ぎになる場面、まずインド

「誓って我が国は月とは関係ない!」

 と自ら申告。するとすかさず疑いをかけられたのは日本と中国。こういった軍事ごとに関してインドと中国が疑われるのは分かるとして何故日本が(笑)。

 日本は「It is not ours.」と答え、中国が「It is not us.」と続きます(利き間違えてたらすみませんw)。この回答の微妙な違いに何か意味があるのかは英語に疎い私には分かりませんが、この3カ国の発言のあとにイギリスが

「じゃあ誰のでもないじゃん」

 って言うのはちょっとおかしくないか?(笑) なんでアジアの3カ国だけ疑われるんだよw もっと他にいるだろう…ってかイギリス、お前も十分怪しいだろっていう(笑)。

 

 そしてここで満を持して発言する北朝鮮

 

「このUFOは我が国のものだ」
「親愛なる首領様が自ら設計し、組み立てられた!」

 

 一同プギャーww 中国も笑ってるしw

 

 そしてUFOへの反撃として登場する「USS ジョージ・W・ブッシュ」(このときのヴィヴィアンのコスプレとどっかで見たようなロゴも笑えるw)について大統領が

 

「あんたたちが温暖化に騒いだり鯨のチンポを心配してる間にアメリカは準備してたのよ」

 

 と豪語。この辺りから「ビッチ」「短小」「ちんぽ」といった品のないフレーズが増えていきます(笑)。

 ドイツの作曲家ワーグナーの楽劇の名前で、北欧神話で「世界の終わり=ラグナロク」を意味する「神々の黄昏」という大仰な名称を持ちながら、ヴィヴィアンには「巨大ちんぽ宇宙船」などというひどい名前で呼ばれてしまう最終兵器。

 

 

巨大ちんぽ宇宙船。

 

 

 声に出して読みたい日本語。

 

 なんでしょうかこの無駄に響きの良いネーミングは(笑)。

 で、アメリカの宇宙船が武装していることを散々非難していた他国でしたが、USS ジョージ・W・ブッシュ号が救援を求めると次々に武装した宇宙船が(笑)。

 

持っとったんかいw

 

 しかも大統領の後ろのスクリーンを見てみると日本も結構持ってるみたいで、EU、イギリス、ロシア、インド、カナダはそれぞれ1機(1隻?)ずつなのに対し、オーストラリアと韓国、そして日本はなんと画面で確認できるだけでも3機は持っていることが判明! なんでそうなるの(笑)。

 

※大統領に隠れて見えにくい宇宙船が(おそらく)ひとつあるのですが、ちらっと韓国の国旗らしきものが見えました。また、オーストラリアは(1/3)~(3/3)という表記があるので3機と思われますが、大統領の後ろにさらに国名が見えるような気もしないでもない……どんだけ持ってるんだよオーストラリア。。鯨のチンポの心配ばっかりしてたくせに!

 全くもってどいつもこいつも腹黒国家ばっかりですが、フィンランドだけは宇宙船を武装していませんでした。さすが核を地中深くに埋めただけのことはあります。監督も自国ネタとしてここは譲れなかったんでしょうか(笑)。

 そして最後は地球の平和が守られて大団円…かと思いきや、ナチスが集めていたヘリウム3を巡って新たな利権争いが勃発し、会議の場でのおしくらまんじゅうが核戦争に発展してしまい、結果地球は破滅することに……

 

 ここでのアメリカは

他国がするのは許さないが、自分たちがやるのはOK。第二次世界大戦でも勝ったのはアメリカ。だからつべこべ文句を言うな

 というジャイアンみたいな理屈で押し通そうとしています。ヨーロッパの人たちってやっぱりアメリカのことをこういう国家だと思ってるんだろうなぁ…(笑)。ま、実際そうなんだろうけど。。

 ここで他国の首脳たちにを投げられますが、これはもちろんかつてジョージ・W・ブッシュがイラク人記者に会見場で靴を投げられたことが元ネタでしょう。

 この記者はこれで有罪になりましたが、母国をはじめ中東の国々では英雄としての扱いを受けることとなり、またこの「ブッシュ靴投げ事件」はネットでゲーム化され当時はだいぶ話題になりました。

 なお、ついさっきまで一緒に戦っていたのにお互いを攻撃し合って自滅していく各国の宇宙船の様子がナレーションつきで描かれていましたが、よく見ると日本の宇宙船は武器による攻撃ではなく体当たりしています。ずいぶん細かいところまでこだわってますね……でも日本人としては複雑な心境。。

 

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