007シリーズへのオマージュと引用
冒頭のBGMからして「あのテーマ曲」風だったりしますが、随所に007シリーズを彷彿させるアイテムやキャラクターが登場するこの作品。
007のジョーズを思わせる「主人公を追いつめる、ほとんど口をきかない大男」が出てきますが、敵ながらなぜか憎めないキャラであったり、スカイダイビングでパラシュートを切り裂かれて落下したのに死なないという「んなアホなw」的不死身さもジョーズっぽいところです。
役名は本人と同じダリープとのこと。演じているダリープ・シンはWWEでザ・グレート・カリというリングネームで活動しているプロレスラーです。
これまで色々な名前でリングに上がっているようで、ジャイアント・シンと名乗りジャイアント・シルバとコンビを組んで日本で活動していたこともあります。うーん、そういえばそんな巨人タッグ、いたような……ってかジャイアント・シルバは総合に出ていたりしたので覚えているんですけど。。
また二重スパイ容疑で監禁されていたマックスがカオスの爆弾テロを阻止するために脱走するときに、博物館に展示されていた車を拝借してド派手に入り口をぶち破っていきましたが、その車というのが007シリーズ第1作『ドクター・ノオ』のボンドカーであるサンビームだったりします。ただしガス欠ですぐに動かなくなりましたがw(その後に民間人から勝手に拝借したのはVWのカルマンギア)
他にも007でのQのように秘密道具を開発しているマシ・オカたち「内勤」エージェントなんかも出てきたりしますが、その秘密道具も案外役に立ったりして(結果的にですがw)出てくる要素に意外と無駄がないのも良かったです。
意外と多い伏線の回収
「無駄がない」と言えば、ただの笑わせポイントで大して意味がないと思われたものが、あとで展開にしっかり絡んでくるという細かい伏線の回収もされていたりしたりしました。
例えば序盤に出てきた「妻の姉をババアと呼んで3日間寝室から閉め出された」というくだりは、屋上での戦いでダリープをなだめる際に使われた大事な情報となっていました。
さらにマックスとダリープの間には屋上でのやり取りを機に協力関係のようなものが生まれたらしく(笑)、独房に閉じ込められているマックスにダリープが、自身が好きなラジオ番組『アメリカン・トップ40』を介してLAに核爆弾を使ったテロが起きることを伝えたりもしていました。
序盤の会議のシーンではマックスの詳細すぎるレポートに皆ウンザリしていましたが、やはりマックスの情報収集能力、分析力は本物だったようですね。
ちなみにダリープの家庭事情ネタはその後も関係してきて、ダリープのボスであるシーグフリードが彼の妻を悪く言ったために走行中の車から川に放り投げられてしまいました。相当な愛妻家なんですねぇ……。
なおエンディングでエージェント99が抱っこしていたあの犬、ふたりが出会ったときにマックスが話しかけていた犬なんだろうなと思っていたんですが、何度も見て確認してみると毛の色が結構違ってるのでどうやら別の犬のようです(間違ってたらスミマセン)。
いやそこは同じ犬にしとけよw
ところで私はNetflixで映画を見る際、Chromeのプラグイン『Language Learning with Netflix』というのを使っているので、原語である英語と日本語字幕が同時に表示されます。
それで原語とかなり違う翻訳がされていることに気付く場合があるのですが、マックス達がコンサート会場を封鎖して全員避難させるようシークレット・サービスに詰め寄るも門前払いされた場面で
「警備は万全だ」
「シークレット・サービスは君らとは違う」
というセリフが
We’ve swept the building; it’s fine.
The Secret Service doesn’t make mistakes like the fabulous bakery boys.
となっていました。
ファビュラス・ベーカリー・ボーイズ……。パン工場にかけたんですかね(笑)。映画『ファビュラス・ベーカー・ボーイズ』とリンクするものがあるのかどうかは分かりませんが、とりあえず爆弾が仕掛けられていたのはピアノの下でしたね。ま、関係なさそうですけど(笑)
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