父・ミッチの葬儀と告別式
私は何年か前に放送されたときに見逃してしまって、ドリューが葬儀を終えて帰るところからしか見ていなかったのですが、今回ようやく全部見てみたら予想していたよりもずっとエリザベスタウンの人々や父、そして母と妹とのふれ合いの場面が多かったように感じました。
それらも映画の中ではなかなかいい要素だったとは思うのですが、でもそれほど心を打つようなものにも映らなかったのは、やはり主人公ドリューが自身の大失敗からの喪失と絶望もあってか、そこまで家族愛や父を慕う人たちの温かさにどっぷりと浸かることがなかったのが理由のひとつではないでしょうか。
またもう一つの大きな理由として母を演じたのが大女優スーザン・サランドンということで、彼女を単なる「恋愛映画での主人公の母親役」として起用するわけにはいかなかったのか(もちろん個人の勝手な推測です)、映画の中のかなり重要なパートでまるで主人公のような役回りを演じていたことが、逆に脇道に逸れた感じがして少しぼやけてしまったように思えました。もちろん母の独壇場の場面は面白くて素晴らしいものだったんですが。
あとジェスのバンドが再結成してノリノリで演奏しているのはいいんですが、演出が失敗して火が上がっているのに本人たちが盛り上がっちゃって延々とアウトロを演奏し続け、ドリフのコントのようにドタバタな展開になるところは笑えました。
いやいや、とっとと演奏止めろや、と(笑)。
その他のキャストについて
序盤にちょっと登場しただけのシューズ会社の社長フィル役のアレック・ボールドウィンは今さらとくに説明するまでもないかと。それにしてもこの出演で一体幾らもらうんだろうか(笑)。
ドリューの同僚で元カノのエレンにはジェシカ・ビール。リメイク版の『トータル・リコール』でクエイドと協力して戦う女性メリーナ役が印象に残っています。ちなみにオリジナル版ではシャロン・ストーンだったクエイドの妻役はケイト・ベッキンセイル。
またちょっと調べたところ、これまでの恋愛遍歴と結婚相手がなかなかのメンツで、過去にはクリス・エヴァンスや元NYヤンキースのデレク・ジーターなどと交際していたことがあり、その後ジャスティン・ティンバーレイクと交際し2012年に結婚したとのこと。
そしてドリューの妹・ヘザーを演じたのは『アントマン』シリーズでスコット・ラングの元妻役でもおなじみのジュディ・グリア。目が大きくてグリッとしているところなどは、スーザン・サランドンの娘役として説得力のあるキャスティングではないでしょうか(笑)。
というわけでいろいろと書いてきましたが、この映画の最大の訴求ポイントはやっぱり
ですかねぇ。あ、あとひとつ言わせてもらうと、最後のナレーションは余計だったように思いました。なにあの蛇足感。
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