映画『エリザベスタウン』──男にとっては理想の女性像。でも…【マニック・ピクシー・ドリーム・ガール】

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ドリューとクレアの長電話のシーン

 今だったらLINEか何かでメッセージのやり取りをずっと続けるか、途中で通話に切り替えるとかでしょうけど、この時代はまだスマホがないのでいきなりケータイでの通話となります。まぁそれでも日本人だったら最初にメールを送るのかもしれませんが(笑)。

 夜中の長電話…しかも知り合ったばかりでまだお互いのことをよく知らない段階での長電話はテンション上がりますよねぇ。

 ドリューとクレアのふたりは途中で用を足したりお風呂に入ったりしながらずっと話し続けますが、当時の折りたたみ型のケータイってやっぱり持ちやすくて話しやすいし、スマホと違って誤動作もほとんどないから長電話もしやすかったように思います。

 もちろんスマホもマイク付きのイヤホンで話せるから楽は楽ですけど、そういうことじゃなくて、そもそもスマホはメインの使用目的が当時のケータイとは違っているので、今はもうこのシチュエーションでお互いに長電話しようとは思わないですよね。

 

 いつの時代でも言われることではありますが、何かが便利になった代わりに、それまでの良い習慣・ライフスタイルの何かが失われていく──そんなことがこの長電話のシーンを見ていて頭をよぎりました。

 そしてそのまま徹夜して朝日を見に出かけるという若さもキラキラしていて実に素晴らしい。ますます若かった頃を思い出します(笑)。

© 2005 – Paramount Pictures. All rights reserved.

葬儀を終えて変えるドリューにクレアが渡した「特別な地図」

 今の時代、地図もスマホで全て事足りるし、仮にこういった旅のガイドみたいなものを作って渡すとしても、彼らの年代であれば何かしらのデータとして送るなりアップロードするのが一般的で、手描きの文章にポラや冊子などの写真を切り貼りしたお手製の分厚いファイルなんて、手間もお金もかかって大変だから作る人はほとんどいないでしょう。(ってか当時もほとんどいなかったと思うけどw)

 仕事で大きな失敗をし、さらに父という大きな存在も失ったドリューが、帰りの長い旅路の中で自分を取り戻していくための「再生へのガイド」となるこの「特別な地図」

 

いいですよねぇ…

 

 ところでこの「特別な地図」ですが、クレアがドリューと長電話していたとき、すでにこれを作り始めていたことにお気づきになられましたでしょうか。(床の上にMacbookと一緒にたくさんの雑誌やスクラップ写真が散らばっているのが見えます)一度スイッチが入ったら真っすぐに一点集中・フルパワーで動き出すタイプなんでしょうね…

 エキセントリックさに振り回されがちだけど、そうやって翻弄されるのも嫌じゃなくてむしろ楽しかったりもする。そして落ち込んでいる自分を勇気づけ、導いてくれる──

 男にとってそんな女の子は、いつの時代でも夢の中に出てくる理想の彼女のような存在だったりします。

 

 そういったちょっと現実離れした、映画や漫画、アニメに登場するようなキャラの女の子のことを称して

 

マニック・ピクシー・ドリーム・ガール

 

 と呼ぶのだそうです。私は初めて知りました。しかもその言葉の発端はこの『エリザベスタウン』のクレアからきているそうで、Wikipediaで調べてみたら非常に面白かったので次のページで説明していきます。

 この手の女の子について興味がある方(笑)は、ぜひWikipediaのほうも合わせて見てみてください。

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