映画『アントマン&ワスプ』(ネタバレ)──ヒーロー映画がこんなに面白かったなんて…

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ポリコレの押し付けがないって素敵!

 

 昔からあったのかもしれませんが、とりわけここ数年のヒーロー映画、SF大作モノの中に露骨に捻じ込まれている、ストーリーにそれほど大きく関わってこない「ポリティカル・コレクトネス」の押しつけは正直うんざりするものがありました。(もちろんマイノリティに対する差別や偏見はなくすべきだと思っていますが、それとこれは全く別の話かと…)この2~3年だけで見ても

 

『ローガン』

『ワンダー・ウーマン』

『ジャスティス・リーグ』

『ブラック・パンサー』

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

 

 などなどなど……あの『デッドプール』でさえも続編のほうはディスり芸を被せながらもがんがんに捻じ込んできていました。

 

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 もちろん『シェイプ・オブ・ウォーター』みたいに元々のテーマが弱き者、虐げられてきた者たちが立ち上がるといった映画なら別ですが、こんな娯楽映画に強引かつ露骨に捻じ込まないと社会に浸透しないのか…というくらいにアメリカは病んでいるのでしょうかね。まぁ日本ももしかしたらそう変わらないのかもしれませんが。。。

 

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 といったわけで最近では大作映画を見る場合は「今回はどんな形で押し付けてくるんだろ…」と諦めていましたが、

 

 

なんと!!

 

ポリコレ押しつけがない!!!

 

マジかよ!!! 最高じゃないですか!!!!!

 

 

 …いや、っていうか本来こういうもんだろ。。。

 

 

逆向きの極限・量子の世界

 

 スタークさんのところやワカンダのシュリちゃんのところのハイテクっぷりもカッコいいんですが、個人的に今作でのピム博士のラボが見てて一番ワクワクしました

 

 前者はともに圧倒的なテクノロジーで、武器の出力の強力さだったり装備の防御力の高さだったりと、“外に向かう”というか、“大きく・強力に”といった方向に持っていっているのに対して、ピム博士ほうはとにかくひたすら“内側に”“小さく、極限まで小さく”という方向に向かっているのが楽しい…。

 

 そしてアリがデカくなって動き回ってるのとかも『シンドバッド3部作』『タイタンの戦い(1981年版)』などのレイ・ハリーハウゼン映画を彷彿とさせるものがあって、好きな人にはたまらない世界観なんですよね。

 

 見終わっても結局どういうことなのか分からなかった量子の世界ですが(笑)、外に向かうと果てしない宇宙に出るが、逆に極限の小ささを求めていくと、その中にもまた果てしない宇宙のような世界がある──という面ではある意味同種のものです。

 

 どちらも未知の領域ではありますが、MCUの世界では宇宙はもう勝手知ったる世界なので(どんだけいるんだよっていうくらい「神」が出てくるしw)、まだ手垢のついていない量子の世界は、新たな可能性を秘めたフィールドとして興味津々な要素です。

 

 ちなみにこの「量子の世界」「量子物理学・量子力学」というやつは、陰謀論界隈wスピリチュアル界隈(潜在意識の活用や引き寄せの法則など)では以前からホットワードのひとつであり(笑)、個人的にもどうまとめてくるか楽しみだったんですけど、よく分かりませんんでした(笑)。ってか誰も分かっていない分野なので描きようがなかったのかもw

 

 ですがこの「量子の世界」=「時間や空間の概念を超えた世界」でジャネット/初代ワスプはどのような“進化”を遂げたのか、またその量子の世界へ行き、生還することが出来たスコットに何が出来るのか、気になるところです。

 

 スコットにはあのサノスの指パッチン「インフィニティ・スナップ」という名前がついているらしいw ※後日この指パッチンの正式名称が公表されましたが、忘れましたw)で消えてしまった半分の人たちを救う役割・能力があるのかも??──という期待が膨らみます。

 

 

 そういえばピム博士が量子の世界へ行く途中でクマムシに囲まれて喰われそうに(?)なりましたが、クマムシの体長は50マイクロメートル〜1.7ミリメートルだそうです。かなりの小ささですが、量子の世界と比べたらまだ全然ですね(笑)。

 

※クマムシ(緩歩動物)についてのWikipediaはこちら。

 

 

それぞれのキャラが立っている

 

© 2018 Marvel

 

 今回出番が減って地味だったサブキャラは前妻マギーとその夫のパクストン。それに対してルイスたちお喋りトリオは逆に絶好調…というか舌好調とでも言うべきか(笑)。なんだかんだで今回も役に立ってるしw

 

 また今回はワスプの登場により(というかダブル主人公の扱いですね)、アントマンの可笑しさがより引き立っているのがポイントのひとつだったように思いました。ワスプの美しい流線型ボディに比べて(やらしい意味じゃなくて)、アントマンのスーツが今イチ身体にぴったりフィットしていなくて微妙に生地が余ってる感というか、スコット・ラング自体はなかなかのマッチョなのに、アントマンになったときのもっさりしたフォルムがたまらない(笑)。

 

 

英語とスペイン語のタイトルからワスプの位置づけを考察

 

 

 「ダブル主人公」に絡めてちょっと話が逸れますが、『アントマン&ワスプ』のオリジナルタイトルは

 

『ANT-MAN AND THE WASP』

 

 です。「アントマン」は固有の名称としての扱いなのに対し、「ワスプ」のほうは「THE」という定冠詞がついているので、今のところは特定できる対象ではあるが認知された固有の名称ではない、という扱いのようですね。

 

 ちなみにスペイン語圏でのタイトルは

 

『ANT-MAN Y LA AVISPA(アントマン・イ・ラ・アビスパ)

 

となっており、「LA」は女性名詞の定冠詞(男性名詞の定冠詞は「EL」)、AVISPAはそのままWASP=狩蜂です。こちらも定冠詞付きの名前なのでアントマンのように英語名のままではなく、ワスプはアビスパと訳されています。来年の『アベンジャーズ4』では訳されない固定の名称として扱われることになるでしょうか。

 

 なお『アベンジャーズ』はスペイン語では『ベンガドーレス』と訳されたタイトルになっています。『アベンジャーズ』の英語タイトルは第1作のみ「The」がついていて、『エイジ・オブ・ウルトロン』からは「The」が外れていますが、スペイン語圏では『インフィニティ・ウォー』までずっと『ベンガドーレス』とされています。

 

 なのに「Infinity War」は英語のままとなっており、『Vengadores : Infinity War』という何とも煮え切らない、どっちかにせぇよ、というタイトルになっています(笑)。まぁ理由は大体想像つきますが。。ロゴまでそれで作っちゃったし今更戻せないんでしょうねw

 

 

 そして今回は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でも大活躍(なのに笑えるw)だった“ジャイアントマン”の出番も多く、あのフォルムなのでデカいのになんか全然すごそうに見えないっていうのが最高です(笑)。周りの一般人も「何だあいつは!?」と騒いではいるものの、あまりビビっていないのが笑えます(笑)。

 

 スーツといえば、ゴーストの着ている白スーツがアサシン感満載で超カッコいいですね。エヴァ二号機みたいな四つ目(風)のマスクなのもイケてます。名前はエイヴァですが。

 

 

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