三崎町三丁目通信

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映画『ベイビー・ドライバー』──前半〜中盤まではいい感じ。でもやっぱり世の中は甘くなかった…さて結末は?

投稿日:2017年9月20日

 

 先日観てきた映画『ベイビー・ドライバー』パンフレットの最初の見開きには

 

「これぞカーチェイス版『ラ・ラ・ランド』!」

 

との見出しが。

 

 たしかに“ミュージカル映画”ではないかもしれないけれども“物語が常に音楽と共に進行する”映画で(主人公の設定上、自然にこうなるわけですが)、冒頭10分くらいのカーアクションですでに「うわあぁこれは気持ちえぇわぁ~~」といった妙な多幸感に包まれ脳内で何かが分泌されていました。

 

 そういえば途中で出てくるコインランドリーのシーンで乾燥機ごとに違う色のシーツ?が並んでくるくる回っているところなんて完全にミュージカルの描写ですね。

 

 

エドガー・ライトならではの演出

 

 監督はサイモン・ペッグニック・フロスト主演の『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(ってかなにこの公式サイトww)でもお馴染みのエドガー・ライト。クエンティン・タランティーノの『グラインドハウス』のフェイク予告編『Don't/ドント』の演出、さらにさらに続編も超楽しみな『アントマン』の脚本もこのエドガー・ライトによるものだったんですね。

 なるほど、どうりで全体のテンポがよくて音楽の使い方が絶妙なわけです。冒頭のJSBEに始まり、ダムドTレックスベッククイーンなどなど、自分ではそこまで強い思い入れがあるわけではないバンドやミュージシャンの曲でも、こういった映画で使われるとすごいイイ曲に思えてくるという(笑)。

 

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愛する二人とはこういうもの

 

 物語の序盤、コードネームの「ベイビー」についてはコーヒーショップの店員や、“仕事”で一緒に組む仲間からもいちいち軽口を叩かれたりしていますが、行きつけのダイナーで働くデボラは、もちろん馬鹿にしたりなんかしません。逆に、

 

「「デボラ」っていう名前が出てくる歌は1曲しかないけど「ベイビー」なら全ての歌があなたの歌じゃない!」

 

 と、めちゃポジティブに褒めてくれたりします。やっぱりこれから何かが始まる二人っていうのは、相手のいいところを見ようとするものなんですねぇ。なおベイビーも「デボラ」の歌は2曲ある、とさすが音楽通といった返事をしてみたりして。映画のセリフだからイケてるのは当然なのは分かっていますが、デボラもよくこんな素晴らしい返しが出てくるもんだと感心しました(笑)。

 

 

 この流れで思い出したのが、公開時から個人的に好きな映画ベスト10の座を動かないウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』の中のやり取り。

 

 この映画は前半が金城武ブリジット・リンのパート『CHUNGKING HOUSE』、そして後半がトニー・レオンフェイ・ウォンによるパート『MIDNIGHT EXPRESS』の2部構成となっていて、映画の英題はその2つを合わせた『CHUNGKING EXPRESS』です。『恋する惑星』というタイトルがどこから出てきたのか、今更ながらちょっと気になりますが…

 

 その件のシーンは人気がある後半パートのほうです。

 

 まず、総菜屋「MIDNIGHT EXPRESS」でバイトしていた娘であり、警官633号のストーカーwでもあるフェイ(フェイ・ウォン)に、初デートをすっぽかされた警官633号(トニー・レオン)が、元カノのスッチーとコンビニでばったり出会うシーンで、スッチーが私服姿の633号を見ての一言と、それに応える633号の台詞。

 

元カノ「制服のほうがすてき」

 

633号「君もだ」

 

 

 そしてそれから1年後、結局それっきり音信不通となった633号とフェイが「MIDNIGHT EXPRESS」で再会するシーンで、警官を辞めて総菜屋を買い取った633号と突然スッチーになったフェイがお互いを見て言う台詞。

 

元633号「制服が似合うね」

 

フェイ「私服もすてきよ」

 

 さらっと終わってしまった二人と、1年経ってもお互いを思い続けていた二人はこうも対照的なものなのですね。いやー若いっていいな~(笑)。

 

 この会話のあとまもなくフェイ・ウォンが歌う「夢中人」が重なりエンディングとなるわけですが、見ていて幸せな気分になりすぎてまだ終わってほしくない、まだ見ていたい、と池袋の映画館で多幸感に浸っていたのをよく覚えています。

 

 すみません、『ベイビー・ドライバー』の話でしたね。。

 

 

見ている人は見ている

 

 ある理由から悪い組織のためにドライバーとして働かされていたベイビーですが、ただの強盗から平気で人殺しもしてしまうヤバい連中との仕事に加担することになり、この頃には多幸感どころの話ではなく、すっかりシリアスな展開になってどんどん悪い方向に向かっていくことに。

 

 で、最終的にはお縄となってしまい逃避行モノの映画にありがちなバッドエンドになっちゃうのかなー、とやや気持ちが沈んでいたのですが、ちゃんと素敵なエンディングが用意されていたのでした。やっぱり人生一番大変なときにちゃんと誰か(または何か)に助けてもらえるよう、正しい行いが報われるよう、まっとうな生き方をしなきゃいけないなと思った次第です(笑)。(そこかよ)

 

 

ベイビー役のアンセル・エルゴートについて

 

 ベイビー役には『ダイバージェント』シリーズで主人公トリスの弟ケイレブを演じたアンセル・エルゴート。トリス役のシェイリーン・ウッドリーとは『きっと、星のせいじゃない』でもシェイリーンの相手役として共演しています。

 

 ダイバージェントではトリスが所属していた「勇敢」の連中が猛者ぞろいだったこともあって今いち頼りない印象でしたが(とかいって3作目はまだ見ていなかったりして…)、今作では191cmの長身が映える天才ドライバー役でなかなかカッコいいです。いつも同じ格好だけどスタイルがいいと何でも似合うもんですね。

 

  • この記事を書いた人

三崎町三丁目通信主筆・K

三崎町三丁目通信の主筆(個人運営ですが)をしておりますKです。映画の感想を中心に、趣味で続けているスペイン語学習(DELE A2取得で止まっています)と最近始めた英語学習のことなどを書いています。本業はフリーランスのグラフィック&エディトリアルデザイナー。びっくりするくらい将棋が弱いです。

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