コロナ禍での社会生活の大きな変化により、しばらく行けていませんでしたが先日久しぶりに映画館で映画を観てきました。
大きな劇場では過去の大作を再上映しててそっちも気になったんですが、今回はミニシアターにてジム・ジャームッシュ監督の最新作『デッド・ドント・ダイ』を鑑賞。
『デッド・ドント・ダイ』……。
このタイトルだけで軽く笑えますが、ゾンビもののコメディ映画です。…と言ってもジム・ジャームッシュの作品なので、すでにたくさんあるゾンビ・コメディ映画のようなドタバタしたものではなく、妙に緩やかな空気感のなかで物語は進んでいきます。パンフレットではその辺の感覚を「オフビートなスタイル」と表現しています。なるほどプロの物書きの方々はさすがですね。
“死者は死なない”(キリッ)
いや死ぬだろ(笑)。頭をやれば。
Kill the head.(頭を殺れ)
しつこいくらいに出てくるこの台詞。頭を殺ってようやく「もう一回」死ぬという、これまでのゾンビ設定に沿ったものですが、それにしても「お前、エグいことするなぁw」と言いたくなるような描写がチラホラ……。まぁそれをやるのはだいたいアダム・ドライバーなんですが(笑)。
Yuck!(おえっ!)
ゾンビに殺された人を見たときやゾンビを殺ったときにアダム・ドライバーが何度か「おえっ!」って言うんですが、そのわりにはずいぶん淡々としてるんですよね。言うほどキモがってないじゃんっていう(笑)。
むしろ女性警察官のミンディのほうがわかりやすくリバースしてたりなんかして、人として至極まともな反応でした。
そういえば彼女の最期は『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』をはじめとしてゾンビ映画によくある自我の崩壊による自滅パターンでしたが、見ていて
「あ、こりゃ自分から行っちゃうパターンだ」
というのが読めるものでした。ゾンビ化した身内を見つけて…っていう展開は間違いなく「出てくんだろ?w」っていう(笑)。
ちなみに少し脱線しますと、この「Yuck!」という言葉をDeepLで翻訳してみるとちょっと面白い結果になります。
(補足:「!」も含めての翻訳です。入れないと普通に訳されます)
試しに他の言語に翻訳してみましたが、よその言語ではどれも普通に翻訳されているのになぜか日本語だけがおかしい結果に(笑)。誰だよこんな翻訳にしたのはw
Google翻訳より精度が高くて便利なDeepLはこちら↓(新しいタブで開きます)
あらすじ
警官が3人しかいない、のどかなアメリカの田舎町センタービル。警察署長クリフ(ビル・マーレイ)とロニー巡査(アダム・ドライバー)は、農夫のフランク(スティーヴ・ブシェーミ)から森に住んでいる世捨て人のボブ(トム・ウェイツ)にニワトリを盗まれたとの通報を受けてボブの元へ向かう。
適当にやり過ごして署に戻ろうとする二人だが、夜になっても外は明るいままだったり、充電したばかりのロニーのスマホがバッテリー切れとなっていたりパトカーの無線も途切れたりと何かがおかしかった。
その頃テレビやラジオでは、エネルギー関連の企業が行った北極での水圧破砕工事が原因で地球の地軸がずれてしまい、地場がおかしくなったことで深刻な悪影響を及ぼすことになるのではないか──というニュースが伝えられていた。現にこののどかな町でもペットや家畜が姿を消したり、おびただしい数のカラスが群れをなしてどこかへ飛んでいったりと、動物の異常行動なども見られていた。さらに夜空に見える満月も奇妙な色をしていて、とても気味が悪い。
その日の夜、1組の男女(の死体)が墓の下から這い出してきて、何かを求めるように町にひとつしかないダイナーへと向かって行く。そして彼らはダイナーの経営者ファーンと女性店員を襲い、彼女たちの身体をむさぼり喰うと「コーヒー…」とつぶやきながらコーヒーサーバーを手に取り、おぼつかない手つきで口へ運ぶのであった。
このダイナーでの事件はあっという間に町中に知れ渡り、少年拘置所に入れられている少年少女たちにも伝わることとなった。また車で旅行中にこの町を訪れたゾーイたち若者3人も、宿泊するモーテルのテレビで何やら気色悪い事件が起こっていることを知る。クリフとロニーは町の人々に家から出ないようにと注意して回るが、ついにその夜、町中の死体が蘇り人々を襲い始める。
クリフたち警察官、映画オタクでゾンビの知識が豊富?なボビー、人のいい金物屋の主人ハンク、最近町にやってきたミステリアスな葬儀屋のゼルダたちは、はたしてこの“ゾンビ黙示録”を生き延びることができるのか──
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