いきなりエンドロールの話からで恐縮ですが(笑)、いつからかハリウッド映画を観に行ってエンドロールをぼんやり眺めていても「あっ、日本人の名前見っけ」となぜか気付くようになりました。やっぱり日本の苗字はローマ字表記だと必ず最後が母音だから目に留まるのでしょうか。(※訂正:Nで終わる苗字をお持ちの方がたくさんいらっしゃいましたね…大変失礼いたしました)ちなみに今回の『ワンダーウーマン』では残念ながら見つけることはできず(いるのかどうかは不明)、代わりにやたらイタリア系の名前が多かったように感じました。気のせいではないと思います。
というわけで公開もそろそろ終わりそうなタイミングでようやく観に行ってきたのですが、タイトルにも書いたように第一次世界大戦のさなかという時代設定がこのコスプレ風情バリバリのアメコミキャラとすごく親和性が高いというか、相性がいいように感じるのは一体なぜなのでしょうか…。マーベルの『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』のほうは第二次世界大戦中の話なので時代は少し違いますが、同じように相性がよく感じられて面白かったので何か共通する理由があるのかもしれません。。
正直な感想を言わせてもらえれば、ヒットしたのも納得のストーリーや展開ではありました。たしかに美しくも悲しい、そして気高い女性スーパーヒーロー誕生の物語であり、女性監督ならではの感情表現の見せ方などは、ここしばらくのDCの監督(以下略)
が、見ていてすごく気になったのは、何ていうかアメリカさんはいよいよその辺が露骨になってきて、置き換えとかほのめかし的な表現じゃなくモロに完全なる悪としてドイツを描くようになったのね、ということ。今回は第二次じゃなくて第一次の大戦ですが描き方とか完全に第二次のほうじゃないですか。まぁここで政治的な話はしないつもりなのでこれくらいでやめますが、今後も少しずつ少しずつこういった描写を入れてくるんだろうなと予想しています。あとダイアナの「罪のない人々を争いから守り世界を善で満たす(素晴らしい!)。そのために敵の側にいる者は殺す(えっ)」という部分がどうしても違和感を感じずにはいられませんでした。こういう正義界の原理主義者みたいな考え方っていかにもアメリカ的だよなぁ…
以前からアメリカ人が異星人とかゾンビとかロボットなんかと戦う映画が好きな理由のひとつに「完全なるブッ倒すべき悪の対象として、誰にも文句を言わせずに堂々と銃を撃ち込みまくれる」というのが深層にあるからなんじゃないかと思っています。まったく怖い国ですわ。。僕がアメリカに対して素直に憧れのような気持ちを抱けた、その当時のアメリカが舞台の映画は『キャノンボール』(今見てもキラキラしています)、あと『フットルース』あたりはMTV文化と自分の思春期が重なって音楽と一緒に楽しめていたのでその辺も、そしてギリで『トップガン』あたりでしょうか…なんかそれ以降はちょっと病んだアメリカが見え隠れしてしまい、憧れとは違う気持ちで見るようになっていきました。それでもその「病んだアメリカ」が見える映画でも『セックスと嘘とビデオテープ』みたいに大好きな映画もあるのですが。
※他にも色々ありますが、自分がほぼリアルタイムで見られなかったものは外しています。例えば『ストリート・オブ・ファイヤー』とか『君がいた夏』などなど。
あとキャストに目を向けると、敵側の女性博士役の人が見覚えあるのにずっと誰だか思い出せなくて、エンドロールでエレナ・アヤナ(日本人にもいそうな名前…)という名前を見ても、その名前にも聞き覚えがあるんだけどやっぱり思い出せず悶々として帰宅したのちパンフを見てようやく思い出しました。パンフには書いてなかったけどペドロ・アルモドバル監督の『私が、生きる肌』の彼(彼女)ではないですか。スペイン人でこの人くらいのクラスの俳優はハリウッド映画ではまだまだ少ないように思うのでもっと進出してくるといいんですけどね。
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