(前編)はこちらです
続きまして「世代交代」したことについてですが、ファースト・オーダーからして銀河帝国と比べて上に立っている人間が若く、強大ではあるけどもどうにも危うい感じがしていましたが、その象徴でもあるカイロ・レンは今作でもまだ荒削りでフォースの使い手としても拙いし(まぁ前作のラストから繋がってる話だから変わっててもそれはそれで違和感あるでしょうが)、レイもフィンもポーもまだ未熟なところがあり、さらには部下を率いる立場の大人も何やら迷いがある様子……
ということでこのまま世代交代しちゃって大丈夫なんだろうかと心配しそうにもなりますが、若者とはたとえそれまでは拙い存在であっても何かのきっかけで大きく成長できるところが素晴らしいのであって、老害がいつまでものさばる現実の社会とは違い(笑)、この『最後のジェダイ』では次の時代を作ってゆく若者たちに未来を託して大人たちは次々と去っていきます。
『最後のジェダイ』は、たとえ“スカイウォーカー”がこの世界から去ってしまってもヒーローは誕生し、そしてスカイウォーカーの血を引いていなくとも強大なフォースを持つ者は現れる。そして今はまだ何も出来ない子どもであっても、後にスター・ウォーズの新しい物語を紡いでゆくであろう未来の反乱軍の戦士もきっと、この広い銀河のどこかに確かに存在しているのだ──というメッセージを発しています。
また観る側に対しても、これまでのシリーズのお約束を踏襲したり、かつての遺産に頼らなくても新しいSWは作っていけるんだ──という決意表明のような作品となっているように感じました。
個人的にはずっと「片腕を切られるのはレンかレイのどっちなんだろう…」と思いながら見ていましたが、そういった踏襲もしませんでしたね。
まぁでも「(さも何か重大な理由があって)今は出て行けないが、居場所はドロイド2体に託してあるからその時が来たら私を見つけてくれ」みたいな感じで身を潜めていたように見えたルークが結局は
「嫌になって引きこもってただけでした。スイマセン」
だったことにはちょっと拍子抜けしましたが(笑)
今作はスター・ウォーズ・サーガがついにスカイウォーカー・サーガからその先の未踏の地へ行く第一歩的な作品となり、お接待映画からの解放を宣言したのと同時に、ウォルト・ディズニー帝国がこれから先、骨の髄までスター・ウォーズをしゃぶり尽くして儲けに儲けてやるぞ~、という野望を初めてはっきりと世に意思表示した映画でもあるように思いました(笑)。
少しも寒くないわ!だってこれから先もずっとガッポリ儲けるんだもん! みたいな。
これからのスター・ウォーズは(もちろん往年のファンにも向けられてはいるけれど)未来を生きる若者、子どもたちのために作られるものであり、時代が変わっても登場人物が変わってもスカイウォーカーという名がサーガから消えても、フォースは希望と共に次の世代に引き継がれ物語は続いてゆくのでしょう。
ドラえもんだって(自分のような)おっさん世代にとっては「ドラえもん=大山のぶ代」なので中の人が変わったらそれは「ドラえもんじゃないっ」などとつい考えてしまいがちですが、ドラえもんを必要とするのは子どもたちであって、子どもたちにとって大切なのはドラえもんを見て友達の大切さや夢を見ることの素晴らしさを楽しみながら知ることであって、中の人が誰かで揉めることではないのです。
なお、希望もフォースも暗黒面も今後まとめてディズニー帝国がしっかり取り仕切らせていただきますw
いよっ、ディズニーさん最高!(もみ手)
そういえば世代交代が急速に進んでいくなかで、ドロイド以外で何気にクローン戦争の時代からずっと登場している彼……本人もまさか自分が最後まで残るなんて思っていなかったのでは(笑)
【追記】これを書いた当時は、たとえ個人の感想であってもネガティブなことは書かないようにしようと思っていたのでこんな感じになっていますが、スター・ウォーズに対しての思い入れはそれなりに強いのでやっぱり本心を吐き出したいという思いも出てきました(笑)。『ハン・ソロ』のレビューではその辺も正直に書いていますので、よろしければそちらもお読みいただけると嬉しいです。
【追記2】最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のレビューもよろしければどうぞ!
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