無駄にならなかった遠出
先に書いた「○○するために□□する」というストーリー展開について考えるとき、どうしても頭をよぎるここ1~2年で公開されたとある大作映画での酷すぎる展開……
そう、それが『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の2本です…。
『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』
フィンとローズ(とBB-8)が、敵艦隊に忍び込むために必要なコード破りの達人を探すためにカジノの惑星に行き、しょーもないドタバタに散々時間を使って何とか敵の懐に潜り込むも事態を打開することにはならず──
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
サノス打倒の最後の切り札となるべく、自身最強の武器“ストームブレイカー”を手に入れるためにソーがロケット、グルートと共に惑星ニダベリアへ向かい、苦難の末にようやくストームブレイカーを入手する。そして地球に乗り込み、壊滅寸前だったアベンジャーズ軍の起死回生となる一撃をド派手な登場とともにサノスにぶち込み、ついに勝利した………と思われたが狙いを誤りサノスあっさりと復活、そして指パッチンでハイ半分消滅──
あんたらさぁ……
あんたら、貴重な上映時間の中であれだけ尺を取って回り道しておいて……
結局何っっっの役にも立たなかったんじゃん!!!!!
何だよそれ。。。
あんっっっっっだけ時間使っといて全っっっっっ然意味ねぇじゃん!!!!!
マジで何やってんだよ……何してくれてんだよ……
と、かなり本気でうんざりさせられたのでした…。
まぁ、とはいっても『~インフィニティ・ウォー』のほうは映画自体は非常に面白かったので、これはソーの負け方が良くなかったという、脚本なのか演出なのか、そっち方面の問題ではないかと思っています。『~最後のジェダイ』については全く擁護する気がありませんが。
(※『最後のジェダイ』のレビューを書いたときは「ここでは悪いことは書かないようにしよう」と思っていたので大人しい感想にしていますが、本音は『ハン・ソロ』のほうで書いています)
そんなわけで「○○するために□□する」=「オームに勝ち、自身がアトランティスの真の王であることを示すために伝説の三叉槍(トライデント)を探しに行く」という今作のターンも、主人公なので無駄にはならないことは想像がつくものの、映画全体として見たときに蛇足にならないかと少し気になったんですが、全然心配する必要がなかったですね。
むしろ槍を引き抜くときに「コントみたいにあっさり抜いたりしてw」とか考えてたら、本当にあっさり抜いちゃたもんだから「もう少し大袈裟にしても良かったんスけど」くらいに思いました(笑)。
出演者について
アトランナ女王=ニコール・キッドマン
うぅむ…若い。
出てきてすぐに「ニコール・キッドマンだよなぁ…でもこんなに若いはずはないしなぁ…もしかして他の人???」などとアホなことを考えながら見ていました。そして帰宅してパンフを読んでやっぱりニコール・キッドマンであると確認した次第です。
うぅむ……。ニコールさんよりちょっとだけ年上のダイアン・レインがクラーク・ケントの母マーサを演じ、ダイアン・レインと同世代のマリサ・トメイがピーター・パーカーを育てるメイおばさんを演じている現在、「あなたずいぶん若い役で出るわね」と、思わず某デラックスさんの口調っぽく言いたくなるような見た目の若さ。過去の回想シーンだけならともかく、現在のアトランナも「いや無理あるだろw」と思うくらいに若いのがちょっと気になったりして。
でも『アクアマン』の上映イベントの写真などを見ると実物も怖いくらいに若いので、役がどうとかじゃなくて本人が怖いんでしょう(笑)。もちろん褒め言葉です。それにダイアン・レインもマーサ役では老けメイクっぽいけど写真を見る限り実物はやはり若いですし、マリサ・トメイに至ってはニコール・キッドマンよりも若く見えるくらいなので、まぁハリウッドセレブのマジックといったところなのでしょうね。
アーサーの父、トム・カリーは誰か
映画を見ていてずっと「この人知ってる。この顔すごい見覚えある。でも誰だか全然思い出せない」とモヤモヤしっぱなしだったのですが、やはりこちらもパンフを見て「あぁ~~」と納得。ジャンゴ・フェットの人でしたかー!
でも経歴を見てみたら、自分が見た映画でこの人だと覚えているのは『スター・ウォーズ』ep2・ep3(3ではコマンダー役)のみなんですよね。それでもはっきり顔を覚えているというのは、やはりジャンゴ・フェットのインパクトが相当強かったということなのでしょう。
で、そのトム・カリー役のテムエラ・モリソンさんですが『クローンの攻撃』のパンフを見てみると、出演作に『6デイズ/7ナイツ』とありました。ハリソン・フォード主演のあの映画、結構好きなんですがこの人が出ていたのは全く気付きませんでした…どうやら海賊役のようですね。あの真上に大砲撃っちゃった人たち。
オーム役のパトリック・ウィルソン
こちらは『ウォッチメン』でのナイトオウルⅡ世のほか『ヤング≒アダルト』でのシャーリーズ・セロンの元カレ役などが個人的には記憶にあるところですが、Wikipediaを見てみたらなんと『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』で合衆国大統領を演じていたとのこと。おいっ、っていう(笑)
安定のウィレム・デフォー
少し前にレビューを書くために『ジョン・ウィック』を改めて見直したりしていたばかりなので、こういう役どころで出てくるとまた○されてしまうのではないかと気を揉みましたが、大丈夫でした(笑)。
上のほうでも書きましたが、ウィレム・デフォー演じるバルコの髪型や衣装がどことなくサムライっぽい雰囲気で格好いいのですが、パンフにもそれに関する記述がありましたので2つほど抜き出して引用します。
ウィレム・デフォーへのインタビューより
──衣装はご自身の意見も加わっているとお聞きしました。
衣装は気に入ったよ。それにウィッグもね。あのウィッグはサムライをイメージしたものにしてもらったんだ。僕はサムライ映画を観て育ったから、サムライのテイストを採り入れてもらえて嬉しかったよ。事前にジェームズ・ワン監督に話しておいたので、衣装チームが気を利かせてくれたんじゃないかな。
プロダクション・ノーツより
アトランナが海底王国に連れ戻された後、アーサーを教え導いてくれたのはバルコだった。ワンは恩師、外交官、策士という三つの顔を持つバルコを、ベテラン俳優のウィレム・デフォーに託した。「ウィレムはこの役にとてつもない深みと説得力を出してくれました。彼はとにかくクールな人。ウィレムが出演を引き受けてくれたのはオビ=ワン・ケノービのような、あるいは武士道の師範のような存在を演じられると期待したからなんです。ですから、バルコの人物像もそのように設定しました」とワンは言う。
まとめ
というわけで、DC映画の格好付け路線みたいなものが今イチ好きになれなかった自分でもこの『アクアマン』は十分に楽しめた作品で、予想外の当たり作(というか予告編の「おや?」という印象通り)となりました。まぁもちろん「大傑作です!」とまでは言いませんけど…。
最後に細かいツッコミをひとつだけ言わせてもらって〆ようと思います。
冒頭でアトランナが陸に打ち上げられたのをトムに助けられた際、ゴボゴボッなんて水を吐き出していましたが…
完全に水陸両用のアンタがどうやったら溺れるんだよ、と(笑)。
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