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『ブレードランナー2049』

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映画『ブレードランナー2049』──世界の終わりとハードボイルド電気羊(まあまあネタバレ)

投稿日:2017年11月2日

映画『ブレードランナー2049』公式サイトより

 

 

 うちの父親が映画好きだったため、子どもの頃から映画館で洋画を見る機会があったことに今は感謝しています。パンフやレコードは全部捨てられてしまいましたが(笑)。『ブレードランナー』は当時映画館では見なかったものの家にビデオがあって(父親が買ってきたらしい)高校の頃に見たのが最初です。ちょうど雑誌「宝島」にブレードランナーの記事が出ていて、それを読んでから見たのか見てから読んだのかは覚えていませんが、とにかくどハマりしたのはよく覚えています。残念ながら周りでこの話題を共有できる友達はいませんでしたが…。その後上京してから数年後、「ディレクターズ・カット」なるものが上映され観に行ったのですが、それまで散々見まくっていたことと少し酒を飲んでから行ったため途中寝てしまったのはいい思い出です(笑)

 というわけでその後もいろんなバージョンが出てきたブレードランナーですが、この作品に関しては「(そりゃ見たいっちゃあ見たいけど)続編を作ってはいけない映画」という意見の人が大多数ではないかと思いますので正直期待よりも「いやー厳しいっしょ」というネガティブな意見ばっかり目にしましたし、自分もそう思っていました。そんな自分にとっても強い思い入れのあるブレランの続編『ブレードランナー2049を観てきての感想は、

 

“あの世界観”を求めなければ全然アリ。(ただしツッコミどころもいろいろアリ)

 

でした。

 前々から思っていたことですが、『ブレードランナー』をカルト作品たらしめた要員のひとつでもある近未来のサイバーパンク的な世界観は、おそらく今の世の中では説得力のある表現はもう不可能なんでしょう。具体的にいつから無理な時代になったのかは分かりませんが、インターネットが普通のものとなり更にネットで情報のやり取りをポケットに余裕で入る携帯端末で出来るようになったあたりから…とかでしょうか。個人的に「これぞサイバーパンク!」と呼べる世界観を持っていた作品はPSのゲーム『クーロンズ・ゲート』が最後だったように思います。そういえばVRで出るとか出ないとか………めちゃめちゃ気になるんでしが。。。

 そんな何だか怪しげで文化も人種もごった煮状態、常に酸性雨(という言葉自体使わなくなりましたし…)が降り注ぐ暗くて不健康そうでガヤガヤした近未来の都会がブレードランナーの舞台でしたが、そんなところは今も未来もありえませんということをもうみんな分かっているので、それっぽい街を表現しようとしてもどこか広々として見えるしそれなりに秩序があるようにも感じられるしそんなに不健康そうにも見えないという、ここ十数年の間に公開された未来設定の映画ではすっかり見慣れた街といった感じでした。まぁ思っていたよりずっと多く日本語があちこちに出てくるのでそれは安心?しましたけど。

 でもそういうところに期待しなければ、ひとつの映画としては悪くないし、酸性雨のかわりに降り積もる雪と近未来の景色はなかなか情緒的なものがありましたし、見ていて何となく村上春樹の小説『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を思い出したりしました。“壁に囲まれた静かな世界で、一角獣の頭骨で夢読み”っていう設定もどことなく共通するものがあるような…。嘘です。

 あと前に続編の話題が出たときにこうなるんじゃないかっていう予想はしてたんですが、その予想に限りなく近い形で出てくるレイチェル、ちょっとグッとくるものがないわけでもなかったんですが、でもちょっと待ってほしい。

 

みんな大好きレイチェルさんですが、みんなが見たいと思っているレイチェルはタイレル社で手を腰に当ててモデル立ちしているレイチェルさんじゃあないんですよ!!

 

…ま、設定的にそうなるのは仕方がないんでしょうけどね。。

 思ってたより全然イケる続編ではありましたが、逆に悪くはなかったからこそ「それはないだろう」という点も挙げておきます。

 まず何といっても音楽。契約の問題でヴァンゲリスの音源が使えないとかそういう事情なんだろうけど、アンタ正真正銘の続編だよね?っていう。エンディングで流れるあのテーマ曲も「愛のテーマ」も何ひとつ出てこないじゃないですか……。そうかと思えば“古き良きアメリカ”時代のスターのホログラムなんかが唐突に出てくるし…というのがとにかく残念でした。

 次にジョイとの別れのシーン、あれもうちょっと尺を取ってタメを作るとかして叙情的に出来なかったんだろうか。。。けっこう大事なところだと思うんだけどあっさりしすぎでは…

 それと、これは前作のロイ・バッティ(&プリス&レオン)が良すぎたってのもあるんだろうけど、一応のボスキャラとの戦闘シーンがあまりにも普通というか、怖さもなければ詩的な美しさもまるでなく…(人そのものは美しいんですが)ここは大きく減点されたとしても仕方がないところではないかと。

 あとこれは内容と関係ない個人の感想なんですが、ガフの登場は嬉しいものの、すっかり『バトルスター・ギャラクティカ』でのアダマ艦長のイメージのほうが強くなりすぎてガフに見えなかったのがちょっと勿体なかった(笑)。

 

 


 


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  • この記事を書いた人

三崎町三丁目通信主筆・K

ブレラン2049っぽいのか007っぽいのかわかりませんが1文字にしてみました。三崎町三丁目通信の主筆(一人しかいませんがw)をしておりますKでございます。本業はフリーランスのグラフィック&エディトリアルデザイナー。びっくりするくらい将棋が弱いです。

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