【MBTI】メンタルの不調と食の関係について:前編──主な問題と変えるべき点【解説編】

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❷グルテンの害

 次にグルテン。これは小麦などの穀物に多く含まれるたんぱく質の一種ですが、元々は地球上に存在しなかったものであり、人工的に作られたたんぱく質です。自分でパンを作ったことがある方なら分かると思いますが、パン生地をこねると独特の粘り気や弾力が出ます。あれがグルテンです。

 またパンを作る際、生地がボウルなどにべったりとこびりついて洗うのにも手間がかかりますが、それと同じものが体内に入っていることをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

 

 

 

アレルギーと極めて密接にかかわっているのが腸の状態だ。腸は私たちが食べたものを分解し、消化吸収する役割を担っているのはよく知られたところだろう。

 私たちが食べたものが消化吸収をされる機能を担っているのは、口から肛門に至るまでの消化管。その中心を担っているのが、小腸の粘膜にある粘膜上皮だ。

 そもそも、食べ物は噛むことで口腔内で細かくされ、食道から胃に送られる。胃では胃酸と消化酵素によって、さらに細かい状態にされる。

 胃の内容物は一定量、小腸に送られる。通常、小腸で消化酵素と混ぜ合わされてもとの性質が残っていない小さな分子にされる。ここまできてようやく、小腸の粘膜上皮から吸収されるのだ。

 消化とはつまり、大きな分子を小さな分子にすることなのだ。小さな分子とは、たんぱく質が分解されてアミノ酸の状態にまで分解されるということである。アミノ酸に分解されてしまえば、その食材がもともと持っていた特性がなくなり、アレルギーの原因とはならない。

 ところが分解がある段階までしかおこなわれず、分子が大きなままで食材の特性が残ってしまうと、それが抗原となってアレルギー反応が起こってしまうのだ。

 つまり、アレルギー反応を起こすかどうかは、どこまで細かく分解されているかにかかっているのだ。

 小腸は、小腸絨毛(じゅうもう)といって、文字通り絨毯の毛のようなものでできている。その分、表面積が大きくなっていて、その面積はテニスコート一面分ともいわれている。それだけいろいろな栄養素を吸収できるようになっているわけだ。

 想像してみてほしい。この大きな小腸の粘膜の機能が低下すればどうなるだろうか。

 本来、腸の粘膜は細かい網の目のようになっている。“ザル”を思い浮かべてみるとわかるが、健康な腸粘膜は目の細かいザルと同じで、小さな分子、つまりアミノ酸まで分解されたものを通す。ところが、粘膜の機能が低下すると、網の目が粗くなってしまう。目の粗いザルと同じで、十分に分解されていない大きな分子のものも通してしまうのだ。それが抗原となって免疫が過剰に反応し、アレルギーを発症する。

 最近急増している「リーキーガット症候群」は、腸粘膜の疾患だ。

 リーキーガット症候群とは、まさにこの腸粘膜の目が粗くなった状態だ。当然、たんぱく質も大きな分子のまま侵入してしまうから、それが抗原となってアレルギー反応を起こしやすくなる。

 起こるのはアレルギー反応だけではない。うつやイライラなどの精神症状まで引き起こすことがある。

 また、ADHDなどの多動性や、自閉症といった子どもの発達障害についても、リーキーガット症候群とのかかわりが指摘されているのだ。

 

──溝口 徹 著 『2週間で体が変わる グルテンフリー健康法』(青春出版社)より引用

 

 

 グルテンの害悪については詳しく説明しようとすると恐ろしく長くなるのでやめますが、近年「第二の脳」と言われるようになった腸の重要性(さらに最近では「第二」どころか脳以上に私たちの身体を操っているのが腸であるとさえ言われています)は、便秘やイライラ、肌荒れなどの比較的軽い日常的な症状のみならず、花粉症や食物アレルギーをはじめとした様々なアレルギー症状であったり、さらには発達障害などにも大きく関係していると考えられています。

 それに加えて、グルテン(とカゼイン=乳製品)にも麻薬のような中毒性があることが分かっています。

 

 

 小麦と乳製品のアミノ酸の配列は、モルヒネに似ているため、「同じものが来たな」と認識してしまう。しかもその成分は、脳の関所といわれている血液脳関門を通過してしまい、レセプター(受容体)にくっついてしまうのだ。

 モルヒネと似た構造のものが血液脳関門を越え、神経細胞のシナプスのオピオイドレセプター(モルヒネ様物質の受容体)でキャッチされると、中毒症状を引き起こす。たとえば、ハイになってしまったりイライラしたり、幻覚や妄想まで起こしてしまう。

 それだけではない。神経伝達物質の発現を阻害してしまうのだ。シナプスから出てくる正常な神経伝達物質を阻害するため、心の安定に欠かせないセロトニンやGABAが出づらくなったり、あるいは神経を興奮させるノルアドレナリンを過剰に分泌させてしまう。

 すると、記憶があいまいになる、情緒が不安定になる、うつになる、興奮しやすくなるといった症状を引き起こす。

(中略)

 ちなみに、ハイになると、食欲が増進される。

 食べれば食べるほど、「もっとほしい、もっと食べたい」という一種の中毒症状が出てしまうのだ。

 朝、パンを食べたら昼はパスタが食べたくなり、おやつにはケーキやクッキーを食べたくなり、夜には衣たっぷりの揚げ物を食べたくなる……といった状態になるのだ。

(中略)

 ドーナツ、パンケーキなど、小麦系の甘いものを食べると幸福感を感じる人もいる。

 毎日の3時のおやつが「ふわふわした甘いもの」だという人は、驚くほどたくさんいることだろう。

 あなたがそういったタイプだとしたら、脳が麻薬物質にやられている可能性が高いということなのだ。

──同書より引用

 

 

 このように、同様のメンタルの不調と中毒症状を引き起こす❶(砂糖)と❷(グルテン)が混ぜ合わさった食べ物というのが、ケーキやパン、お菓子などである──ということになります。

 

 

 こういう話をすると、よく

 

「食べたいときに食べたいものを我慢せずに食べるのが一番の健康法なんだよ」

 

みたいなことをドヤ顔で言う人がいます。ある意味では正しい面もあるかもしれませんが、ほとんどの場合は単に自分が「食べたいという欲求を我慢できない」ことへの言い訳で、あとはもっともらしいことを言ってマウントを取りたいだけなんですね。

 また自己啓発とか潜在意識、引き寄せの法則系の人たちの中には

 

「○○は身体に悪いと聞いたから摂取しないようにしよう」といったことをいつも意識していると、それらを摂取したときに身体に悪いことが起きてしまうという信念を潜在意識に刷り込むことになるのでむしろ逆効果である。何も考えないで好きなように食べていた人のほうが長生きしたという実験データもある──

 

 ということを言っている人もいます。

 これについては正しい部分もないわけではありませんが、当然何も考えないで好きなように食べていた人のほうが何かしらの病気になってしまった実験データというのも多数存在するわけで、一部の例外を取り上げて正当化するのはおかしな話です。

 さらに潜在意識のことで言うのであれば、何も考えないで好きなように食べて健康に長生きするためには

 

この先どんな不都合な情報を見聞きしても、また実際に自分の身体の調子がどう変化しようとも、絶対にネガティブな方に意識を向けない

 

 ということが条件になります。自分で自分を騙して「そんなのは嘘だ、俺は何があっても健康だ」と言い聞かせてもそれは顕在意識でやっていることであって潜在意識ではありません。潜在意識は騙せませんから、結局は食べ物に気をつけていながらネガティブな方向に意識を向けてしまっている人たちと同じことになります。

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