その100 「幸運を!」
¡Buena suerte!
ブエナ スエルテ!
(幸運を!)
未だにスペイン語をちゃんと話せる・理解できるレベルにない自分ですが(笑)、それでも自分が今まで勉強してきた経験を活かして
といった目的で始めたこのフレーズ集、早いもので今回で100フレーズ目となりました。なんかまだまだいくらでも出てきそうなのですが、やってみると100個なんてあっという間なんですね~
というわけで今回は100フレーズ目なので、ポジティブなものにしてみました。
ほとんど直訳なのでそのまんまです。「buena」(ブエナ)が「よい/よいこと」で「suerte」(スエルテ)が「運」です。
「buena」(ブエナ)は「bueno」(ブエノ)と同じ単語で、男性名詞にかかる場合は「bueno」で、女性名詞にかかる場合には「buena」となります。この場合、運を意味する「suerte」が女性名詞なので「Buena suerte」となります。
逆に「不運」は
mala suerte.
マラ スエルテ
といいます。No.091で紹介したJesse & Joyの曲『La De La Mala Suerte』
にもこの「Mala suerte」という言葉が入っていますが、この曲のサビの歌詞
Por qué siempre soy yo la de la mala suerte
は「私ってなんでいつもツイてない人なんだろう…」というフレーズは、歌詞として言葉を音に美しく乗せるために少し回りくどい表現になっているのでしょうかね。違ってたらスミマセンw
今回の「Buena suerte」というフレーズが歌詞に入っている歌で昔よく聴いていた…というかYouTubeでMVを見ていたのが、2000年代前半にデビューしてアイドル的人気を博していたChenoa(チェノア)の『Todo irá bien』という曲。
タイトルの「Todo irá bien」(トド イラ ビエン)は直訳すれば
「全部うまくいく」
という意味。これも覚えておいて損はないフレーズですね。使う・使わないに関わらず、ポジティブな言葉を頭に入れておくこと、声に出してみることはすごく大切です。
これと同じような意味のフレーズで、
Todo va a salir bien.
トド バ ア サリール ビエン
というのもあります。
「salir bien」が「うまくいく/いい結果になる」という意味です。(逆に「salir mal」だと「うまくいかない/悪い結果になる」という意味になります)
「行く」という動詞「ir」(イール)+「a」(ア)+動詞の原形で未来の表現となり、
「~する予定である/~するところである/~なはずである」
という意味になります。
この場合の動詞「ir」(イール)は「Todo」=「全ては(全てのことは)」にかかるので3人称単数・現在形の「va」(バ)になり、それに「salir bien」と続くことで
「全てうまくいくだろう/うまくいくはず」
となります。ちなみに「Todo irá bien」の「irá」は動詞「ir」(イール)の3人称単数・未来形。「ir」は「向かう」とか「(機能や進行状況が)~に進む」といった意味もありますので、この「irá bien」で「うまくいくだろう」となります。
要するにどっちを使ってもいいってことですね(笑)。
ところで、Chenoaのことを初めて知ったのは最初にスペイン語の勉強を始めて1年経つか経たないかくらいの頃だったので2006年前後だったと思いますが、この頃は男女問わずスペイン語圏の歌を勉強がてらよく聴いていました。
例えば同じくChenoaのこの曲『Rutinas』などもそのひとつ。
この「Rutinas」は「ルーティン(複数形)」の意味ですが、この歌の歌詞にある
sin ton ni son
シン トン ニ ソン(シントニソン)
というフレーズなどは、この歌で知ったフレーズだったりします。おそらく教材だけで勉強していたらA1〜A2レベルでは知ることはなかったでしょう。
ちなみにこれは「訳もなく」とか「何の理由もなく」といった意味です。
なお、これもNo,091で紹介したVanesa Martín の『Sin saber por qué』
のタイトル「Sin saber por qué」は
「訳も知らずに」「理由も分からずに」
といったような意味で、似ているようで意味は違います。
Chenoaの曲や、No,091で紹介したNena Daconte、そしてNo.096で紹介したLa 5a Estaciónなどと同様に、2000年代に勉強していた頃によく聴いていたのがスペインのバンド「Efect Mariposa」(エフェクト・マリポーサ)。
バンド名の意味は「バタフライ・エフェクト」で、バタフライ効果のことです。意味は…ググってください(笑)。同名の映画(主演:アシュトン・カッチャー、主題歌はoasis)もありましたね。
で、そのEfect Mariposaも良い曲がたくさんあってCDも何枚か買ったのですが、最初に好きになったのがこの曲、『No me crees』です。
日本人にとってスペイン語のいいところは「大部分がカタカナ発音」であるという点でしょう。この歌も意味は頑張って辞書で調べてもなかなかうまく落とし込めませんでしたが、気づいたら全部覚えてて歌えるようになっていました。もちろん人がいるところでは歌いませんが(笑)。
YouTubeといえば、コメント欄を見ていると日本人とか外国人とかに関わらず
「2020年にこれ見てる人おる?」
みたいな書き込みをそこかしこで見かけます(笑)。今回このフレーズ集の原稿をNo.090からNo.100まで11回分まとめて書くにあたっていろんな動画を見ていたら、そのほとんどにこの手の書き込みがあり、そこには西暦(2020)と合わせて
「en cuarentena」
という言葉がありました。これは英語の「quarantine」のことで意味は「隔離」です。
今年のコロナパンデミックについて、個人的には世の中の多くの人が信じていること、もしくはマスコミが伝えることとは違った認識を持っていますが、どちらが正しいかといったことは置いといて、世界中の一般の人々が大変な思いを強いられたことは間違いありません。
「緊急事態宣言」が出されたときの日本の状況だけでも精神的に厳しい日々を送られた方が多かったことと思いますが、日本とは比べ物にならないレベルの隔離政策が取られていたスペインの人々の、ほとんど家から出られない日々というものはさぞかし辛かったことでしょう。
普段だったらこの「2020年にこれ見てる人おる?」的書き込みは「うるせーなw」と思うだけですが、さすがにこのパンデミックの時期だけは
「そうだよね、大変だよね」
という言葉のひとつもかけてあげたくなりました。
うまくいっていないときや落ち込んでいるとき、自分が辛いときには、人に優しくできないこともある──それはよく解ります。現実の世界で関わる人に対してつい毒を吐いてしまうことはあるでしょうし、常に人に優しく生きる──なんてことはほぼ全ての人にとって難しいことでしょう。
ですがネットの中の、SNSの中の赤の他人に毒を吐くことをやめることなら出来るはず。自分の人生に何の関係もない赤の他人を傷付けても得することなんて何もありませんし、自分が吐いたその毒は必ず別の形で自分に返ってきます。
逆に「自分の人生に何の関係もない」赤の他人を元気付けたとき、その徳も必ず別の形で自分に還ってきます。もし還ってきたときに自分が気付かなくても、少なくとも元気付けられた相手はその分だけ救われるのだからその行為はとても意味があるのです。
誰かが特別に気持ちを込めて言ったわけでもないような何気ない一言に救われたりすることが人生にはときどきあります。知っている誰かに優しくできない自分が嫌になったら、知らない誰かに優しくして、それが出来た自分を好きになってみてはいかがでしょうか。
というわけで、ここを見にきていただいた方々にとって良い一日となりますよう。No.101以降がいつUP出来るか分かりませんが(笑)、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
¡Que te vaya bien!
¡Buena suerte!
¡Todo irá bien!
¡Todo va a salir bien!
画像の中の文字で、黄色い箇所やアクセント記号付きの文字(é、áなど)が強く発音するところです。
…が、相手への問いかけだったり文脈の流れ、強調の具合などのニュアンスによって変わってきたりしますので、必ずしもこの通りとは限りません。
さらにこのシリーズを作っていて、少しずつその辺が統一されなくなってきましたので(笑)、イントネーションの強弱ポイントにつきましてはあくまで参考程度として見ていただけると嬉しいです。
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