それぞれの関係と、シンクロする行動
映画の冒頭から登場する犬を連れた青年とその恋人、判事が盗聴している相手や過去に自身に起きた出来事、電話の相手、新聞の記事など、関係してくる要素が多いため分かりづらくて今イチ話に入っていけなかった、という人も多いかもしれません。ですので他の登場人物とふたりの主人公(ヴァランティーヌと判事)との関係を簡単にまとめてみました。
オーギュスト
ヴァランティーヌの部屋のすぐ近くに住む法学生。赤のジープに乗り、犬を飼っている。(ふたりに面識はなく、お互いの存在を知らない)
電話で話しているのは2歳年上のブロンドの恋人・カラン。(判事も法学生時代、2歳年上の恋人がいた)
道で参考書を落とし、そのときに開いたページが試験に出る(判事の過去の経験と同じ)
恋人が別の男と寝ている姿を目撃する(判事も同様の過去あり)
ヴァランティーヌと同じフェリーに乗船。失恋のショックで一度は棄てた愛犬も一緒。
カラン
オーギュストの恋人で電話による気象情報サービスをしている。判事の家の近所に住んでいる。(判事の盗聴対象者のひとり)
盗聴事件の裁判の場で知り合った男と付き合うようになる。(判事のかつての彼女も同様に浮気をした)
オーギュストがフェリーに乗った日に、新しい恋人とヨットでドーヴァー海峡へクルージングに出る。(判事の恋人を奪った男も裕福な男で、一緒にドーヴァー海峡へ逃げた)
嵐でヨットは遭難し、安否は不明。(判事の恋人も事故で死亡)
ヴァランティーヌの恋人
いつも自分の都合で電話をかけてきて、彼女がすぐに出ないと機嫌を損ねる。何かにつけ「そこに男がいるのか」と疑う。(判事は人の電話を聞くことで真実を知るが、彼はいくら電話で話してもヴァランティーヌのことを何も知ろうとしない)
ヴァランティーヌの弟
16歳。15歳のときに自分が父親と血が繋がっていないことを知り、麻薬に溺れる。
新聞の麻薬に関する記事に写真が載る。
判事はその新聞記事とヴァランティーヌの話と照らし合わせ、彼女の弟の出生の事実と麻薬との関連を推測。
判事の隣人一家
男には同性の恋人がいる。献身的で優しい妻は気付いていないが、娘はそのことを知っている。
裁判の日、家族で法廷に来ており、娘は判事を哀れむような目で見つめる。
ヴァランティーヌはこの娘の境遇と自身の弟を重ね合わせて悲しむ。
新聞の記事
麻薬絡みの記事にヴァランティーヌの弟の写真が載る
判事の盗聴についての記事が載る
フェリー(とヨット)の事故についての記事が載る
救出された7名
フェリーの転覆事故から救出された7名は以下。
フェリーのバーテン、S・キリアン
ジュリー/『青の愛』
オリヴィエ/『青の愛』
カロル/『白の愛』
ドミニク/『白の愛』
ヴァランティーヌ/『赤の愛』
オーギュスト/『赤の愛』
ジュリーはふたたび生死を彷徨う大事故に遭ってしまいましたが、ここでも生還しました。
そしてカロルとドミニクがここにいることも驚きです。どのようにしてドミニクが釈放されたのかは分かりませんが、ふたりは一緒にイギリスへ渡ろうとしていたことが判明しました。
また、ニュースで「昨年 他界した作曲家の夫人、ジュリー・ヴィニョン」と言っていたことから、ドミニクが収監されてからそれほど時間が経っていないことが分かります。(ドミニクとカロルの離婚調停の裁判に夫の愛人を探しにきたジュリーの姿があったことで、時系列的には『青の愛』の後半→『白の愛』→『赤の愛』で、尚且つそれらは2年未満の出来事であることが確定)
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