【理由は犬】映画『ジョン・ウィック』──始まって15分で観客から許可が下りる

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その他、脇を固める渋い人たち

 ちょっと出番が少なめですが、ウィレム・デフォーがジョンの同業&旧友役として出ていました。アウトロー集団のリーダーから軍人、そして時を司る堕天使からデスノートのリュークまでと(笑)、様々な役をこなせる名優として今作でもジョンを陰から支える渋い役柄を演じていたのですが、続編には登場しないキャラとなってしまいました。

 また数年前に終了したドラマ『FRINGE/フリンジ』で、そのフリンジ・チームのボスだったブロイルズを演じていたランス・レディックが「コンチネンタル・ホテル・NY」のコンシェルジュ役として出演しています。こちらは次作にも登場しますがその続編では、もはや映画『ジョン・ウィック』シリーズになくてはならない人物のひとりとしての存在感を放っています。何ていうか、ジョンがいかに凄い殺し屋だったのかを表現していくうえで「その界隈」に生きる人たちの、それぞれの職業のプロフェッショナル度がいかに本物か、ということも自動的に描かれることになるので、そこがまたこの映画の魅力なのではないかと。

 これについては『ジョン・ウィック:チャプター2』のレビューでも少し書きましたが、このコンシェルジュをはじめとするジョンを取り巻く「分かってる者同士のやり取り」が、見ていてすごく愉しいです。個人的に続編『〜チャプター2』はそれを楽しむ作品なんじゃないかと思っています(笑)。

 

 

『クロウ/飛翔伝説』との類似性

 キアヌ・リーブスの新たな代表作となった『ジョン・ウィック』シリーズ(今年3作目が公開予定)ですが、見ていてふと、ブルース・リーの息子ブランドン・リーが主演の(そして遺作でもある)ダークヒーロー映画の傑作『クロウ/飛翔伝説』と共通するところが幾つかあることに気付きました。

 そしてその「共通する部分」こそが『ジョン・ウィック』がヒットした要因のひとつであるように感じます。

 

“ガンフー”と呼ばれる“ガンアクション”と“カンフー”をミックスしたアクションが見物であること

 キアヌ・リーブスの主演作を語るうえで『マトリックス』シリーズは避けては通れません…ってかど真ん中なんでしょうけど。そしてネオといえばあの格闘シーン。『マトリックス リローデッド/レボリューションズ』から11年経ち、またこんなふうに銃と格闘術で無双しまくるキアヌの姿を見ることができるとは…と嬉しく思った人はきっと多いはず。

 対して『クロウ/飛翔伝説』のほうはと言えば、「あの」ブルース・リーの息子で、父から直にジークンドーの手ほどきを受け、そして父の後を追って俳優となったブランドンの華麗なアクションが目玉のひとつでした。また『ジョン・ウィック』同様に派手な銃撃戦シーンもあるのですが、こちらはリアルさというよりはまるで演舞を舞っているかのような、流麗な動きが特徴のカッコいいものとなっておりました。

 

悪党どもをひとりで次々と葬ってゆくさまが痛快(いささか不謹慎ではありますが…)

 最愛の女性(妻)を亡くし、生きる希望を失っていた凄腕の元殺し屋が、受け取った妻からの最後の贈り物である仔犬を殺されたことで誰も止められない復讐の鬼と化し、ロシアンマフィアの悪党どもひとりで全員葬り去る、というのが『ジョン・ウィック』。

 恋人と暮らしていたアパートの地上げに反対していたミュージシャンの男エリックは、街を支配する悪党一味にアパートを襲撃され、窓から突き落とされて殺されてしまう。そして一緒にいた恋人も暴行され、瀕死の重体で病院に運ばれるも苦しんだ末に死亡する。その一年後、カラスの神秘的な力を得て不死身の身体で蘇ったエリックは、次々と悪党どもを粛清し最後には全滅させる、というのが『クロウ/飛翔伝説』。

 どちらも法や警察が手を出せないような悪の組織を、超人的な能力を持つ男が一切の容赦なくひとりで叩き潰してゆく──という、ダークヒーロー物の王道といった展開ですね。

 

ラスボス戦の舞台設定、そして復讐を果たした後の去り方

 どちらもラスボスとの戦いにはそれまでにない苦戦を強いられています。また最終決戦の舞台設定が雨が降りしきる夜であることや、重傷を負いつつも復讐を果たし終え、今は亡き愛する妻/恋人の姿を思い浮かべながら自分がいるべき場所へ帰ってゆく、というところも似ています。(『クロウ~』では天国から恋人シェリーが現れ、共に光の中へ消えてゆく。『ジョン・ウィック』ではスマホに録画していた在りし日の妻・ヘレンとの映像を見ながら、新たに引き取った犬を連れて家に帰ってゆく)

 

そして続編へ

 2017年に『ジョン・ウィック:チャプター2』という待望の続編が公開されました。

 見たかったものの結局観に行けず、そのままずっと見ないままでいたのですが、つい先日Netflixにきたので早速鑑賞。

 いやー、見る前は正直どうかな〜と思っていたんですが(そう思っていた理由は続編のレビューに書きました)これが予想に反して(?)かなり良かったです。

とりあえず今作が好きで続編を見ていないとしたら、それは非常に勿体無いです。見ましょう!w

 

…というわけで『ジョン・ウィック:チャプター2』のレビューはこちら↓です。

 

【様式美の世界】映画『ジョン・ウィック:チャプター2』──「分かってる者同士のやり取り」が最高!
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(2019/10/9)3作目のレビューも書きました!よろしければこちらもどうぞ。

【格式と矜持】映画『ジョン・ウィック:パラベラム』──どいつもこいつもあっち側【そして犬】
...

 

 それにしてもNetflix。

 見られる作品も多いし値段もまぁこんなもんか、という感じなので惰性で契約し続けています。たしかに便利は便利。

 が……なんというか、パソコンでの視聴が便利なときもあるけどやっぱり「よし、見よう」と決めて腰を据えないと映画一本分を完走できないんですよね。。

 そうやって結局一本も見ないでひと月が経ってしまうこともしばしば…

 その点テレビだと、とりあえずスイッチを入れてそのとき放送しているものを見る──ということが出来て、そのまま「なんとなく」見るというのが、寝る前の疲れた頭と身体にはちょうど良かったりします(笑)。

 しかもそういう「よし、見よう」と、気張らないときに限って映画1〜2本を続けて見てしまったりするんですよね。とくに好きでもなんでもないのに、なぜか放送されるたびに見てしまったり。

(例:“ロシア版ランボー”とかいう触れ込みで夜中にやたら放送していた『フリント』シリーズとか……この現象は一体なんなのでしょうかw)

 

 そう考えると、やっぱりスカパー!みたいな複数のチャンネルをテレビで見られるものが自分には合ってるみたいです。

 数年前から住環境の問題でひかりTVに変えてしまいましたが、これだと「ムービープラス」が視聴できなくて本当に残念です。。スカパー!を契約してた頃は『セレクト5』というセットにしていて、さらに年に一度、長期利用特典なのか何なのか忘れてしまいましたが1〜2週間?くらい、ちょうどスターチャンネルを視聴出来る分のサービスもあったのでとても充実していました。

 『セレクト5』で「ザ・シネマ」「ムービープラス」「シネフィルWOWOW」を固定として、あとの2つは「FOX」やスポーツ系、音楽系などをそのときによって変更する、というパターンだったんですが、ろくに見る機会のないチャンネルがたくさん含まれているよりも、自分で選んだチャンネルが5つ、というくらいが一番実用的だったように思います。

 

映画とドラマのレビュー一覧はこちら(更新日時順)

 

映画『クロウ/飛翔伝説』①──原作との関連性、そして今なお支持される魅力の理由とは【ブランドン・リー】
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映画『クロウ/飛翔伝説』②──DVDの特典映像やブックレット、雑誌の特集などから作品を紐解く【本棚通信⑨】
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