映画『コンスタンティン』──『エンド・オブ・デイズ』との類似点や服装の考察、あと最近のオカルト謎解き合戦について思うこと【キアヌ】

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服装で分かる属性

 主な登場人物は、彼らが着ている服や身体のパーツの色などで属性や「どちら側」の者であるかなどが、だいたい判別できるようになっています。

 

 ざっくり分けるとこんな感じです。

 

  • 善と悪は白と黒で
  • その中間(どちらかにはっきり分かれておらず、同居している存在)がグレー
  • 良い意味でも悪い意味でも普通の人間らしさがある存在はカーキや多色掛け合わせ、アースカラー

© 2005 Warner Brothers. All rights reserved.
そう考えて見てみると割と分かりやすいお三方

 

 それでは、それぞれのキャラクターごとに見ていきましょう。

 

ジョン
のコートにのトラウザース、ワイシャツにネクタイ
→善悪の両方が混在する「人間」であるが、白黒のどちらかのみの世界に生きる者(普通の人間ではない)

イザベル
い院内服
→自分が媒介とされることを拒むため(?)に自殺してしまうが、その魂は敬虔なクリスチャンそのものであるため、白一色である
アンジェラ
ジョンと同様に上下のスーツで、シャツやカットソーが
→ジョンと同様の定義。またどちらも後半は上着を着ていないので白の割合が多い
チャズ
濃いめのグレーとカーキの中間っぽい色の上着、シャツ、白黒の帽子、スニーカーも白黒
→ある意味で一番多くの要素を持った存在。そのかわりにどちら側にも振り切れていない
チャズ(エンドクレジット後)
天使と人間のハーフブリードとして復活。上下い服にグレーの翼
翼がグレーなのは人間とのハーフブリードだからか
パパ・ミッドナイト
、そして多色掛け合わせの自然色が組み合わさった色のシャツを着用。スーツはダークカラーだが黒ではない
「中立」を貫いているためか、着ているシャツの色の割合としては白や黒よりも多色掛け合わせのほうが多い
ヘネシー神父
カーキのトレンチコート。中はい服とシャツ
→自身の持つ霊力に耐えきれず酒なしでは眠れない。自然色であるカーキ色のコートを纏うのは、その霊力から逃れて普通の人間でいたいと願う心の表れか。
※なおドラマ版『コンスタンティン』ではジョンがカーキのトレンチコートを着用
ビーマン
のジャケットにグレー系のシャツ。パンツはカーキ
→異世界についての造詣が深くジョンにとって頼れる仲間ではあるが、特別な霊力は持たない普通の人間であると思われる
ガブリエル(ハーフブリード)
復活したチャズ同様、上下い服にグレーの翼。金髪
→こちらもハーフブリードだからこそ?のグレーの翼を持つが、それ以外は典型的な「天使」像である
ガブリエル(スーツ)
ペンシルストライプのダークスーツにブルーのシャツ、ネクタイはゴールドネイビーのストライプ
ブルーのシャツとゴールドのネクタイの組み合わせは天空の彼方から射し込む神の光のイメージか
※なお悪魔と人間のハーフブリードであるバルサザールのネクタイは黒に白のドット柄と赤と黒のストライプ
ガブリエル(人間)
ルシファーに翼を焼かれ人間に格下げされたガブリエルの服は、そのときの炎で煤けてグレー
→「白」がなくなり白と黒が混ざった(善悪入り交じる)人間に
ルシファー
スーツ、シャツ、チーフなど全身白一色だが、足は裸足で重油に浸かったように真っ黒
→真っ黒に汚れた足が地獄の住人っぽさを表しているが、そもそも大天使だったので見た目は真っ白である。なお床の水に写った息子マモンの姿は完全に魔物
※ルシファーを白一色で表現しているのが興味深いが、少なくとも今作に限っていえばルシファーのしたことは結果的にジョンとイザベル、そして人間界を救う行為のみだった

 

ルシファーがしたこと

 上にもちらっと書きましたが、キリスト教的世界観では堕天使、そして悪魔界の頂点という存在として扱われているルシファーは、今作では一体何をしたのか? ということを考えると色々と考えさせられるものがあります。

 

 今作でルシファーが行ったことを見ていきましょう。

 

・地上の破滅を意味する息子の地上世界への進出を阻止

・その計画に協力した天使と人間のハーフブリードであるガブリエルを人間にした

・敬虔なクリスチャンでありながらやむなく自殺し地獄へ落ちてしまったイザベルを天国へ送った

・肺ガンで余命1年のジョンの身体から真っ黒な固まりを取り出して健康体にした

 

うぅむ…。結果だけを見たら人間にとっては良いことしかしていないような…

 キリスト教をはじめとする多くの宗教で「神」とされる存在や、スピリチュアルとかニューエイジ思想などで語られる「大いなるもの」は、人間界で起こる出来事には干渉しない立場を取ることが多いようですが、悪魔とされる存在は積極的に人間界に介入しようとするようです。

 もしルシファーがガブリエルを止めずに息子が地上に放たれるのを黙認し、人間界が地獄の住人に取って代わられることになったら「神」はどうするつもりだったのか、気になります。

 

 というかルシファーが息子の地上進出を許さず追い返すところまでが「神の計画」のひとつであり、神は全て見通していた──ということにしたいのであれば、それはそれで「悪魔」という存在は人間にとっては怖れの対象であっても、神にとっては争う対象となるレベルのものではなく、映画やドラマなどによるある「神vs悪魔」という戦いの構図にはそもそもならないものである、ということなのでしょうね。

 まぁちゃんと考えたら(映画の概念では)この世界は全て神によって創り出されたものであるのだから、その中の一部である悪魔が神を倒すということはそもそもありえないんですよね。神が創ったこの世界は神の一部であり神の中にあるものなので。ゲームに例えると、ゲームのキャラクターがゲームのプログラムや筐体そのものを壊すことが出来ないのと同じですね。

© 2005 Warner Brothers. All rights reserved.
人間界と地獄界の境界あたり?

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