タイトル画像は劇場公開当時のスカンジナビア政府観光局とのタイアップ広告。両面のリーフレットとなっていてもう片面はこんな感じとなっています。
INFJの自分にとって最も相性が良く感じられ、男女問わず長年の友人関係になれる性格タイプがENFPだということは以前に書きました。これは完全に個人の感想なので他の人たちにとっても同じことが言えるのどうかは断定できませんが、自分が見聞きする情報だけでいえば少なくとも相性が悪いという意見は目にしたことがありません。
だからといって全てのENFPを全肯定しているというわけではもちろんなく、どうやっても好きになれない、できれば顔も見たくないというENFPもきっといると思います。幸い現実世界での人付き合いの中にはそういう人はいませんが。
INFJは他者との関係・距離感に関して、
といった特徴があります。
そんな面倒くさいINFJの高セキュリティな心の壁を、なぜか何の努力も気遣いもなくたやすくすり抜けて侵入し、その領域内で自由にくつろいでしまう存在がいて、それがENFPであることが多い──と個人的に感じています。
ENFPと話をしていて心地よく感じる点についてこのようなものを挙げましたが、結局、①が全てなのかなと。
「お邪魔してもいいですか」とこちらの顔色を伺いながら入ってくるのではなく「よっ、最近どうなの?」と言いながらすっと入ってくる。そして手には面白そうな本とかゲームなどを持っていたりする。
何か企んでいて懐に入ってくるのではなく、その手に持っている面白そうなものを共有したがっているのようにみえ、それが興味をそそるものなのでついこちらも簡単にドアを開けてしまうという。…この比喩がうまく伝わるとよいのですが。
あとウマが合うという点でいうと、INFJ的にはENFPの以下のような特徴も心地よく感じられたりします。
・様々な分野についての知識があるので話が飽きない(同じ世代同士の会話であれば、ということですが)
・皮肉は言うが理屈っぽくはない
・自分がどう思っているのかをちゃんと表に出す
・人間関係の構築や維持において、セコいことをしない
・仲が良くてもずっとベッタリすることもなく、飽きると勝手にいなくなる
話していて面白く、卑屈さがなく、依存もしてこないところが良いのではないかと。
というわけでここからが今回の本題です。
『ノルウェイの森』のワタナベと緑の関係
私は昔から村上春樹の『ノルウェイの森』の登場人物の中では圧倒的に緑が好きでした。(ってかそもそも登場人物自体が少ない物語ですが)
以前書いたINFJとENFPの相性についての記事で取り上げた「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」と呼ばれる、ある特定の女性キャラクター像にこの緑もかなり当てはまるタイプであり、実際こういう女性は映画や小説・マンガなどの世界では人気の高いキャラクターである場合が多いです。
MBTIというものを知る前はどうして緑がこんなに魅力的なのか今いち理解できていなかったのですが、彼女が典型的なENFPであることが分かってようやく腑に落ちたのでした。
例のデータベースサイト(Pdb)では主人公のワタナベがINFJで緑がENFPとされています。
ワタナベについては、いつものように主人公の男性は作者である村上春樹本人(INFP説が有力)の性格が投影されている面も多分にあるため、INFJというよりはINFP的な行動や発言、考え方をしているように感じられることも多くあります。ですがとりあえずここではPdbの投票を採用してワタナベ=INFJとしてみていくことにします。
一方の緑のほうはというと、こちらは圧倒的多数でENFPとみられているようです。
他の村上春樹の長編作品に登場する主要な女性キャラクターには緑のようなパーソナリティを持った者がおらず、PdbでもENFP判定されている女性キャラがほとんどいません(いちおう『ねじまき鳥クロニクル』の笠原メイもENFPとされているようです)。
そういう点からも緑は村上春樹作品の中ではけっこう特殊な存在であり、まさに「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」的な魅力を放つヒロインといえます。まぁミステリー物としての要素が強い他の長編小説と『ノルウェイの森』とを並べて登場人物について語るというのも無理がありますが。
そんなワタナベと緑との会話からは、先ほどの①~③に当てはまるような要素が随所にみられ、改めて読んでみるとどうして自分は緑が好きなのかがよくわかりました。
次のページから実際の会話部分を引用して考察?していきます。
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