【なるほど】映画『TENET テネット』その①──終盤までの検証と考察、疑問点と画面奥のおかしな現象など【わからん】

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「順行・逆行の双方向からの挟み撃ち」を間接的に示唆する場面

 映画の中で「(過去と未来による)挟み撃ち作戦」という言葉が何度か出てきます。

 私たちが暮らすこの世界の時間の流れが「順行」であるのに対して、未来から「逆行」してくる者は逆行し始めた時点から過去に向かって進んでいきます。

 

この世界は順行世界なので、ここでの時間の流れは当然順行です。ですのでこの順行世界の中に現れた「逆行状態」の者は、私たちから見ると逆再生の動きをしているように見えます。

※クライマックスのスタルスク12での戦闘を例にすると、順行チームにとってのミッション開始時は「ミッションがこれから始まる時点」ですが、逆行チームにとってのミッション開始時は「ミッションが完了した時点」です。その“完了”という「結果」を作るために「原因」へと進んでいくのが逆行チームであり、両チームのミッション開始時刻は同じではありません。順行チームの開始時点はタイマーが10:00、逆行チームの開始時点はタイマーが0:00です。(映画内では10:00から始まる順行チームの行動と0:00から逆方向に進んでいく逆行チームの行動を交互に描写しているので間違えやすいですが)

 

 劇中には、このような「順行と逆行が同時に存在する状態」「時間の逆行を間接的に暗示させるような場面」が幾つか見られました。この辺は本編と直接関わるものではない小ネタですけど、私が気がついたのはとりあえずこんなところです。

◆主人公がウクライナで拷問を受けたとき、ロシア人が「一時間時計を戻そう」と言って拷問を長引かせようとする

◆このとき主人公たちがいる線路の両脇を、主人公たちを中心としてそれぞれ別方向に走る列車(画面手前に向かう貨物列車と画面奥へ向かう貨物列車)が見える

◆ムンバイにてサンジェイ・シンのいるペントハウスに乗り込む手段が「逆バンジージャンプ」で、脱出する手段が「バンジージャンプ」
※ニール曰く「これが唯一の脱出方法であり、同時に侵入方法でもある」

◆オスロ空港内を歩く主人公とニールの周りを画面手前方向と画面奥方向へ移動している人々の姿。ちなみにこのとき立ち止まっている人は一人もいない

◆「逆行」状態の視点で描写しているときはBGMが逆再生になる

 

※レンタル期間が終わって今はもう確認できないのですが、エストニアのタリンでプルトニウム241を奪うシーンで、消防車をトレーラーに横付けするときだけ何故か逆行じゃないのにBGMが逆再生になっていたような気がするので例外があるのかも……違ったらすみません。

クライマックス以外のシーンでの確認事項・不明点の洗い出し

 次に映画内で説明されているところも含めて、解りづらいと思われる箇所について考えていきます。

 

何度も見直してみたけどやっぱりよく解んないやw

 

 という部分もあったのですが、それについてはあとで書きます。

※未来から来た者が順行状態となっているときの説明は赤枠で、逆行状態となっているときの説明は青枠にしています

 

いくつかの場面で登場する「未来から来た逆行する人」は誰か

 
■リュックコイン状のストラップが付いている男

 まず冒頭のウクライナのオペラ劇場での偽テロ事件で、最後の爆弾を取ろうとして敵に見つかった主人公を「逆行弾」を使用して助けた男(クライマックスの地下にいた男も同様)は、主人公の相棒であるニールだったことが背負っているリュックのストラップによって判明します。なお「逆行弾」を使用していますがこのときのニールは順行です。

 またニールはこのことに加え、のちにムンバイにて“初対面”であるはずの主人公に対して

「任務中は飲まないだろ?」

 とダイエットコークを注文したところからも、ニールは以前からこの“TENET”に関わっていて主人公とも面識があったことが分かります。(=未来を知っている=逆行してきた者)

 

■オスロ空港の保管庫にある回転ドアから現れた2人の武装した男

 これは主人公本人であることが中盤で判明しましたが、展開が結構めまぐるしいことと、大きな意味を持つ「回転ドア」がふたつ並んでいる意味や仕組みについては映画の中で明確に解説されているわけではないので、ここも確認しておきたいと思います。

© 2020 – Warner Bros. Pictures

 

前半のオスロ空港パートでの最後

空港で元の世界の主人公が捕まえた男は、シャッターの隙間に吸い込まれるように消えていった

これは逆行状態で侵入した主人公ですが、飛行機が爆発したときの爆風で吹き飛ばされ、シャッターの隙間から押し込まれるように中に入ってしまったために起きたこと

 逆行状態では「原因」と「結果」の順番が逆になるため、爆風で中に押し込まれた逆行状態の主人公の姿は、元の世界の主人公の目には

シャッターの隙間から外に吸い出されるようにして逃げられた

 ように見える。そして、

爆風で中に押し込まれて侵入→元の世界の自分に捕まる→元の世界の自分と格闘→回転ドアの前まで来たところで「検証窓」の向こうに外へ逃げる自分の姿を見て、急いで回転ドアに入る

 

→順行の部屋の回転ドアから出る→逃げる→過去のニールが追いかける→過去のニールが謎の男のマスクを剥がし、未来から来た主人公であることを知って逃がす

 

→順行状態となって逃げてきた主人公と入れ替わりに逆行状態のニールとキャットがフリーポートに入って行く(このときニールの目には順行状態で戻ってきた主人公は逆向きの動きに見えている)→ニールは回転ドアの部屋で「検証窓」の向こうにマスクを外して立ち去る自分(とキャット)の姿を確認して回転ドアに入る

 

→ニールとキャットが主人公と合流し、救急車で空港から脱出する

 という流れとなります。この一連の場面で回転ドアについて謎の部分があって今イチ釈然としないのですが、それについては後述します。

 
■エストニアの首都タリンの道路に現れた逆行する者

 タリンにも時間を遡ることが出来る回転ドアがありました。セイターのアジトの中でしたが、ここは

 

回転ドアを通って逆行状態となる空間が「青い部屋」

 

回転ドアを通って順行状態となる空間が「赤い部屋」

 

 となっています。この

「逆行」=「青」

「順行」=「赤」

 という識別は、クライマックスのミッションで二手に分かれたTENET部隊の識別でも同様の色分けがされています。

 また逆行状態のセイターがキャットを連れて「青い部屋」に入ってきたとき、セイターは彼女にマスクを付けさせて自分はそれまで付けていたマスクを外していました。このことからこの空間では逆行状態の人間がマスク無しで外気を取り込むことができ、反対に通常の人間(順行状態)はマスク無しでは呼吸できない空間であることが分かります。

© 2020 – Warner Bros. Pictures

 

 このタリンでのミッションで過去へ逆行したのは

・「プルトニウム241」の隠し場所を聞き出して過去に戻ったセイターの一味

・セイターに奪われた「プルトニウム241」の保管ケースに盗聴器を仕込むため外へ出た主人公

・逆行弾で撃たれて瀕死のキャットと、キャットを救うために主人公と一緒に過去へ戻ったニール

 となります。アイブスやホイーラーたちは主人公たちとは別行動となっています。(のちにTENETチームの船で合流)

 

 この一連のミッションで主人公が知ったことは、以下のことなどが挙げられるます。

 

「順行」と「逆行」とではそれぞれ音も逆方向なのでお互いの喋っている言葉は聞き取れない

 

 捕まって赤い部屋に連れてこられた主人公が、青い部屋にいる逆行状態のセイターにプルトニウム241の隠し場所を聞かれたときに何を言っているのか全く聞き取れなかったことと、逆行状態になってから車でカーチェイスの場へ向かった主人公(逆行)が無線を傍受したときも、声が逆さまに聞こえて聞き取れなかったことから。

※セイターのアジトはおそらく不便がないように仕掛けが施してあって、逆行状態の者の声を逆再生してスピーカーで流す装置のようなものがあると思われます。セイターの声が少し遅れて通常の声で聞こえたのはたぶんそういうことではないかと。

ふたつの部屋(ふたつの回転ドアを出た先の空間)の間には「検証窓」があり、それを見て向こうに自分の姿が見えなかった場合は回転ドアから外に出られなくなる

 これは部隊を率いるアイブスのセリフによって説明されるこのシステム?の概念で、これ以降のオスロ空港やスタルスク12のシーンでも、主人公やニールが回転ドアを使う際にも反対側の空間にちゃんと自分の姿が見えることを確認する描写が見られます。

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