ふたつのものが同時に存在する世界
この世界は「良い」とされることも「悪い」とされることも常に同時に存在し、それらはいつも隣り合わせ、表裏一体でそこにあります。
良いことばかりではありませんし、悪いことばかりでもありません。
そして起きてくることを「良いこと」と捉えるか「悪いこと」と捉えるかはその人次第であり、全ての人に当てはまる二元論的な「良い」と「悪い」は実は存在していないことになります。
誰かにとって良いことは他の誰かにとっては悪いことかもしれないし、一見悪いことが起こったように思えても、その人にとってのちに大きな気付きとなる大切な出来事である場合もあります。
さらに未来のこと、不確定なことについては結果が不明であるため「良い」「悪い」を判断することはできません。
そういった相反するふたつのもの・こと/似て非なるもの・こと──が同時に存在する象徴のようなものが、映画の中には数多く登場します。
こういった要素がかなり多く盛り込まれているので、それらを挙げていこうと思います。
まず「双子(または双子に見える兄弟・姉妹)」ですが、このような感じで登場してきます。(他にもあったかもしれませんが気付いたのはこんな感じです)
月曜日▶︎ローラが見た夢:ふたりの間に双子の子どもがいる夢
月曜日▶︎バーにいたビリヤードをする黒人男性(名前はサムとデイブ)
水曜日▶︎バスの前の横断歩道を渡る黒人の母親と2人の幼い娘
木曜日▶︎バスの車内に並んで座っている女の子たち
木曜日▶︎仕事の帰りに出会った詩を書く少女=双子の妹
金曜日▶︎故障したバスに乗っていた高齢の女性2人
また双子以外にも、有名なふたりのコンビ・組み合わせも度々名前として登場します。
・ロミオとジュリエット
・サム&デイブ
・アントニー(アントニウス)とクレオパトラ
・アボットとコステロ(バッド・アボットとルー・コステロという往年の人気お笑いコンビで、映画館のポスターにも登場)
次に「白と黒の模様、ツートーンカラー」ですが、これはローラに関するものが中心となります。
リメイクする家の内装や家具、洋服、カップケーキ、ギター、車のタイヤカバーなどがそれに当たりますが、他にもバーでドクやテーブルの客がやっているチェスも格子柄の盤面で行うものですし、土曜日にふたりが観に行ったのも白黒映画でした。
そして「バスの中での会話」ですが、3組の乗客によって交わされる会話も「良い」と「悪い」は表裏一体であり、不明なものは「中立」であることを示唆するようなものとなっていました。
「~~だ」「でも~~した」「だけど~~なんだろ?」「ああ、でも~~なんだ」みたいに、相反する物事は常に表裏一体であることを暗示していて、その「良い」と「悪い」は人の受け取り方によって変わるものであることが分かります。
①月曜日:ふたりの子ども
②火曜日:男Aと男B(男Aの場合)
③火曜日:男Aと男B(男Bの場合)
④木曜日:大学生の男女
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